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フジロック、サマソニ、タイコクラブ!音楽フェス出演UK出身アーティスト23組、予習復習&12時間プレイリスト Presented by RHA

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2011年に創業したグラスゴーのオーディオブランド・RHA。同社のワイヤレスイヤホン「MA650/750 Wireless」は、販売開始以来ハイエンドのワイヤレスイヤホンの定番のひとつとして一般量販店、専門店、アパレル系ショップなどで人気を拡大。 この4月には新色となる「MA650 Wireless White」が国内でもお披露目され、魅力的なカラーバリエーションが加わった。ワイヤーの混線を気にすることなく、手軽に音楽を連れ出せるワイヤレスイヤホンは、日々のリスニングからフェスの予習まで、あなたの音楽ライフをさらに充実させてくれるはず。 今回は英国生まれの「MA650/750 Wireless」シリーズにちなんで、日本の夏フェス<SUMMER SONIC 2018(以下、サマソニ)>、<FUJI ROCK FESTIVAL '18(以下、フジロック)>、<TAICOCLUB'18(以下、タイコクラブ)>のラインナップからイギリス出身の注目アーティストをピックアップ。 「MA650/750 Wireless」シリーズの性能と合わせてその魅力を紹介。記事の最後にはQetic編集部が選曲したプレイリストも公開! 「MA750 Wireless」「MA650 Wireless」「MA650 Wireless White」を手に入れて、フェスの予習に活用してみて欲しい。

SUMMER SONIC 2018(サマソニ)

ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ(NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS)

オアシス(Oasis)のメイン・ソングライターとして活躍後、ソロ転身後も精力的に作品をリリースするUKロック屈指の御大は、昨年最新作『フービルト・ザ・ムーン?』をリリース。前作制作中にはじまったデヴィッド・ホルムス(DAVID HOLMES)との制作作業に焦点を当て、エレクトロニックな質感も飲み込んだサイケグルーヴと持ち前の歌心を活かしたサウンドを手に入れた。ライブではよく“Don't Look Back in Anger”や“Wonderwall”といったオアシスの楽曲も披露するため、今回の<サマソニ>でのライブも新旧の楽曲による観客の大合唱が期待できそう。 Noel Gallagher's High Flying Birds - Ballad Of The Mighty I

ザ・シャーロックス(THE SHERLOCKS)

2010年にシェフィールド出身の2兄弟で結成された4人組。キングス・オブ・レオン(Kings of Leon)や再結成以降のザ・リバティーンズ(The Libertines)のアリーナ・ツアーのサポート・アクトに抜擢されるなどして注目され、デビュー作『Live For The Moment』リリース後の2018年1月には来日公演も敢行した。ザ・ジャム(The Jam)やザ・クラッシュ(クラッシュ)を筆頭にした英国伝統のロック・バンドの系譜に連なりつつ、同時に新人らしからぬスタジアムを連想させるサウンドで人気を獲得。“Chasing Shadows”を筆頭にしたアンセミックな楽曲の数々でメイン・ステージを盛り上げてくれるはず。

ドリーム・ワイフ(DREAM WIFE)

ブライトンのアート・カレッジで出会ったメンバーで結成されたガールズ・パンク・ポップバンド。ギターとドラムが生み出す切れ味鋭いグルーヴやアート性の高いパフォーマンスでビキニ・キル(Bikini Kill)やスリッツ(The Slits)、ヤー・ヤー・ヤーズ(Yeah Yeah Yeahs)といった歴戦のバンドの系譜にある新人として注目されている。2018年に入ってセルフ・タイトルのデビュー・アルバム『Dream Wife』をリリース。今回の<サマソニ>出演が初めての来日公演となる。

フレンドリー・ファイアーズ(FRIENDLY FIRES)

00年代後半のエレクトロ×インディのクロスオーヴァー期に登場し、ダンス・フロアへの愛をめいっぱい詰め込んだロマンティックな音楽性で人気を博したフレンドリー・ファイアーズは、2018年に入って単独名義では約7年ぶりの復活シングル“Love Like Waves”を発表。相変わらずフロア・ラヴァーを躍らせること間違いなしの新たなキラー・チューンを引っ提げて、<サマソニ>のソニック・ステージにやってくる。

ペール・ウェーヴス(PALE WAVES)

The 1975やウルフ・アリス(Wolf Alice)を世に送り出した英注目レーベル〈Dirty Hit〉発、彼らに続いてUKで注目を集めているのが、「BBC Sound of 2018」を筆頭に様々な期待の新人リストに名前が挙がっているマンチェスターのインディ・ポップ・バンド、ペール・ウェーヴス。The 1975のマシュー・ヒーリー(Matthew Healy)とジョージ・ダニエル(George Daniel)がプロデュースしたデビュー・シングル“There's A Honey”や“Television Romance”などを筆頭に80’sポップ~ニュー・ウェイヴの要素も取り入れた切なくポップなサウンドが支持され、今年2月にリリースしたEP『All The Things I Never Said』はフィジカル/ヴァイナル・チャートで全英1位を記録した。 Pale Waves - Television Romance

ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン(BULLET FOR MY VALENTINE)

ウェールズが生んだ“00年代最高のUKメタル・バンド”ことブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインは<サマソニ>1日目のマウンテン・ステージに登場。今年6月には16年末以来新たなパートナーとなった〈スパインファーム・レコード(Spinefarm Records)〉に移籍後初となる最新アルバム『グラヴィティ』をリリース予定とあって、新旧の楽曲を織り交ぜた横綱相撲を見せてくれるはず。

ザ・シャーラタンズ(THE CHARLATANS)

90年代の活躍以降もメンバー・チェンジなどを経て活動を続け、今やUKロック・シーンのいぶし銀的な存在になった感覚もあるウエスト・ミッドランズ出身の4人組は、<サマソニ>1日目のソニック・ステージに登場。2013年に結成以来のドラマー、ジョン・ブルックスを脳腫瘍で失うも、それを乗り越えて完成させた現時点での最新作『Different Days』には、ジョニー・マーやポール・ウェラーを筆頭にUKロック・レジェンドが多数参加したことも話題に。

トム・ミッシュ(TOM MISCH)

ノヴェリスト(NOVELIST)やロイル・カーナーといったUK新世代ラッパーとの交流でも知られ、グライム、ジャズ、アフロ・ミュージックなどが交差する現在のUKのストリートを象徴する人物のひとり、トム・ミッシュ。ブルース、ジャズ、ヒップホップをブレンドしたビート・ミュージックを鳴らすロンドンのビートメイカー/プロデューサー/SSWである彼は、2018年4月にデビュー・アルバム『Geography』をリリース。今年の<サマソニ>出演アーティストの中でも特に「この機会に観ておくべき」と話題になっている存在と言えるだろう。

ジョルジャ・スミス(JORJA SMITH)

今年<サマソニ>に出演するアーティストの中でも「このアーティストは絶対に見ておきたい」最注目新人といえば、このジョルジャ・スミス。ディジー・ラスカルの“Sirens”をサンプリングしたデビュー曲“Blue Lights”をドレイク(Drake)が絶賛し、彼のUKツアーに帯同。さらに2017年の『More Life』に2曲フィーチャーされたことで話題に。2018年に入ってもケンドリック・ラマーがプロデュース&キュレーションを務めた『Black Panther: The Album』に参加するなど、音楽シーンのキーマンから熱い注目を集める次世代ディーヴァ。 Jorja Smith - Blue Lights | A COLORS SHOW

クリーン・バンディット(CLEAN BANDIT)

2015年の<サマソニ>にも出演し観客を湧かせたクリーン・バンディットが今年は<ソニマニ>に出演。クラシックとEDM以降のクラブ・ミュージックをブレンドした音楽性の斬新さはデビュー作『New Eyes』から4年経った今も健在で、2018年1月には来日公演を行ない、デミ・ロヴァートを迎えた最新シングル“Solo”も発表。“Solo”は近年の音楽シーンのトレンドのひとつ、ダンスホールを彼ら流に解釈した楽曲になっている。

コスモ・パイク(COSMO PYKE)

ブルース、ジャズ、ヒップホップ、ネオ・ソウルを取り入れた音楽性で人気を集めるサウスロンドンのコスモ・パイクは、2018年4月のイベントでの初来日に続いて早くも<サマソニ>への出演が決定。2017年にリリースされて話題になった“Chronic Sunshine”を筆頭にレイドバックしたサウンドを持って2日目のビルボード・ジャパン・ステージに出演する。2016年にフランク・オーシャンの“Nikes”のMVに出演したことも話題に。

アンクル(UNKLE)

〈Mo' Wax〉の創始者ジェームス・ラヴェル(JAMES LAVELLE)による音楽プロジェクトは、2017 年に7年振りの最新アルバム『The Road: Part1』をリリースして深夜帯の<SONICMANIA(以下、ソニマニ)>に出演。プライマル・スクリーム(Primal Scream)のアンドリュー・イネス、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(Queens of the Stone Age)のトロイ・ヴァン・リーウェン、マーク・ラネガン、ザ・デューク・スピリット(The Duke Spirit)のリエラ・モスらが参加した作品の世界観をライブでどう表現するのかにも注目が集まる。

ウルフ・アリス(WOLF ALICE)

若手ロック・バンドがなかなか商業的には苦戦しているここ何年かのUKシーンにあって、過去2作がそれぞれ全英2位を記録するなど、ロイヤル・ブラッド(Royal Blood)とともに若手UKロック勢を引っ張る存在となっているウルフ・アリス。彼女たちは深夜帯の<MIDNIGHT SONIC>に出演。フォーク~トラッドからハード・ロックまでを横断する両極端な音楽性の幅をより進化させた新作『Visions Of A Life』の楽曲を交えた最新セットに期待!

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Kダブシャイン、HIPHOPの聖地で「家事ラップ」。伝説のステージと化す【ライブレポ】

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先日最終章を迎え終了した家事ラップシリーズが、一夜限りのイベント企画として渋谷のclub bar FAMILYで復活! club bar FAMILYといえば、名だたるHIPHOPアーティスト達が熱いライブを繰り広げてきたHIPHOPの聖地ですが、そんな場所で「男の家事」を応援するイベントが開催。そんな今世紀もっともDOPEともいえるこのイベントは、100名限定の招待制ライブで、当選した者だけが参加できるシークレット・ライブ。 イベントには家事ラップシリーズを牽引し続けて来たKダブシャイン氏はもちろん、最終章がリリースされた際にコメントを残したダースレイダー氏とERONE氏、そして家事ラップシリーズのトラックを手掛けてきたDJ OASIS氏も出演しました。 家事ラップ 家事ラップ

<家事ラップ de Night>フリースタイル交え会場を沸かす

<家事ラップ de Night>は、DJ OASIS氏のDJからスタート! 歴代家事ラップシリーズのメドレーを、ジャグリングなどを使いテクニカルに表現し会場を沸かせました。家事ラップシリーズの全9作品すべてのトラックを制作し「家事ラップ」を共に作り上げて来たDJ OASIS氏ですが、そんな彼の想いの乗ったビートがクラブに響き渡っていました。 家事ラップ DJ OASIS氏に次いで、ステージにはERONE氏(DJ:DJオショウ(餓鬼レンジャー))が登場! 家事ラップ最終章がリリースされた時には、「男は家事なんてしなくていいなんて言葉は、正にひと昔前、いや一世紀前の話」とコメントを残したほど「男の家事」に対して熱い想いを持つERONE氏。ライブでは、ERONE氏の韻踏合組合の楽曲を披露し、“一網打尽”の曲紹介の前では、《クソな汚れは一網打尽》とアレンジを加えフリースタイルを交え会場を盛り上げました。 家事ラップ ERONE氏の勢いのまま会場をさらに沸かせたのは、ダースレイダー氏(DJ:DJオショウ)。「家に帰った後に家事をするかどうかでこのイベントが成功したかどうか決まるから、家に帰ったらちゃんとそうじをしろよ!」と叫びライブがスタート! ライブでは、Betty Wrightの楽曲“Clean Up Woman”に乗せて男の家事に寄せたフリースタイルなどを披露。「テンションの上がらない家事も、ダースレイダー氏のポップなビートとライムを聴きながら行えば、気づけばゴミも一個もない!」と公言しているダースレイダー氏ですが、そんなミラクルも起こるかも? と思ってしまうような楽しいフリースタイルで会場は熱狂の渦。 家事ラップ 家事ラップ 家事ラップ

「男の家事」話に花が咲く! トークショーではトラック制作秘話も

2人のライブの後、Kダブシャイン氏・DJ OASIS氏・ERONE氏・ダースレイダー氏の4名による「男の家事」についてのトークショーが行われました。 会場にいるHIPHOPヘッズ達も、HIPHOPのレジェンド的存在が「男の家事」について言及する姿に初めは戸惑いの表情を見せていたものの、4人が熱く家事について語るその姿に、ヘッズ達は次第に真剣に聴き入るように。 DJ OASIS氏に今までの「家事ラップ」シリーズのトラック制作について話を伺うと、今までのトラックにはマジックリンを吹き掛けたような音のサンプリングを使用していたりと、「家事」を連想させるような技巧を凝らしていたそうです。 さらに、歴代の家事ラップシリーズの歌詞を振り返るコーナーでは、Kダブシャイン氏が今まで綴ってきたリリックを、4人が改めて解釈。Kダブシャイン氏が今まで伝えてきた思いの丈を語りました。 そして、トークコーナーの最後には、イベントに来場したHIPHOPヘッズたちからの家事についての質問アンケートにKダブシャイン氏がアンサー。質問の中には、「部屋干しのコツって何かありますか?」といった質問や、「リセッシュって、何回リセッシュするのが正解なんですか?」などといった、家事に対する真剣な質問が数多く寄せられました。ついつい家事話に花が咲きすぎてしまうKダブシャイン氏、DJ OASIS氏、ダースレイダー氏の話を、ERONE氏が「とにかく、花王を買おう!」と韻を踏んでまとめたのでした。 家事ラップ 家事ラップ 家事ラップ

HIPHOP界のレジェント・Kダブシャイン氏がステージへ!

トークコーナーを経て、いよいよ<家事ラップde Night>もファイナルへ。 最後のステージでは、HIPHOP界のレジェンドであり、家事ラップの生みの親Kダブシャイン氏がステージに登場! キングギドラ時代の楽曲“F.F.B”や、ソロ名義での楽曲“オレの名は。”、さらには今まで発表してきた家事ラップ第一弾“洗たく篇”などを披露。そしてクライマックスでは、ERONE氏とダースレイダー氏が“家事ラップ最終章〜FINAL MISSION〜”のトラックに乗せて男の家事についてのフリースタイルを披露し、会場のボルテージは最高潮に! 家事ラップ 家事ラップ

Kダブシャイン氏自ら選考!プレゼント企画

今回の<家事ラップ de Night>ライブを記念してスペシャルツイート企画を実施。これまでの家事ラップシリーズの中で好きな家事ラップと、その理由を「#家事ラップ」でツイート。ベストツイート最優秀賞1名と特別賞3名をKダブシャイン氏自ら選考! 受賞者にはこのライブイベント協賛社である、花王、にんべん、パナソニックから、男の家事にぴったりなスペシャル家事ラップアイテムが贈られます。

家事ラップとは?

「家事ラップ」は、「男性の家事をもっと盛り上げよう!」をテーマに始まったコラボレーションです。やらなくてはならない「家事」をラップに乗せることで、「家事」を少しでも楽しんでもらいたいと考えの元、2016年5月に第一弾「洗たく篇」をリリース。その後、約2年に渡りシリーズとしてYouTube上にて公開。そして、その想いに賛同するKダブシャイン氏が、家事行動をクールなリリックで表現してくれました。これまで、文化や生き様をラップで表現・発信し続けてきた彼独自のメッセージ性も、随所に散りばめられています。

これまでの家事ラップ作品

k-boyチャンネル 

あの大物ラッパーが菌とバトル!?リアルな洗濯ライフを披露するKダブシャイン!家事ラップ第1弾!

HIPHOP界の大御所、Kダブシャインが今度はホコリとバトル!?家事ラップ第2弾!

 

あのラッパーが年末の大掃除!トイレとお風呂をマジックリンで徹底的にキレイにするKダブシャイン!家事ラップ第3弾!

アイロンでラップ!?B-BOYはフレッシュに!Kダブシャインによる家事ラップ第4弾!

家事ラップ第5弾にしてKダブシャイン新ユニット結成!? 果たして新たな相方は、、、

Kダブシャイン 男の家事、原点ここにあり!泣ける家事ラップ第6弾「漂白剤篇」

Kダブシャイン 家事ラップ最終章〜FINAL MISSION〜

KダブシャインのMCバトル!?「アタックNeoバトル 緑vs青」

Kダブシャイン 家事ラップ メガミックス "KAJI RAP megamix vol.1" mixed by DJ OASIS

Kダブシャイン プロフィール

日本のヒップホップMC、タレント。ワタナベエンターテインメント所属。東京都渋谷区出身。1995年にキングギドラ(現KGDR)のメンバー及びリーダーとしてアルバム『空からの力』でデビュー。1997年にアルバム『現在時刻』でソロデビューし、2006年12月にはradio aktive projectを結成。2015年にワタナベエンターテインメントに移籍してからは、地上波ゴールデンタイムのクイズ番組などにも出演する等、活動の場を広げている。 Kダブシャイン Twitter

photo&text by 吉田正樹事務所

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DEAN FUJIOKAと映画監督・二宮健が対談。2人の意外な共通点とMV“Echo”の制作秘話

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アレクサンドル・デュマ・ペールの原作で知られる『モンテ・クリスト伯』に材を取り、現代の悲劇的な復讐劇として復活させたテレビドラマ『モンテ・クリスト伯—華麗なる復讐ー』。本作で過酷な過去を持ち、徹頭徹尾、冷血な復讐に人生を捧げる主人公を演じているDEAN FUJIOKA。その貴族的な佇まいと過去と現在のアンビバレンツに苦しむ演技で、新しい魅力を発揮している。 このドラマの主題歌として彼が書き下ろした新曲“Echo”は、昨年から海外のクラブミュージックシーンで注目される「Wave」にインスパイアされ制作された。そのエレクトロニックなサウンドとビート、そして日本のドラマ主題歌としては珍しく英語詞で世界観を作り上げているあたりにもDEANのこだわりが感じられる仕上がりだ。

DEAN FUJIOKA 2nd Single「Echo」Trailer

そして先日、公開された同曲のミュージック・ビデオは、ドラマの主題とも重なりつつ、ハイパーなオカルト感を醸し出すストーリーと映像美で、こちらも彼のこれまでにない魅力が堪能できる。

DEAN FUJIOKA「Echo」Music Video

監督は、前作“Let it snow!”で、DEAN FUJIOKAの新たな魅力を引き出した映画監督の二宮健。商業デビュー作となった『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(出演:桜井ユキ、高橋一生、ほか)続いて、2019年には新作映画、岡崎京子原作の『チワワちゃん』の公開が控える、今、大注目の映画監督である。

映画「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY -リミット・オブ・スリーピング ビューティ-」予告編

今回、二度目のタッグとなった二人の対談が実現。アジアを縦断的に活動の場とし、音楽、演技、報道とジャンルを越境して表現するDEAN FUJIOKAと、90年代生まれの新世代映像作家・二宮健。二人に共通する表現のスタンスを紐解く。

Interview: DEAN FUJIOKA×映画監督・二宮健

——“Let it snow!”に引き続いてのタッグになりますが、お二人の出会い、共通する点やお互いに影響を受けているところを教えていただけますか? DEAN 監督を決める際に、ニノケンさんの過去の監督作品を拝見させていただきまして、素直に「面白いな」と思って。この前、“Echo”の現場で「アンビバレント」という言葉をニノケンさんが使っていたんですが、相反する価値感の共存を面白いと考える発想がニノケンさんの活動方針だったりするのかな、と。そういう部分に魅力を感じました。何かをカテゴライズすること、既存のフォーマットに乗せることや、常識というものに囚われることは誰しもあると思うのですが、その先を求めてみたいと思うんです。そんな時に、二宮さんの過去の作品を見て、素晴らしいなと思いまして。 二宮 いやいや。 DEAN 映像作品の中には映画とかショートフィルムとか、テレビコマーシャルとか色々ありますけど、中でもミュージック・ビデオの自由度の高さは魅力的だと思います。だからこそ、そのミュージック・ビデオで一緒に遊べるような友達を探していた、みたいな感じですよね(笑)。 二宮 (笑)。 DEAN ミュージック・ビデオって正直何をやっても成立するわけですよね。一見、全く関係ないことをやっていたとしても、その外し方の妙で深いダブル・ミーニング、トリプル・ミーニングも生まれたりもするし。歌詞に沿った映像が必ずしも魅力的になるわけではない、正解がいくつも存在するような、そんな印象です。ジャズの即興でもコードとかスケールとか、何ならリズムとかモードとかを崩したとしても、最初と最後だけ合っていれば成立するみたいな。それぐらい遊びたいんですよね。それで、一緒に遊ぶ友達を探していたら、「二宮さん面白そうだな」と思って。 ——ミュージック・ビデオってクライアントワークでもありますけど、DEANさんのような「遊び友達が欲しい」っていうスタンスでの依頼をどう思われましたか? 二宮 僕の中で、「仕事」と「遊び」の距離ってそんなに遠くないので、そんなスタンスで声をかけて貰えたのは、とても嬉しかったです。DEANさんと初めてお会いさせて頂いたときも、会う前から勝手に「DEANさんの常識ってこんな感じだろう」って決めてかかっても、おそらくその先上手く進まないし、一方的に楽曲を聴いた素直な感想と自分が面白いと感じている映像の話をしたんです。その時、その話をDEANさんが面白がってくださったので、それこそ「この人と一緒に遊びたいな」って気持ちに、僕もなっちゃいました。 ——二宮さんはご自身の映画作品以外で、お題がある時、どれぐらい主体である人について考えますか? 二宮 あまり褒められた発言ではないんですが、僕がその人のことをどれぐらい好きか?で変動します……。結局好き嫌いが、自分の思考の妨げになることは否定できなくて。でも相手のことを好きになったら、どうやったら自分の表現の中で、その人に喜んでもらえるかってことを、とっても考えます。 ——好きさ加減が“Let it snow!”のミュージック・ビデオの情報量の多さに繋がってるとしたら、すごい情報量でした。 二宮 好きの度合い=情報量の多さ、では無いんですが、あのMVの時は、とにかくDEANさんについて考えました。 “Let it snow!”がどういう曲なのか、ご自身で作詞作曲もされているDEANさんが、この楽曲で表現したいのはどういうことなのか。“Let it snow!”の世界観の中で、何が最適かを考えた結果が、あの情報量に繋がっているのだと思います。今回も同じで、“Echo”という楽曲を聴いて、その世界観の中で自分が思いつけることを提案して。「DEAN FUJIOKA」という存在についても思考して、そして、DEANさん自身が今回どういうことをしようと思っているのかを会話しながら、見つけていった感じです。 ——二宮さんの中でのミュージック・ビデオという表現形態の面白さって何ですか? 二宮 さっきDEANさんもおっしゃっていましたけど、正直ミュージック・ビデオって何をしても成立はするんですよね。例えばDEANさんの顔を3分間撮り続けるだけでも成立はすると思うんですよ。映画の場合、「これを描こう」と思った時にそれを正しく伝えるために基礎描写が必要だったり過程を描いたりと、省けない要素が多くなるのですが、ミュージック・ビデオでは文脈をすっ飛ばして、表現だけを突き詰めたりすることもできたりするので、映像表現の幅が広くて、そういう意味では、実は僕はすごく好きなんです。もちろん曲との親和性が必要だったり、ミュージック・ビデオにはミュージック・ビデオの文脈がしっかりあるのですが。 ——もう随分前から、曲とのファースト・コンタクトがミュージック・ビデオであることが多い中、その重要性に関してはどう考えていらっしゃいますか? DEAN 大事なことだと思っていますね。楽曲の中で伝えたいことが映像との親和性によってさらに破壊力が増すってことは、やはり映像を作る以上、追求していくべきことだと思うんです。それはミュージック・ビデオに限った話ではなくて、地球上に居る全ての人に、一人でも多くの人に見てもらいたい、知ってもらいたいとか、届けたいという気持ちは(自分が)どんな仕事をしていても常に意識していることで、報道でも俳優でも音楽の仕事でも同じ意識です。言い換えると、何の脈絡もなく映像を見た人が、それがきっかけとなって、自分との接点を見出したり、「(自分に)関係している」と思って貰えることが、映像を作る上で大事なんだと思います。 ——ああ、確かにどんな片鱗でも関係あると思えるかどうかは大事ですね。 DEAN でも、そういう風には思っていますけど、作っている時はもうノリですよ(笑)。それこそ画ヂカラで、例えば前後の脈絡がなかったり、時間軸がぐちゃぐちゃになっていたとしても、そのインパクトに惹きつけられることってあるじゃないですか。特にミュージック・ビデオに関しては、精神の自由さみたいなものがすごく大事だと思うんですよね。人間は潜在的に、自分が住んでいる街とか国とか、文化とか言語のDNAに支配されている部分はある気がするんです。でもそこから自由になろうともがいたり、失敗を経て学んでいく生き物だと思うんです。「遊び仲間を探している」という言い方をすると軽く聞こえるかもしれないですけど、固定概念に囚われない自由な精神で、一緒に冒険をしてくれるパートナーを探している感じです。 ——ちなみに二宮さんはハリウッド映画の影響が大きいとか。 二宮 そうですね。僕はそうです。 ——余談ですが先日『レディ・プレイヤー1』を見たんですけど、この50年ぐらいのオマージュを包摂する力が映画にはあるなと。 二宮 そうですね。『レディ・プレイヤー1』は僕も映画監督の友人と見に行ったんですけど、その友人が “次から次に出て来る新しいキャラクターに、世間は関心を移していくけど、今日に至るまで、こういったキャラクターたちが映画の歴史を紡いで来たんだぞ、忘れんなよ。みたいなことを一度統括したような映画だ”みたいなことを語っていて、確かになと思ったんです。それに限らず、あのような映画をスピルバーグ監督がわざわざこのタイミングで世に出したっていうのは、この話題だけで4時間ぐらい語れそうですけど(笑)。 ——日本映画の良さもあると思うんですけど、二宮さんの作品はいい意味でそこから逸脱して行くスケールやアイデアがあると感じます。 二宮 そういうふうに見えるかもしれませんが、僕自身は常にメジャーを目指してるんですよね。例えば『スター・ウォーズ』は今では誰もが知っていて、メジャーと呼ばれるものの代名詞的な作品ですが、最初に制作しようとしたとき、あの時代に「銀河のかなたで、鎧兜を着て、光線の剣を出して戦うんです」って企画会議で言ったら、「お前ふざけんな」となったかもしれないアイデアを、正々堂々と表現して世界の真ん中に行ったわけじゃないですか。要するに、一見逸脱していたり、突飛にみえるものこそ、ゆくゆくは大きな流れを作って、当たり前だと思っていた既存のものを変えていく力があると思うんです。「メジャーってなんなんだろう」と考え続けて、国内の発想と今まで世界がしてきた発想の違いが、漠然と分かった気がして。それは、別に国内の産業を批判するわけじゃないですけど、例えば国内のエンタメ、映画の場合、「今、お客さんが見たいものを構築しよう」ということに専念し過ぎている気がするんです。今こういうものが流行ってる、今この俳優が流行ってる、じゃあこうやってこうやって、って、組み合わせていくうちに似たようなものが増えて行ってしまい、結果、早々に様々なポテンシャルが廃れていってしまってる気がして。 ——ニーズに答えるだけだと。 二宮 ハリウッドの歴史の中でそういうのを誰がやっていたのかっていうと、ロジャー・コーマンというB級の帝王がやっていたんですよ。というか、そういう見世物に徹したB級映画のジャンルが確実にあって。それはそれで素晴らしい文化なんですよね。その一方でお金かけて真ん中にいくエンタメは何してたのか? というと、観客がまだ見たいと気付いてない、けれど心のどこかで求めていたもの、を作っていたんです。それこそ先程話にでたスピルバーグ監督なんかはそのパイオニアですよね。その発想ってすごい大事だなと思って。「みんなこういうの好きだよね」「こういうの今流行ってるよね」というものはデータ化された時はもう流行ってないから。常に今はまだみんな気付いてないけど、実は潜在的に見たがっているものを先出しいて行くっていうのが、エンターテイメントを語る人の責任なんだなと思います。 DEAN それ音楽やっていても感じます。ジャンルとして名前付いちゃってると確立されすぎちゃってて。でも自分がこういう音作りたいって、探求してるときって別に何かこのジャンルの曲作りたいとか思っていないというか。良いものを聴いて、良いものを作ろうと思っていると、あとで「あ、こういう音楽ってそういうジャンル名なんだ」って感じになると思うんで。それはエンターテイメントとかアートに限らずどんな分野でもそうかもしれませんね。 ——今回はDEANさん主演のドラマ主題歌という形から入って行くと日本のテレビドラマの主題歌で英語詞であの曲調でというと驚かれるかもしれないですが、そういうつもりで作ってらっしゃらないということですよね。 DEAN それはちょっと違って、今回『モンテ・クリスト伯』というドラマの世界観をさらに立体的にするために、ドラマ本編の魅力をさらに増すために作っているわけで。自分にとってこのドラマが毎話放送される中で、こういう音楽があったら、例えば本編の中で描かれていない主人公の内心でこういう葛藤があったとか、時間の流れとか、音楽はその映像作品の一部でもあると思うんですよ。だからそこに対して、自分が何をお手伝いできるか、花を添えられるか? さらに魅力を倍増できるかということももちろん考えてますし、曲単体で聴いた時も自分のアイデンティティとして説得力のあるものを作れるか? っていうのも同時に大切なことであるし。そこは当て書きするときの難しさでもありますよね。クライアントワークといえばそうなるし、そこにちゃんと自分の魂を込めていかないと自分に頼んでくれた意味がそもそもなくなってしまうし。 ——主題歌の役割の中にアイデンティティももちろん込める、と。 DEAN 今回“Echo”で、東京シリーズは8曲目で、日本の東京ベースで音楽を作るというのはこういうことかって、なんとなくリズムとして見えてきて。そこは別に何か常識を逸脱しようと思ってこういうことやっているわけではなくて(笑)、むしろどうやったら喜んでもらえるかなとか、どうやったら作品の魅力が増すかなとか、本当に愛情ですよね。もしかしたらそれがさっき二宮監督が言っていた被写体に対しての思いっていうのと同じかもしれないですけど、僕も作品、映像の方の本編に対する愛情の表現の一つでもあるし。今こういう時代で、例えばこういうメッセージを込めて届けたいとか、こういう音を街に鳴らしたいとか、そういうものとの絶妙なバランスを意識して作っている感じですかね。 ——二宮監督にとって“Echo”はどういう曲でしたか? 二宮 曲ですか?……DEANさんの楽曲を僕が語っていいのかっていう(笑)。 DEAN 語ってくださいよ(笑)、もう2曲ミュージック・ビデオ作ってくれたんだし。 二宮 (笑)。“Let it snow!”からこの“Echo”にきて、「あ、これで勝負するんだ、DEANさん」って、テンション上がりました。「DEANさんってこうやって挑戦していくんだ」という新鮮な驚きがあったというか。世の音楽のトレンドも変わって行くじゃないですか。そんな中で、DEANさんは、次に何を見つけて行くんだろう? と今後が益々楽しみにもなりました。面白いなと思ったことがあって、DEANさんは音楽に限らずいろんなワークをされているから、多くの人はDEANさんのイメージみたいなものを勝手に持っていたりするじゃないですか。そういう全体の印象の中でDEANさんの音楽活動を何かのジャンルだったりに紐づけて行くんですけど。でも実際、DEANさんの音楽活動って、そういうパブリックイメージから想起する簡単な場所にはいないんですよね。かなり考察を深めないと理解できないハイブローな方向に向かっていて。そういうことにすでに気付いている人と、まだよくわからずにDEANさんが歌っているということだけで聴いてる人の両方がいると思うんです。でも、それどっちが良いって訳でもなく、どっちでも良いんですよね、何故ならやっぱりDEANさんは生粋のエンターテイナーだから。って、これ、あくまでも僕の見解ですが。 DEAN ははは。 二宮 その現象を面白いなと思っていて。みんなが同じ方向に一斉に向きやすいものではないと思うから。でも僕はそこが面白いから、じゃあミュージック・ビデオで何を仕掛けたら、いい意味でみんなが困惑するか、もしくはパワープレイでおんなじ方向を向いてもらうかとか考えますね。DEANさんがミュージック・ビデオに関しては毎回余白を与えてくださるので、どんな曲がお題になったとしても、多分、面白いものっていうのは生まれて行くんだろうなと思います。 ——なるほど。 二宮 すごく分かりやすい曲でも、すごい挑戦をしている曲でも、DEANさんならそれぞれの面白さをご自身の世界観で体現するんだろうなと思ってます。でも、今回の”Echo”という曲がすごく挑戦的なものなのか、と言われると実はそうではないとも思うんです。DEANさんというある意味エンタメのど真ん中にいる方がこの曲を出すからこそ、日本においてはそういう風に聴こえるのかもしれないですけど、世界の音楽シーン全体の中で考えると、別に何かすごく前衛的なことをしているというわけではないんです。DEANさんの中で面白いものを突き詰めているだけだと思います。だから、どの立場の人がどう受け取るかによって、DEANさんの音楽というのはすごく印象が異なるんだと思います。 ——二宮さんとしては不特定多数の人が同じ方向を向く映像にしたんですか?それとも? 二宮 “Let it snow!”の時は割とみんなを同じ方向に向いてもらおうと思って作りました。DEANさんがスーパースターであることを、一度みんなにしっかり確認して貰いたくて。今回のミュージック・ビデオは、“Let it snow!”を踏まえたからこそ作れた内容で、DEANさんの音楽に対して、多面的にコミットしたいな、と思って、シンプルなんだけど想像の余地がたっぷり含まれているというか、みんなの潜在意識をちょっとえぐりたいなと思って作ったんです。 ——人によっては意識をは撹乱されるかもしれない? 二宮 かもしれないし、いい言葉は思いつかないですけど、ちょっと奇襲をかけた感じです。 ——今後もお二人ならではの化学反応に期待しています。ありがとうございました。
オーディエンスの「潜在意識をえぐりたい」という二宮監督の言葉通り、“Echo”のミュージック・ビデオはかなり攻めに入った仕上がり。廃屋のような部屋でピアノを弾く主人公(DEAN)。無精髭で憔悴しきったように見える彼は、まるでヴァンパイアのように最上もがが演じる女性から血液のようなものを抜き、葬り去る。だが、自身が走ることで生命力に溢れることで女性が生き返ると信じているような行動をとる。そして、ある時、自分の動きとシンクロするように踊り出すが、再び彼女を「撃つ」仕草で倒してしまう。これはドラマ、そして歌詞にもある自分の中に存在する過去を払拭できない自分との格闘なのではないか? そう仮定すると、二宮監督が現場で「アンビバレント」を繰り返しキーワードのように使っていたこともなんとなく腑に落ちる。 こうしてドラマから曲へ派生し、曲そのものとしても自立する強さを持った上で、エッジーで美意識に満ちたミュージック・ビデオが完成。DEANが言うように、誰もがDNAレベルで抱える人間の闇や断ち切れない過去の記憶、そうしたものが二宮監督とのタッグで誕生したのだ。

RELEASE INFORMATION

2nd Single『Echo』

2018.06.20 DEAN FUJIOKA 詳細はこちら

Photo by Kohichi Ogasahara Stylist::カワダ イソン(インパナトーレ) 衣装協力:ALLSAINTS(オールセインツ) Tel. 03-5766-3011

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【まとめ】ゴリラズウィキペディア!メンバーや設定、バンドストーリーを徹底検証

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ブラー(Blur)のフロントマン、デーモン・アルバーンと、『タンク・ガール』などの作者として知られる漫画家/イラストレーターのジェイミー・ヒューレットによって結成され、「最も成功した架空のバンド」としてギネスブックにも認定されたバーチャル・バンド、ゴリラズ(GORILLAZ)。2017年には<FUJI ROCK FESTIVAL ’17>のヘッドライナーとして久方ぶりの来日を果たしたことも話題になった彼らが、6月21日(木)に幕張メッセイベントホールで待望の単独公演を行なう。 これまでフェスへの出演はあったものの、単独での来日公演は初めてのこと。若いリスナーの中には、ゴリラズのそもそもの設定やストーリーなどを知らない人もいるかもしれません。そこで今回は、実はかなり詳細に作り込まれているゴリラズのキャラクター設定や、作品ごとのストーリー性などを中心に、この類まれなバーチャル・バンドのこれまでの歩みをまとめてみようと思います。

徹底検証:ゴリラズ

キャラクター設定

■2D

ゴリラズのフロントマン/ルックス担当。本名はスチュアート・ポット。2Dという名前は「顔に2つくぼみ(2dents)がある」という意味で、叔父が経営するキーボード専門店で働いていたところにマードックの運転する車が突っ込んできて片目を損傷し、植物状態に。その後再びマードックの運転により事故に遭った際に今度は両眼を損傷してしまうも同時に意識を取り戻し、マードックとバンドを組むことになります。

■マードック・ニコルス

ゴリラズのベーシスト/リーダー的存在で、バンドの創始者。66年6月6日(悪魔の象徴のような日)生まれの悪魔教の信奉者でもあります。「車ごと楽器屋に突っ込んでシンセサイザーを奪い、バンドを組む」ために楽器店に突っ込んだところ、店員として働いていた2Dを植物人間状態にしてしまう事故が発生。その後も悪びれることなく生活していたものの、植物状態の2Dを後部座席に乗せてもう一度事故を起こしたことがきっかけで意識を取り戻した2Dとゴリラズを結成。

■ラッセル・ホブス

ゴリラズのドラマー担当。悪魔に取り憑かれて学校を退学になり、4年間昏睡状態にあったものの、その後回復。復学したブルックリン大学でヒップホップに出会って活気を取り戻すも、今度は仲間が通り魔に殺され、その際に自分の心を仲間たちの魂に乗っ取られてしまう。ラッセルの目が白いのはこのためで、ラップやドラムのテクニックは彼にとり憑いた仲間たちから習得。移住した先のイギリスのレコード店でマードックと出会いバンドに加入。彼にとり憑いた友人の中でも特に仲のよかったDell(デル・ザ・ファンキー・ホモサピエン)はサポートに加わることもあり、“Clint Eastwood”や“Rock the Hous”のMVにも登場。

■ヌードル

ゴリラズのギター/紅一点。大阪出身の10歳の少女(結成時)で、先に集まった他のメンバー3人が音楽雑誌にギタリスト募集の広告を出したところ、日本から航空便で届けられた箱から飛び出し、素晴らしいギターとカンフーを披露したことでバンドに加入。名前の由来は、英語がしゃべれなかった彼女が唯一まともに話せた単語が「ヌードル」だったため。 ゴリラズは覆面バンドとして正体を明かさないままスタートしたプロジェクトだったため、特に最初期はイラストやアニメーションで表現された4体のキャラクターが重要な役割を果たしていました(注:ただし、歌声からブラーのデーモン・アルバーンの別プロジェクトであることはすぐに判明)。そもそものユニットの構想は、デーモン・アルバーンが元エラスティカ(Elastica)のジャスティーン・フリッシュマンと、ジェイミー・ヒューレットがジェーン・オリバーとそれぞれ破局し2人で共同生活をはじめた際、ある日何気なくMTVを観ていたときに思いついたもの。 また、音楽的にはゴリラズとしての楽曲リリース直前に当たる2000年にデーモンが参加したダン・ジ・オートメイターやデル・ザ・ファンキー・ホモサピエン、キッド・コアラらによるスーパーグループ=デルトロン3030(Deltron 3030)の作品がひな型になった部分は大きいはずで、デビュー曲“Tomorrow Comes Today”がブラーのデモ曲“I Got Law”をもとに制作されていることからもうかがえる通り、ブラーでは表現しきれない、デーモンの新たな興味が純粋な遊びとして反映されたユニットという印象が強いものでした。

ストーリー設定

とはいえ、このグループにはキャラクターごとに細かく用意された設定や架空のバンドとしてのストーリーが丁寧に用意されていて、その物語は基本的にバンドのリーダー的存在、マードックの無茶な行動に他メンバーが巻き込まれるような形で進んでいきます。ファースト・アルバム『ゴリラズ』発表までの経緯はこんなストーリーでした——。 自身が車で突っ込んだ楽器店での事故で2Dを植物人間にしてしまったマードックは地域奉仕と2Dの世話を命じられるものの、2Dを後部座席に乗せていた際にふたたび無茶な運転で彼を車外に吹き飛ばしてしまいます。しかしそれと引き換えに意識を取り戻した2Dをフロントマンに据えてバンド結成を画策。レコード店で見つけたラッセルの後頭部にバッグをぶつけて無理やりコング・スタジオへと連れ去り、そのままメンバーに加えると、最後に日本からの航空便で届いたヌードルを加えてゴリラズを結成。ファースト・アルバムを制作すると、現実同様に2Dたちが暮らす架空の世界でもヒットを記録します。 続くセカンド・アルバム『デーモン・デイズ』では、ファーストで数々の音楽賞を受賞し、映画出演のオファーを受けハリウッドに向かうも、業界の闇に嫌気がさして映画を降板した後のストーリーを描写。バンドが一旦活動休止することとなり、メキシコで偽小切手発行を繰り返し懲役30年の実刑判決を受けていたマードック、出生の秘密を知りに日本に向かい、恩師から自分が日本政府によって極秘に育成されていた軍のスーパーソルジャー計画の一員であることを知らされたヌードル、マードックがいなくなり順風満帆な生活を送っていた2D、自分に取り憑いていた友人たちが成仏して世捨て人のような生活を送っていたラッセル。それぞれ一度違う道を歩むメンバーでしたが、ふたたび拠点となるコング・スタジオに集まり、ゾンビだらけの館になったスタジオで音楽制作をはじめていきます。 また、ここではゴリラズの物語史上初めてジミー・マンソンという明確な敵が登場し、物語はバンド内の物語を越えて、徐々に冒険度を増すことに。中でも印象的だったのは“El Mañana”のMVで、ジミー・マンソンを罠にかけるためにヌードルの失踪を偽装したところ、ヌードルが本当に行方不明になるという衝撃の展開に。また、ネナ・チェリーやデ・ラ・ソウル(De La Soul)を筆頭にゲスト・ミュージシャンが大幅に増え、“Feel Good Inc.”ではデ・ラ・ソウルが実写でMVに登場するなど、後の活動に繋がる世界観の広がりが芽生えていったのがこの時期のゴリラズでした。 サード・アルバム『プラスティック・ビーチ』では、物語は海の孤島を舞台にした海洋アドベンチャーに。ブラック・クラウンと呼ばれる組織に不発弾を売りつけて追われる身となったマードックが逃げ込んだ、腐ったプラスチックの破片やゴミで出来た孤島プラスティック・ビーチに新たなスタジオを建設し、ゴリラズの再結成を画策します。まずは行方不明になっているままのヌードルを探しに“El Mañana”のMVの舞台をふたたび訪れたマードックは、そこで手に入れたヌードルのDNAサンプルからサイボーグ・ヌードルを制作。 続いて「サード・アルバムには参加しない」と言った2Dに薬品を嗅がせて誘拐&プラスティック・ビーチに監禁し、またもや廃人になっていたラッセルは置き去りのままレコーディングに突入。ここで描かれるのはマードックがちりじりになったメンバーを回収していく再生の物語で、自暴自棄になって海に飛び込み、海の汚染物質によって巨大化したラッセルや、突如訪れるヌードルの帰還を経て物語がクライマックスへと進む展開でした。ちなみに、この『プラスティック・ビーチ』の一連のストーリーは、それぞれ結婚したデーモン・アルバーンとジェイミー・ヒューレットが家族ぐるみで一緒に向かった旅行先で思いついたもの。ゲスト・ミュージシャンがさらに豪華/多彩になり、スケールの大きな海洋アドベンチャーに発展したことで、ゴリラズの世界観をより拡張することに繋がりました。 また、この作品をリリースして回った<エスケープ・トゥ・プラスティック・ビーチ・ワールド・ツアー>の北米ツアー中に制作され、前作から約1年という短いインターバルで発表された4作目のアルバム『ザ・フォール』は、ツアーの記録としてデーモン・アルバーンがiPadと様々な楽器を駆使して制作した作品に。この作品はいわば、現実とフィクションの境界線が曖昧になりつつあった当時のゴリラズらしい作品といえるかもしれません。 そして現時点での最新作となる『ヒューマンズ』では、プラスティック・ビーチが海賊に襲われ、マードックはアビー・ロード・スタジオの地下に幽閉、2Dはグアダルーペ島、ヌードルは故郷の日本、ラッセルは北朝鮮へとメンバーが散り散りになる中で、マードックがゴリラズのアルバムに着手することを条件に釈放され、ゴリラズを再始動するところから物語がスタート。アメリカの気鋭ラッパーたちを多数招集して昨今の世界情勢も反映させたダーク・ファンタジー的な世界観を広げながらも、ラスト曲“We Got The Power”では犬猿の仲として有名だったノエル・ギャラガーを迎えて愛の力を説くなど力強い作品を完成させています。 こうした一連のとっちらかったストーリーは、やはり友人2人の悪ふざけからはじまったユニット特有で、ジェイミー・ヒューレットの代表作のひとつ『タンク・ガール』で描かれていたSF的な世界観にも通じるもの。また、物語が音楽作品の枠を越えた様々なコンテンツによってインタラクティヴな形で提供されてきたのもゴリラズの特徴で、CDをPCで読み込むと特設サイトが登場したデビュー・アルバム『ゴリラズ』での仕掛けを皮切りに、キャラクター情報や楽曲解説をまとめた自伝本『Rise of the Ogre』の出版、iPad、iPod touch、iPhone用ゲーム『Escape to plastic beach』の配信、2Dアニメーションと3DCGを合成した360度MVなど、様々なアイディアやテクノロジーを取り入れて変化する様子もこのグループならではのものでした。

ライブパフォーマンスの変動

そうした変化はライブ面にも顕著で、ゴリラズのステージは時期ごとにその内容を大きく変えてきました。デビュー作『ゴリラズ』リリース後のライブでは、ステージ前面に張られたスクリーンにアニメーションを投影し、デーモンを筆頭にしたバンドメンバーはステージに登場しない形でライブを開始。2001年の<SONICMANIA>でのライブもこの形式で行なわれています。 Gorillaz - Dirty Harry (BRITs Animation) (Screen only)
そしてセカンド『デーモン・デイズ』発表後は、デーモンを筆頭にしたバンドメンバーが照明を落としたステージ奥で演奏し、オーケストラ、DJ、合唱隊らもステージに配置。曲ごとにゲストが登場する中で背後のスクリーンにアニメーションを投影するライブに変化していきます。“Feel Good Inc.”が最優秀ポップボーカルコラボレーションを受賞した2006年のグラミー賞授賞式では、マドンナとの共演も実現。この様子は映像作品『フェイズ2:スロウボート・トゥー・ハデス』で観ることが可能です。 Gorillaz - Clint Eastwood (Live BRITs Performance)
そしてサード・アルバムリリース後は、<Coachella(Coachella Valley Music and Arts Festival)>を筆頭にした大型野外フェスへの出演や大規模なワールドツアーに乗り出し、ここでいよいよバンドがステージの前面に登場。現在のライブに繋がる演奏スタイルに移行していきました。中でもハイライトとなったのは、ヘッドライナーとして出演した<GLASTONBURY FESTIVAL 2010>。 ここではスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)、デ・ラ・ソウル、ルー・リード、マーク・E・スミス、ショーン・ライダー、ボビー・ウーマックが登場し、豪華ラインナップでのステージが話題を呼びました。そして『ヒューマンズ』リリース後のライブでは、TV番組で遂にオアシス(Oasis)のノエル・ギャラガーとの共演が実現。ちなみに、これ以前のデーモン・アルバーンとノエル・ギャラガーの直接的な共演は、恐らくブリットポップ直前のイギリスの音楽番組『TOP OF THE POPS』での一幕で、デーモンが期待のバンドとしてオアシスを紹介するという、その後の関係を考えると信じがたい状況が生まれていたのも印象深いところです。 Gorillaz Saturnz Barz Live At Printworks London
そして2017年の<FUJI ROCK FESTIVAL ’17>では、ヘッドライナーとして久々に来日公演が実現し、デーモン・アルバーンを筆頭にしたバンドメンバーが序盤からステージを広く使って観客を煽るという、今ならではのダイナミックなステージを披露! Gorillaz - Strobelite FUJI ROCK FESTIVAL '17
今回の来日公演もその延長線上にあるはずで、“Clint Eastwood”や“Feel Good Inc.”、“On Melancholy Hill”や“Stylo”といった過去の楽曲に加えて、最新作『ヒューマンズ』の楽曲も多数披露されるはず。また、彼らは現在2018年内に最新アルバムをリリース予定。2017年以降はライブの現場で“Idaho”“Hollywood”といった新曲も披露されているため、6月の来日公演でも次作の収録曲からさらなる楽曲の披露があるかもしれません。待望の来日公演はもうすぐ。この機会に世界一のバーチャル・バンド、ゴリラズの魅力をおさらいしてみるのもいいかもしれません。
©Masanori Naruse
©Masanori Naruse

EVENT INFORMATION

HUMANZ TOUR 2018 JAPAN

2018.06.21(木) OPEN 18:00/START 19:30 幕張メッセイベントホール アリーナスタンディング(ブロック指定) ¥12,000 スタンド指定S席 ¥12,000 スタンド指定A席 ¥10,000 TICKET: ローソンチケット 【Lコード】72451 0570-084-003 http://l-tike.com/ チケットぴあ 【Pコード】103-339 0570-02-9999 http://t.pia.jp/ イープラス http://eplus.jp/sys/web/flist-pc/smash.jsp?siteCode=1028 iFLYER https://admin.iflyer.tv/apex/eticket/?id=298267 楽天 http://ticket.rakuten.co.jp/ 岩盤(Web・店頭販売) http://ganban.net/ shop info : http://ganban.net 詳細はこちら

text by 杉山仁

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フジロック初体験談!踊Foot Worksや学生、編集部が感じたフジロックの魅力

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開催までの残り2ヶ月となったタイミングで第8弾となるアーティストとステージごとのラインナップが発表され、開催が待ち遠しく感じる<FUJI ROCK FESTIVAL’18(以下、フジロック)>。 FUJI ROCK FESTIVAL '18 - LINEUP BY STAGE !
昨年は、<SONIC MANIA(ソニマニ)2001>以来となる来日公演を果たしたゴリラズ(Gorillaz) 、1997年以来の<フジロック>出演となるチャード・D・ジェームスのソロプロジェクトAPHEX TWIN(エイフェックス・ツイン)、<フジロック>へは何度も出演しておりグラミー賞やアカデミー賞にもノミネート経験のあるアイスランドの革新的アーティストビョーク(Björk)らがヘッドライナーを務めました。当日は、雨というあいにくな天気にも関わらず会場は大いに盛り上がりを見せていて、天気の影響を感じさせませんでしたね。 FUJI ROCK FESTIVAL'17 Aftermovie
さて、そんな<フジロック>の魅力の一つといえば、広大な自然に囲まれた場所で伸び伸びと音楽を楽しめること! アーティストとの距離感も近く、思いもよらない音楽にふと出会うこともできちゃうんです。 今回、2ヶ月後の開催が迫っている<フジロック>に向けて、昨年、初めて<フジロック>に訪れた学生、編集部、アーティストに思い出を振り返っていただき、その魅力をお伺いしました! 興味はあるけど行こうか迷っている方や、<フジロック>がどんなフェスなのか知りたいという人はぜひ参考にしてみてくださいね。

初<フジロック>はどうだった?

Wasabi・学生

とにかく朝からお酒と音楽にどっぷり浸ることができるんだなと(笑)。意外とアーティストとの距離が近いなと感じましたよ! 歌詞を一部「Fuji Rock!!」にして歌ってくれたり、ステージから降りてきてくれてハイタッチしてくれたり!! ゴリラズを見ていたわたしはあのデーモンアルバーンとハイタッチできました! 一生の思い出です。 アーティスト名だけ耳にしたことがあって、気にはなってるけど……とか初めて知るアーティストをどんどん見ることができるのが魅力だなと思いました! 海外のアーティストが一気に日本に来る一大チャンスの大イベントなので本当に行ってよかったです!! ▼【フジロックライブ&フォトレポ】余裕と貫禄のカートゥーン・バンド、ゴリラズがフジロックに! Fuji Rock Festival'17 : DAY 1!

akechi・Qetic編集部

連日の雨で何もかもぐちゃぐちゃでしたが……前夜祭から含めて4日間、夜通し踊って音楽とお酒にどっぷり浸かった最高なフェス!! 2日目のモンドグロッソからの大好きな満島ひかりちゃんとのステージが最高でした(ヒ・カ・リ)! どんな天候でもどんな時間でも<フジロック>ならではの空気感とワクワクがそこにあって、ホテルで寝ているなんて勿体無いくらい! ホテルを取らなくても誰かのテントに泊まれちゃうとか……そこらへんの人と飲み明かしたりとか……世界一平和で安全なピースフルなフェスでした(笑)! ▼【フジロックフォトレポ】MONDO GROSSO、妖艶な満島ひかり&ゲストボーカル陣にも注目! Fuji Rock Festival'17 : DAY 2!

tanaka・Qetic編集部

大きい荷物を入れるリュックがないとか、服装どうしようとか、そういった悩みなんて一瞬で吹き飛ぶほど、とっっっても楽しいフェスでした! 大好きなボノボやアウスゲイルやメジャーレイザーが観られて、朝から夜中までお酒を飲んでウルトラハッピー! 「ずっと観たかった」「昔聴いてた」「聴いたことない」全ての音楽を堪能できるのはフジロックならではですね。雨やステージ間の移動なんて全く苦じゃないので、迷いを捨てて苗場へGO! ▼【フジロックライブ&フォトレポ】メジャー・レイザー、終始アッパーに盛り上げまくる!日本仕様のハチャメチャ演出も必見 Fuji Rock Festival'17 : DAY 3!

ワン・モア・ジョゼ(C’mon C’mon)・アーテイスト

1週間ほど前に急に行こうと思い立った初<フジロック>。普段アウトドアを全くやらない私、<フジロック>って大自然の中いたるところから色んな音楽が流れ、最高の空間!だけど山……過酷……しんどい!!ってイメージだった。でも!軽装でも運良くなんとかなった、持つべきものは案内をしてくれる経験豊富なフジロッカー!ただし上着がネルシャツだけでは朝方寒かった……今年は装備を強化して行きます。(もうマウンテンパーカー買った!)シティーボーイ&ガールたちも憧れのフジロックで最高の非日常空間楽しもう!

ROOKIE A GO-GOに出演! 踊Foot Worksの初<フジロック>

昨年新人アーティストの登竜門でもある<ROOKIE A GO-GO>へ初出演を果たし、2018年4月には1stフルアルバム『odd foot works』を発売し、注目を集める踊Foot Works(オドフットワークス)。 【MV】夜の学校 Feat. もののあわい - 踊Foot Works <ROOKIE A GO-GO>では、堂々たるパフォーマンスを見せ、観客を釘付けに。結成して半年のパフォーマンスとは思えないほど、今後を期待してしまうものでした。 今回は2017年3月に『ODD FOOT WORKS』フリーダウンロードに端を発し、未だに勢いを見せ続ける踊Foot Worksにも昨年の<フジロック>の体験談をいただきました。

Pecori(Rap)

僕はロングスリーパー。そしてめちゃくちゃ夜行性。だから朝寝て、夕方起きるということが多々あるが、去年の7月28日は朝5時に起きたんです。<フジロック>の出演日ですからね!!!!! 踊はまだ結成半年弱で、東京のライブしか出てなかったから軽い遠征ライブって時点でまずフワッフワしてたし、<フジロック>のステージで丁度10回目のライブっていう数字的スピリチュアルが亡霊のようにメンバーに取り憑いてた。 会場に着いたら豪雨に見舞われ、ずぶ濡れのメンバーの写真をメルカリに1万2千円で出品した。すぐに消した。初日は早々に宿で仮眠をとってからライブに望んだんだけど、枕が江戸時代なの? みたいにカチカチでよく寝れなかったんだ。でもド深夜のライブは夜行性クンにとっては良いバイブスをくれて、(現時点)で最高のパフォーマンスが出来たのかなと思う。 心なしかライブ後に寝た枕は江戸時代じゃなくなってたね。2日目寝ぼけた顔しながら見たPUNPEEのライブ最高でした。ここからはただの夏の思い出なので、このへんで終わります。また来年。

Tondenhey(Guitar)

<フジロック>と言えば日本で最大級の音楽フェスである。そんな日本を代表するフェスに出演出来るとは夢にも思っていなかったため、昨年の<フジロック>を忘れることはできない。 そんな思い入れのある昨年の<フジロック>で、最も印象深く覚えていることは、やはりザ・パレス・オブ・ワンダーで松田翔太さんに偶然お会いしたことである。人がごった返し、音楽が爆音で流れているテントの中で彼を見つけた時、思わず私は手を握り、「応援しています」と一言伝えた。 一般人の自分が行き過ぎた行動をしてしまったことを悔やんでいると、すかさず、低くよく通る声で「ありがとう」と返答してくれた。その声は私の鼓膜からさざ波を起こし、テントから出る頃には荒れる大海原にいるかのような錯覚を起こさせた。 テレビやラジオで彼の声を聴くたび、あの夏、<フジロック>という大海原にいたことを思い出してしまうのだろう。

fanamo’(Chorus)

お兄さんやお姉さんと一緒に走った、運動会! 美味しかった、給食のカレーライス! ドキドキして眠れなかった、林間学校! 僕たち、私たちは、30歳も超えると幼き頃ほど食べ物の美味さに感動したり、興奮して寝れなかったり、特別な事がどうしても少なくなってくる。それでも心と身体はそれを求めてるし、その期待に応えられない日常にうんざりする事もあれば、それが大人なんだなって感じることもある。ただ、初めての<フジロック>は明らかに僕にとって特別だったし、幼き頃の感動に似た感覚を与えてくれた。 ルーキーの演奏中に後ろで踊ってくれてたimaiさん、宿舎の2段ベッドで照れながら恋愛を語る宗藤くん、ずぶ濡れの服を乾かす為のコインランドリーと隣の焼き鳥を焼くのが嫌いな焼き鳥屋さん。 なにがどうってことは無いけど、とにかく特別なジュブナイルを感じさせてくれたし、幼き頃をのそれを思い出させてくれた。出演者にとってもお客さんにとっても、<フジロック>は特別なジュブナイルなんだと思うし、そうであればいいな。 出演者のラインナップ、洒落た飯、苗場の自然と雨で薄まったアルコール、そしてすれ違う参加者のまん丸な目、全てが八方から押し寄せて僕たちを子供に還してくれる。次に僕が苗場に行く時には完全にそれを期待して行くんだろうけど、初めてに勝るものはないだろう。 でも、まぁそれもいいでしょう。 それにしても楽しかったなー、<フジロック>。

SunBalkan(ba)

去年の<フジロック>は僕の初めての<フジロック>だった。自分の中では年パスを持っている人がディズニーランドに行くように客も忙しいレジャーランドのような印象だった。だが自分が思っていた以上に自分の過ごし方を選べる自由を感じた。通勤ラッシュ時の乗り換えのように走る必要はないのに走ってしまうようなことは全くなく、音楽に詳しい必要もないし常に誰かを観なくでも良い。生のトクマルシューゴを聴きながら川に居る子供を眺めてても良い。人がしんみり聴いている中踊り狂っても良い。とにかく自由で自分が演者であることを忘れて素直にあの場を楽しんでしまっていた。大人子供の休み時間のような<フジロック>にまた足を運びたいと思う。

いざ2018年の<フジロック>へ!!

昨年<ROOKIE A GO-GO>に出演した踊Foot Worksから、学生、Qetic編集部の体験談はいかがでしょうか? 体験談を読んで少しでも興味を持った人は、今年の<フジロック>へ足を運んでみることをおすすめします! 今年の夏は<フジロック>で忘れられない思い出を作りましょう!! ▼チケットの買い方は?交通手段は?限定グッズは?<フジロック>基本情報まとめ特集! ▼ヘッドライナー発表目前?2018年の<フジロック>であなたが見たいアーティストは?編集部+αのフジロッカーに願望を聞いてみた。

EVENT INFORMATION

FUJI ROCK FESTIVAL’18

2018.07.27(金)、28(土)、29(日) OPEN 9:00/START 11:00/23:00 終演予定 新潟県 湯沢町 苗場スキー場 詳細はこちら

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独特のスタイルで世界に挑むDos Monosの正体に迫るインタビュー。LAレーベルとの契約、“バグ”だらけのMVで攻め込む姿勢

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荘子it、iizuka taitan、没からなる3人組ヒップホップユニット Dos Monosが、先日アメリカ・LAのレーベル〈Deathbomb Arc〉との契約を発表したことは記憶に新しい。 〈Deathbomb Arc〉は音楽メディア・ピッチフォークにて“Best New Music”を獲得したJPEGMAFIAや、史上2度目となるヒューゴー賞にノミネートされたヒップホップ・トリオ、clipping.などが所属するレーベル。日本人アーティストが同レーベルと契約を結ぶのは史上初の快挙として各メディアにて大きな話題を呼んだ。 2017年には初の海外ライブをソウルのTHE HENZ CLUBで成功をおさめ、その後は、<出れんの!? サマソニ!? 2017>において応募総数3600組を勝ち抜き、<SUMMER SONIC2017>に出演を果たした彼らだが、これまで正規音源・MVは発表してこなかった。 今回は、契約発表後に公開となった自身初となるMV “In 20xx”についてや〈Deathbomb Arc〉との契約の経緯、さらにはお気に入りの音楽や今後の展望まで、まだまだ謎の多い彼らの正体に迫る。米レーベルを虜にさせたDos Monosの魅力とは一体?

Interview:Dos Monos

——バグだらけのMVの意図は?何かインスピレーションを受けているものなどあればお伺いしたいです。 荘子it メンバー全員、昔からメインストリームからはみ出したものに惹かれていたので、ジャンル問わずそういう表現からは大きな影響を受けています。具体的なインスピレーションとしては、僕が好きなチェコの作家ミハル・アイヴァスの小説『もうひとつの街』です。通常の街の亀裂から偶然迷い込んだ、一見理解しがたい摩訶不思議なもうひとつの街に、実は根源的で汲み取るべき本質が眠っているというこの小説の世界観は、Dos Monosのコンセプトと共鳴するものがあったので、それを分かりやすく「バグ」と表現して、監督の渡邉直さんと制作を進めました。 TAITAN MAN 他のアーティストのMVでいえば、SIMI LABさんやQuasimotoの作品に影響受けました。 Dos Monos - in 20XX
——小ネタが30個隠れているとTAITAN MANさんがTwitterで投稿をしていましたが、もし可能であれば、そのうちのいくつか教えてもらいたいです。 TAITAN MAN これ、真っ赤な嘘ですね。小ネタと呼べるものは、どっかに松居一代が隠れてるくらいのものです。 ——〈Deathbomb Arc〉の契約をした経緯を教えてもらいたいです。  〈Deathbomb Arc〉は、元々clipping.とか好きで知ってたんですけど、今年の2月頃にレーベル探しをしている時、ちょうどラッパーのJPEGMAFIAがPitchforkで大きく取り上げられてて目に入りました。それでものは試しに音源送ってみたら秒で返信返ってきて。 そこから暫く他愛もないことも含めてやり取りしてたんですけど、最終的にアルバムの完成品を聞かせたら、是非うちから出したい、ってことになりました。〈Deathbomb Arc〉のBrianは本当に気さくで、レスポンスも良くて、かなりスムーズな流れでした。 ——いつから結成をしていますか?3人の出会いは? 荘子it 出会いは中学時代。それぞれがバンドをやっていました。(荘子itはギタリスト、TAITAN MANと没はドラマー)その後2015年、個人でトラックを作りためていた荘子itの呼びかけで結集。 ——Dos Monosの由来はどこからきているのでしょうか?  名前は、ぶっちゃけ語呂です。あえていうなら意味は、スペイン語でDos(2匹の)Monos(猿)です。三人組ではあるけれど、語感が良いので採用しました。その後、「進化した猿=人間」とゆう意味を荘子itが後付けして現在に至ります。 ——コンセプトや軸があればお伺いしたいです。 荘子it メインストリームの側で、常に今のシーンにはないバグのような刺激を与え続けられる存在でありたいと思っています。創作面では、本当にかっこいいと思うものをふざけながら作ることを忘れないようにしています。 ——海外レーベルと契約をし、海外フェスの出演も決定していますが、海外をメインに入れて活動を行うつもりですか?また今後も日本語のラップで展開をする予定なのでしょうか? TAITAN MAN ー契約したレーベルの所在地、LAはもちろんですが、ソウルや台湾、タイなどのアジア圏でも積極的に活動していきたいです。フェスで出演するフランスもそうですが、英語以外の言語でラップする面白さは間違いなくあるので、基本的に僕らも日本語でラップするスタイルは変えないと思います。 ——パフォーマンスをTwitterで拝見したのですが、すごく独特だなと思いました。どんなことを意識して、パフォーマンスしていますか? TAITAN MAN サルとヒトの狭間を行き来したいです。 ——いま、お気に入りの音楽は? 荘子it Balojiの“Soleil De Volt”。 TAITAN MAN Higher Brothersの“7-11”。  JAY Z の"4:44"。 Baloji - Soleil De Volt
Higher Brothers - 7-11 (Official Music Video)
JAY-Z - 4:44
——一緒にライブをしたいアーティストはいますか?国内でも海外でも構いません。 荘子it 5lack、Kim Ximya、Earl Sweatshirts。 TAITAN MAN 5lack、Kim Ximya、水曜日のカンパネラ Danny Brown、JPEGMAFIA、odd eyes。 ——今、何か仕掛けていることはありますか? 荘子it アルバムが夏頃には出るはずです。恐らくそのタイミングで次のMVも出ます。 ——今後の展望があれば教えてもらいたいです。 荘子it DosMonosとしては、音楽以外のクリエイターや、海外アーティストとのコラボなど、作品作りに巻き込む人を増やしていきたいです。  個人としては、メンバーそれぞれのソロ作品も並行して出していきます。 公式Twitter

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カナダのおすすめアーティスト15選!元ライブハウス店長が現地の注目アーティストをご紹介

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こんにちは! カナダはトロントにてワーホリ中の星原です。早いもので、トロントに来て一年が経ちました。当初は、ワーホリビザ期限の1年で帰るつもりでしたが、もう少し余暇を楽しみたいなと現在ビジタービザに切り替え申請中です!

▼RELATED【ワーホリ体験記】元ライブハウス店長、職を捨ててカナダに行く

さて、星原カナダ渡航記、第2回目の今回からは、カナダの音楽事情を中心に書いていきたいと思います。 皆さんは、カナダ出身のアーティストと聞いて何を思い浮かべますか? 今や世界的ポップスター・Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)、10代にして成功を収めた女性シンガーソングライター・Avril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン)、カナダロックシーンの代表格・Arcade Fire(アーケイド・ファイア)、現ヒップホップシーンの中核・Drake(ドレイク)、R&Bシーンの新プリンス・The Weekend(ザ・ウィークエンド)、過去に遡れば、ロックレジェンド・Neil Young(ニール・ヤング)、The Band(ザ・バンド)、Steppenwolf(ステッペンウルフ)、その他にもレゲエポップシーンではMagic!(マジック!)、ポップパンクシーンではSUM41(サム・フォーティーワン)、Simple Plan(シンプル・プラン)など、ここカナダにも様々なジャンルにおいて世界的スターが存在します。

カナダの若者は何を聴く?

今のカナダの若者には、ヒップホップ・R&Bが圧倒的に人気! おしゃれなアパレルショップのBGMも、街を走る車からの音漏れも、バスに乗る学生のヘッドホンの音漏れも、ほとんどがそれ。恐らく去年一番聴いた音漏れソングは21 Savage(21サヴェージ)。まあ、これはカナダに限らず北米、いや最早、世界的な潮流なのでしょうが。 ちなみにヒップホップ・R&Bに次いで人気なのがレゲエだと感じます。カナダでレゲエって意外じゃないですか? 僕も最初は疑問に思ったのですが、移民大国カナダにはジャマイカからの移民も多く、ここトロントにはジャマイカンタウンも存在します。実際にジャマイカ人のみならず、日本からワーホリで来ているレゲエのシンガーやDJともたくさん知り合いました。 そうは言っても、カナダにもかっこいいロックバンドはたくさんいます! そこで今回の記事では、カナダのインディーレーベルを紹介するとともに、個人的におすすめしたいアーティスト・厳選15組を挙げていきたいと思います。
Arts & Crafts(2002~) トロントを拠点とするカナダ最大のインディーレーベル。Broken Social Scene(ブロークン・ソーシャル・シーン)、Feist(ファイスト)、BADBADNOTGOOD(バッドバッドノットグッド)、Japandroids(ジャパンドロイズ)、Andy Shauf(アンディー・シャウフ)など、世界的に人気を集めるアーティストが多数所属しています。先日トロントにて開催された野外フェス<Field Trip>では当レーベル一押しの若手アーティスト、Ellevator(エレベーター)も出演していました。
Paper Bag Records(2002~) 〈Arts & Crafts〉と同年に設立された、カナダでは歴史のあるインディーレーベル。過去にはBroken Social Scene(ブロークン・ソーシャル・シーン)、Stars(スターズ)、Tokyo Police Club(トーキョー・ポリス・クラブ)らも所属していました。08年と09年には2度に渡り、トロントの新聞『NOW』にてベストレーベルとして称されたことも。現在は、カナダで中堅バンド的存在のBorn Ruffians(ボーン・ラフィアンズ)などが所属しています。ちなみに今年リリースされた彼らの最新アルバム『Uncle, Duke & The Chief』が非常に素晴らしい作品なので、まだ聴いてない方は是非チェックしてみてください!
Last Gang Records(2003~) 〈Arts & Crafts〉に次いでカナダで有名なのがこの〈Last Gang Records〉でしょう。かつてエレクトロ・ニューレイヴ全盛期は爆発的な人気を誇っていました。現在もStarsS(スターズ)、Death From Avobe 1979(デス・フロム・アバヴ 1979)、Crystal Castles(クリスタル・キャッスルズ)、Chromeo(クローメオ)らが所属しています。地元カナダではカリスマ的な人気を誇るMetric(メトリック)も以前まで在籍していました。

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【ゴリラズ来日間近】青柳文子、King Gnu、CHAI、フレデリックがゴリラズへインタビュー

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皆さんはゴリラズの来日公演のチケットはもう入手しましたか?  Gorillaz - Lake Zurich (Visualiser)

▼RELATED <GORILLAZ “THE NOW NOW” Japan Tour 2018>

世界で最も成功を収めたヴァーチャル・バンド、ゴリラズ(Gorillaz)の来日公演<GORILLAZ “THE NOW NOW” Japan Tour 2018>が2018年6月21日(木)に開催されます。 翌日の6月22日(金)には、ニュー・アルバム『The Now Now』全曲を披露する追加公演<GORILLAZ “THE NOW NOW” Japan Tour 2018 THE WORLD PREMIER OF THE NEW ALBUM -LIVE->も決定! ゴリラズの新作を発売前にライブで聴けるとあり、通常公演はもちろんのこと、追加公演もファンにとっては見逃せないものになっています。通常公演と追加公演を合わせて楽しむという方も中にはいることでしょう。 また、来日公演には、デ・ラ・ソウル(De La Soul)、ブーティー・ブラウン(Bootie Brown)、ペバン・エヴェレット(Peven Everett)、ジェイミー・プリンシプル(Jamie Principle)ら豪華ゲストが出演することも発表されました。 いよいよゴリラズが来日ということもあり、ゴリラズ熱が高まっていますが、今回さらにその熱を高めるべく、ゴリラズの来日公演と新作の発売を記念して、ゴリラズが好きなモデルの青柳文子、King Gnu、CHAI、フレデリックらにご協力をいただき、気になることをゴリラズに質問してもらいました。 貴重なインタビューは必見です!

Gorillaz - Humility (Official Video)

ゴリラズがいよいよ来日! みんなが気になることをインタビュー

青柳文子

Q. 日本の好きなアニメと漫画があれば、ベスト3を教えて下さい。もし甲乙つけがたければ、読んだことや見たことのある漫画でも大丈夫です。全然なければ、知っているものでも大丈夫です。何もなければ、自分の国のものでも大丈夫です!
A. ジェイミー・ヒューイット:僕は映画『アキラ』と全てのスタジオ・ジブリ作品に影響を受けている。

King Gnu

King Gnu - Vinyl

Q. これほどまでにアニメーションと音楽というコンセプトを打ち出したバンドは以前には無かったと思うのですが、やはりデーモンとジェイミーが出会ったことがすべての始まりですか?
A. 昔、デーモンとジェイミーは同じアパートに住んで一緒によくMTVを観ていて、アニメを主役にしたバンドを結成したら面白いと思ってはじめたんだ。

CHAI

CHAI『フューチャー』Official Music Video

Q. はじめましてCHAIだよ! CHAIはずっとゴリラズが大好きでしかたがないよ! 音楽の芸術だよ〜 ラブでラブで仕方ないよ なにに触れて生きてきたの? 一体ゴリラズの音楽はどうやったらああなるの? 会いたい!!大好き! いつも刺激をありがとう!!!
A. ハイ、レディーズ 君達のビデオは最高だったし、君達が僕らのファンで嬉しいよ。昔は、日本が発明した素晴らしい楽器であるスズキ・オムニ・コードを使うのが大好きだったよ。スペーシーな感じと、未来かやってきたハープみたいでとても気に入っていたから“Clint Eastwood”とかで使ったな。

Gorillaz - Clint Eastwood

最近の作品では、ローランドの古いシンセをよく使っているね。基本的に、僕たちには1つだけルールがあって、それはルールを作らないこと、できる限り実験を繰り返し、いつでもあらゆるスタイルやジャンルをミックスし続けることこそ、僕らのやり方なんだ。 以下のルールを守れば間違いないよ! その1:新しいことに挑戦し続けること その2:どんなノイズも音符になる その3:君が耳にする音すべてが音楽だ その4:とにかく楽しめ

フレデリック

フレデリック「オドループ」Music Video | Frederic "oddloop"

Q. 自分達フレデリックも海外でライブ経験がありまして、その都度大事にしている事が、『言葉が通じないからこそ、 自国と変わらないコミュニケーションで接すること』です。例えば、日本語を勉強したり、なるべくコミュニケーションをとるようにしたり等、今回来日される際に、特別考えている事などはありますか? また、この日本語は使いたい。という言葉などあれば教えて頂けるとファンの皆様も喜ばれると思うので、是非お願いします。
A. 僕らはどこでプレイしようといつも何かスペシャルな何かを用意しているよ。だから君達の為にプレイすることをとても楽しみにしている。サプライズにとっておきたいからあまり言いたくないけど、僕たちのメッセージの中に日本語が含まれていると思うよ。僕達は、みんながこのグローバルなコミュニケーションの一部である為にいつもあらゆる方法とあらゆる言語でコミュニケーションを取れるように努めている。ライブにおいては、僕達の音楽を通じてファンのみんなと会話をする、つまり音楽こそが言語なんだ。僕達は、それぞれ異なる国籍や文化を持つ友人達が集まったバンドだから、僕らは楽器や照明、ビデオを通して話すんだ。
いかがだったでしょうか。“スペシャルな何かを用意している”ということもあり、期待が膨らみます。チケットがまだという方はお早めに手に入れてくださいね! 当日は熱いライブになること間違いなしです! チケット購入はこちら

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The Now Now

ゴリラズ 2018.06.29(金) 詳細はこちら

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GORILLAZ “THE NOW NOW” Japan Tour 2018 THE WORLD PREMIER OF THE NEW ALBUM -LIVE-

ゴリラズ 2018.06.22(金) OPEN 18:30/START 19:30 Zepp Divercity Tokyo ¥12,000 (1F スタンディング・整理番号付き/2F 指定席)(ドリンク代別) 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

GORILLAZ “THE NOW NOW” Japan Tour 2018

ゴリラズ 2018.06.21(木) OPEN 18:00/START 19:30 幕張メッセイベントホール アリーナスタンディング(ブロック指定) ¥12,000 スタンド指定S席 ¥12,000 スタンド指定A席 ¥10,000 TICKET: ローソンチケット 【Lコード】72451 0570-084-003 http://l-tike.com/ チケットぴあ 【Pコード】103-339 0570-02-9999 http://t.pia.jp/ イープラス http://eplus.jp/sys/web/flist-pc/smash.jsp?siteCode=1028 iFLYER https://admin.iflyer.tv/apex/eticket/?id=298267 楽天 http://ticket.rakuten.co.jp/ 岩盤(Web・店頭販売) http://ganban.net/ shop info : http://ganban.net 詳細はこちら

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Moodoid×水曜日のカンパネラ対談|国境を越えた共通点やサマソニ出演、コラボ曲について

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メロディーズ・エコー・チャンバーのギタリストとしても知られるパブロ・パドヴァーニが率いるフレンチ・ポップ・バンド・Moodoidと、水曜日のカンパネラによる国境を越えたコラボレーションが実現した。この企画は、<SUMMER SONIC 2018(以下、サマソニ)>と<Les Eurockeennes(レ・ユーロケン)>の連動企画として実現したもので、両者はフェス当日にステージ上でコラボレーションを果たす。 また、水曜日のカンパネラが6月27日にリリースする最新EP『ガラパゴス』の収録曲“マトリョーシカ”と、同日にリリースされるMoodoidのアルバム『Cité Champagne』の収録曲“Language”にお互いがゲストとして参加するなど、両者のコラボはライブのみのかかわりを越えた密なものに発展している。 今回はMoodoidの中心人物パブロと、水曜日のカンパネラのコムアイの2人に、今回のコラボの作業風景や、国や価値観を越えて人々を繋げる音楽の魅力について聞いた。

Interview:水曜日のカンパネラ×Moodoid

——今回のコラボレーションが決まる前から、パブロさん(パブロ・パドヴァーニ:Moodoid)はここ数年、何度か日本を訪れていたそうですね? 日本に来てみて、どんなことが一番印象的でしたか? また、その滞在時、日本の音楽にも触れる機会はありましたか? Moodoid 年半前に初めて日本に来て、そのときは代官山Unitとアンスティテュ・フランセ東京でライブをやらせてもらったんだけど、そのときに受けたカルチャー・ショックが本当に大きくて、日本に一目で恋に落ちたんだ。で、そのあと4回ぐらいバカンスで日本に来て……。 コムアイ 4回も(笑)。 Moodoid 東京、京都、直島、広島を訪れて、この国にすごくインスピレーションをもらったよ。僕は特に、日本の80年代の音楽が大好きなんだ。ファンクな雰囲気があるものもいいし、YMOや坂本龍一さんの曲も好きだし、彼らが参加していたPACIFIC』(78年。YMOとしてデビューする直前の細野晴臣が高橋幸宏、坂本龍一らと提供した音源や、山下達郎のインスト作品を収録)も大好きで。日本に来るたびに、CD店やレコードショップに立ち寄っては日本の音楽を買い漁っているよ。 コムアイ へええ、どのレコードショップに行くの? Moodoid たとえば、下北沢のCITY COUNTRY CITY。下北沢にはよくレコードを買いに行くから、他にもGeneral Recordやディスクユニオンに行くよ。 ——一方コムアイさんは、昨年水曜日のカンパネラとして音楽フェス<Les Eurockeennes>に出演しましたね。 コムアイ ライブで行ったのはそのときが初めてでした。でも、その前にひとりでトゥールーズに旅行に行ったことがあるんですよ。 Moodoid えっ、僕はトゥールーズ出身だよ? コムアイ わぁ、そうなんだ! そこで感じたのがフランスの最初のイメージで、トゥールーズは首都じゃないのに大きなビオスーパーがたくさんあって、食べ物も化粧品もオーガニックなものが揃っていて。日本だと美味しい食べ物を探すのも難しいけど、「フランスは住みやすそうだな」と思ったのを覚えています。あと、芝生もすごく柔らかくて、コンフォータブルなものに対する欲求がすごいんだろうな、って。フランスの芝生って日本の芝生とは種類が違うらしくて、寝っ転がっててもすごく気持ちいいんですよね。 Moodoid そういえば、コムアイから「フランスは芝生がいい」って聞いたことがある(笑)。 ——そして今回、<サマソニ>と<Les Eurockeennes>の連動企画で水曜日のカンパネラとMoodoidのコラボレーションが実現しました。育った国も環境も違う2組が集まって音楽を作るという意味でも、今回のコラボはとても面白いものになっていますね。 コムアイ これは今日も通訳をしてくれているヨウコさんが繋いでくれたのがきっかけでした。去年<Les Eurockeennes>に出るときに現地でアテンドしてもらって、そのときにカンパネのライブをどう作るか、どんなことにこだわっているかということを見てくれて。その半年後に「Moodoidと一緒にやったらいいんじゃない?」と連絡をくれたんですよ。 ——2人がお互いの音楽や活動に感じる魅力というと? Moodoid 僕が最初に水曜日のカンパネラを知ったのはYouTubeで観たMVだったんだけど、そのときに自分にすごく近いものを感じたんだ。水曜日のカンパネラの楽曲やMVには彼女たちだけの世界観がはっきりとあって、部分によってエキセントリックなところも、作り込んでいるところもあるけれど、毎回明確な方向性が提示されている。僕自身も、そういう風に音楽やMVを作っていきたいと思っているから、きっと僕らの間には何か共通点があるんじゃないか?と思った。それに、僕はコムアイの声が好きだし、存在感やダンスもすごく好きだしね。だから、今回の企画が実現したときは、本当に夢が叶ったような気持ちだった。これまで「日本人のアーティストとコラボレーションしたい」と考えてはいたけれど、それってすごく大変なことだろうなとも思っていて。でも、今回の作業はすごくスムーズに進んだし、お互いに音楽を通じて饒舌に会話が出来たような気がしたよ。「こんなに上手く行っちゃっていいのかな?!」って。 コムアイ 私もそうでした。普段、男性アーティストに“自分と似てる”と感じることは少ないですけど、パブロは音楽だけじゃなくて、映画や文学にも詳しくて、色んなことに興味がある人で。私も日本の伝統芸能のようなものを大人になるにつれて好きになったり、映画をヒントにしてアルバムを作ったりしてきたので、音楽だけじゃなくて、映像やパフォーマンスも含めて色んな表現のアウトプットを持っていることにすごく共感したんです。私にとっては歌っても作品だし、踊っても作品だし、(写真や映像を)撮られても、何もないところでパフォーマンスしてもそれは「作品」で。パブロもメイクをしたりして自分が表に出ることを堂々とやっていて、そうやって自分の体も表現のひとつにしている男の人って少ないと思うので、忌野清志郎さんやデヴィッド・ボウイのように、裏方としての魅力も表方としての魅力もどっちも追究していくような、その一線を越えていくような感覚がすごく気持ちいいと思いました。 ——そして今回、ライブはもちろんのこと、水曜日のカンパネラの楽曲“マトリョーシカ”と、Moodoidのアルバム『Cité Champagne』にボーナス曲として収録される“Language”で、楽曲でもコラボレーションをすることになりました。“マトリョーシカ”はどんな風に出来ていったんですか? コムアイ まずは(水曜日のカンパネラのこれまでの楽曲と同様、タイトルを偉人や有名人の名前にするために)パブロに「この曲を聴いて、どんな人が思い浮かぶ?」と聞くところからはじまったんですよ。そうしたら、彼がマトリョーシカの元になった農婦を挙げてくれて。「この曲の何層にもレイヤーが重なっていて、スケールの違う同じものが何個も出て来るような連続性に、マトリョーシカっぽさを感じた」と言ってくれました。 Moodoid 最初にカンパネラから送られてきたトラックを聴いたときに、シンセが波のように何層にもなっていて、自分がそこに巻き込まれていくようなイメージを連想したんだ。しかもその波が、終わりのないサイクルのように感じられた。そこからマトリョーシカを連想したんだ。しかも、僕のその気持ちを汲んでくれてだと思うけど、完成版では曲の最後に音をリバースさせたパートが加わっていて、自分が感じたことが実際に音になったことが本当に嬉しかった。マトリョーシカというのは、中から永遠にモノが出て来る人形なわけで、そのイメージにピッタリだよね。それに、マトリョーシカって、存在自体がポップなものだとも思うんだ。僕らはお互いポップ・カルチャーが好きな人間なわけだから、その雰囲気を何かビジュアル的にも強いイメージが感じられる=ポップなもので代弁したいと思った。つまり、美的な意味でも強いイメージを持っているもの、ということだね。 ——“マトリョーシカ”は日本語/フランス語の歌が混在していて、パブロさんがまさかの日本語でも歌う展開にかなり驚かされました。 コムアイ 私はフランス語では歌ってないんで、ズルいんですけど(笑)。ケンモチ(ヒデフミ)さんがお経の歌詞を書いてくれて、「これをパブロに歌ってもらったら可愛いんじゃないか」という話になったんですよ。外国人が日本語を喋ったときの発音って(その人の母国語によってイントネーションやクセが出るため)すごく面白いから、みんな好きだし、可愛いって思うことが多いじゃないですか。ただ、きっかけはそんなアイディアだったんですけど、パブロは日本が好きなこともあって、「日本語が上手すぎたら心配だな」とも思っていて。 ——なるほど、“上手すぎない”ことが大事だったんですね。 コムアイ そうなんです。だから、最初に送ってきてもらったテイクがよかったこともあって、「これでOK。もう上手くならないで!」って、最初のものをそのまま使いました(笑)。結果として、パブロのフランス語らしい発語の仕方が出ていますよね。具体的な作業としては、ヨウコさんが一度アルファベットに直してくれたものを見ながら歌ってもらった形です。ほら、これ!(と言いながら、歌詞をまとめたスクリーンショットを見せてくれる) ——それは面白いですね。それにしても、日本語で歌うのは難しかったんじゃないですか? Moodoid そもそも日本に何度か来たときにも、文字も言葉も全然違うから、“日本人とのコミュニケーションって難しいな”と感じていたんだ。だから、最初は自分が日本語で歌うなんて絶対に無理だと思っていたよ。でも、やってみたら……意外とできた(笑)。 ——なるほど、できちゃった(笑)。 コムアイ あはははは! Moodoid 英語やドイツ語には、どうしてもできない発音があったりするんだけど、日本語はそれに比べて上手く出来たんじゃないかと思う。というのも、日本に来て、レストランでJ-POPを聴いていたりすると、意外とフランス語っぽく聴こえる瞬間があったりもして、日本語とフランス語の発音にはもしかしたら共通点があるのかもしれないよ。 コムアイ 私はパブロの英語がフランス語に聞こえる……(笑)。 Moodoid 訛りすぎてるからね(笑)。 ——“マトリョーシカ”が収録される水曜日のカンパネラのEPのタイトルは『ガラパゴス』ですが、そういう作品をリリースする人たちだからこそ、今回のコラボレーションならではのやりがいを感じる部分もあったんじゃないですか? コムアイ 本当にそうですね。私には自分の中に感じるすごくドメスティックなものに対して諦めと喜びの両方があって、その2つの気持ちの両方が今回の『ガラパゴス』にも入っていると思います。最初、今回のEPには英語の曲も入れようと思っていたんですけど、そういう曲が出来なくて、入れることができなかったんですよ。自分自身が英語で物事を考えているわけではないから、英語で歌詞を考えると歌いづらいなと思ってしまって。もちろん、歌うだけなら英語でも歌えますけど、何かを伝えるために歌詞を書いたとき、英語の歌詞ではやっぱり歌えないという……すごくガラパゴスらしいことになってしまった(笑)。そこにパブロとのコラボレーションがはじまって、逆に日本語で歌ってもらったんですよ。 ——今回のコラボレーションは、2人にとってどんな経験になりましたか? Moodoid 僕にとっては信じられないような経験だったよ。僕はもともと外国語が苦手で、今回僕の作品でコムアイに参加してもらう“Language”という曲も、自分とは違う言語を持っている人とコミュニケーションを取ることの難しさについて歌った曲で……。今回のコラボレーションは、そのことを象徴するような出来事だったと思う。自分と言語が違う人と何かを一緒に作るということ自体がすごく楽しくて、大事な経験だったし、言葉や文化というものが“自分の人生の中でも大事なものなんだな”ということを改めて感じたよ。 コムアイ “Language”のオリジナル版はフランス語と英語で歌ったものだったっけ? Moodoid うん、もともとは英語圏のシンガーとのコラボなんだ。まぁ、フランスに住んでいる人だから、ちょっとズルをしてるんだけど。 コムアイ そこもガラパゴスだったんだ(笑)。 Moodoid (笑)。でも音楽って、そうやって言葉や文化が異なる人たちを繋ぐことができる、最大のツールだと思う。水曜日のカンパネラとの制作作業で、改めてそう感じたよ。 ——<サマソニ>で2組がコラボする予定のライブは、どんなものになりそうですか? コムアイ これまで色んな人とデータ上で制作のやりとりをすることはありましたけど、私の場合、ライブでミュージシャンと一緒にステージに立つことが全然ないから、すごく新鮮だし、楽しみですね。リハーサルでマイクが2本並んでいるのを見るのも、本当に新鮮で。「全部をひとりで背負わなくてもいいんだ」という意味では、気持ちも楽だし、甘えすぎないようにしないといけないです(笑)。とにかく、初めてフランス人の友達が出来て、「楽しいなぁ!」という気分です。……バカっぽいコメントになっちゃいましたけど(笑)。 ——(笑)。パブロさんはどうですか? Moodoid 僕はいつも6人編成でライブをしているから、2人でステージに立つのは逆に普段よりも少ないんだ。しかも、日本語で歌わなきゃいけないことを考えると、そこも緊張するし、今までにない経験になるんじゃないかな。でも、当日がすごく楽しみなんだ。僕としては、日本という自分が生まれた国とは言語も文化も違うところで、水曜日のカンパネラの世界観に思い切り飛び込みたいと思っているよ!

RELEASE INFORMATION

Cité Champagne

2018.06.27(水) Moodoid 詳細はこちら

ガラパコス

水曜日のカンパネラ 2018.06.27(水) 水曜日のカンパネラ 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

SUMMER SONIC 2018

2018.08.18(土)/08.19(日) 東京:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ 大阪:舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド) 2018.08.17(金) 幕張メッセ オフィシャルサイト

Text by Jin Sugiyama Photo by Saki Yagi

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Qetichub Vol.02 – 森田ワカナ

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森田ワカナ
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森田ワカナ
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PROFILE

森田ワカナ

1993年2月19日生まれ。テレビ東京系放送「一夜づけ」レギュラー、Huluオリジナルドラマ「雨が降ると君は優しい」やフジテレビ系放送「佳代子の部屋~真夜中のゲームパーティー~」、日本テレビ系「ZIP!」に出演。
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横山マサト

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EBISU BATICA

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プライドは捨てても魂は売るな! あっこゴリラ インタビュー【あいつアンドクリエイションvol.01】

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QUATTROのボーカルとして2004年にデビューし、2014年には〈Littleize records〉を立ち上げた岩本岳士が、2016年に弁護士・馬場貞幸と共に設立した一般社団法人「Rights And Creation」。2018年から弁護士・藤森純も加わったこの団体は、ミュージシャンやアーティストが自由に創作・活動することのできる環境作りや問題解決のサポートを目的に、精力的な活動を続けている。 Qeticでは今回、Rights And Creation、Qeticのあいつ、そして、招くゲスト(Someone=あいつ)によるインタビュー企画「あいつアンドクリエイション」を始動。音楽にまつわるさまざまなテーマを議題にミュージシャンや音楽に関わる人々を中心に話を伺い、これからのシーンを担う若き人材にとって活動を継続していくためのヒントやロールモデルとなるべき生き方を探っていく。 第1回目に登場するのは、ドラマーからラッパーへ、そしてメジャーからインディー、現在は古巣であるソニー・ミュージックで再度メジャーデビューし、1stシングル『余裕』を配信リリースしたあっこゴリラ。表現方法や立ち位置、発表する舞台を変えながらもタフに未来を切り開いてきた“レペゼン地球”のラッパーは、どのようにして音楽業界の荒波を乗り越えてきたのか?

あっこゴリラ 『余裕』

Interview:あっこゴリラ

——音楽遍歴も含め順を追って聞いていきたいのですが、あっこゴリラさんは小学校から高校までピアノをやっていたと聞きました。 そうですね。小学1年生から高校3年生までピアノを習ってて、あと小学校の音楽室にドラムセットがあったので、歌集に載ってる曲にドラムを合わせたりしてました。 ——ドラムは小学生の時に触れて以降はやってなかったんですか? 高校の時にバンド仲間から「ドラムいないからやって」と言われるまではやってなかったです。みんな就活とかがあってバンドを辞めちゃって。 ——ロック・ミュージックとの出会いは? NUMBER GIRLですね。当時、私の周りは銀杏BOYZ全盛期だったんですよ。銀杏ってけっこう女の子を神聖化している印象が当時の私にはあって。ただ私はそっち側だと思えないし、取り残された感があったんですよ。「なんか居場所ないな……」みたいな時にNUMBER GIRLに出会って「うわ〜」みたいな。

NUMBER GIRL - 透明少女

——この前、向井さんといっしょにライブやってましたよね? そうなんですよ〜! 西永福JAMのこけら落としで2マン。(ZAZEN BOYSの)“KIMOCHI”と“SI・GE・KI”をセッションして……自分にとって一番大きな経験でしたね。
——小学校からずっとピアノをやってきて、ドラムをやる時に葛藤は無かったんですか? 誰もドラムをやりたがらなかったからで、頭では何も考えてなかったですね。でも考えてなかったからできたのかなと今は思います。 ——HAPPY BIRTHDAYとしてMOVING ON(HAPPY BIRTHDAYが所属していたマネージメント会社)から音源を出すことになる経緯は? それはけっこう特殊で、HAPPY BIRTHDAYを始める前からボーカルがシンガーソングライターとしてホントに光ってたんですよ。それで(高円寺の)無力無善寺でやったHAPPY BIRTHDAYの最初のライブに、前から目を付けていてくれたMOVING ONの社長が来てくれて。 ——そこからすぐに契約して音源を作りましょうっていう流れだったんですか? そうですね。だけど最初は「もうちょっとドラム頑張ろう」とか「ベースに合わせるの初めて!」みたいな感じで。何とかインディーズで出してもお客さんはなかなか増えなかったんですけど、社長がライブにいろいろな人を呼んだりしてくれてたこともあって、一年後にはメジャーデビューしました。 ——メジャーに行った時、マネージメントとレーベルは別ですか? マネージメントがMOVING ONさんで、レーベルはソニー・ミュージックさんでした。でも当時の私は“赤ちゃん”のようなもので、あまりわかってなかったですね。 ——HAPPY BIRTHDAYの活動期間はどのくらいだったんですか? 実質5年です。2015年に解散ライブをしました。そこから本格的にラッパーとして活動をし始めて。カディオ(岩本岳士が所属するバンドQUATTROのドラマー)と“ゴリラ夫妻”をやったり。 ——その時はもうバンドは解散していて、どこにも所属してない状態ですか? はい。正確に言うと、2014年の夏に活動休止してから半年間は宙ぶらりんで、その期間に自分の中でいろいろ考えたんです。それが2015年の解散の時にはある程度もう固まった結果、できたのがラッパーのあっこゴリラ。そして……ゴリラ夫妻……。 ——フフフ……。 フフフ……もっと正確に言うと、半年間いろいろやりながらいろんな人に会いまくって。そこからイベントやろう、グッズつくろう、モデル誰にしようってなり、「でもゴリラTシャツをアイドルが着るのか……?」って。Twitterで募集したけど集まらなくて、「ん? ドラマーでいるわ!」と思ってカディオに連絡を取ったんです。それで上野動物園に行きました。 ——あのゴリラの銅像を挟んで撮った写真の? はい。そこからお台場とか行って天気予報の後ろに写り込んだり。でも帰りのモノレールとかで会話全く無いんですよ、その頃は。まあゴリラ夫妻って活動はしてなくて、写り込みに行っただけなんですけどね。

あっこゴリラMV『ビューティフル・ウーマン(ゴリラ夫妻ver.)』

——インパクトは抜群でしたけどね。バンドをやってた時に、いずれはひとりでやることも考えてましたか? まったく考えてなかったですね。2013年頃にボーカルが喉を壊して、活動ができなくなったんですよ。私はバンドのためなら何でもしたかったので、活動を途切れさせないためにソロでライブをした、って感じです。 ——ソロになった時に自分の中で決めていたことはありますか? 「バイトしない」っていうのは決めてました。じゃあ物販で売る物を作ろう、CDは流通に乗せるお金がないのでCD-Rで500円にして売ろう、Tシャツを作ってパーティーしようみたいな。当時は月に20本以上ライブをやって、ある程度お金が貯まった段階でレコーディングして『TOKYO BANANA』っていう初めての流通版を作りました。MCバトルの影響で少し名前が売れてたことで思ったより反響があって、そこからいろいろお声掛けしてもらった感じですね。

あっこゴリラMV『TOKYO BANANA』

——その頃はそれまでと比べて自覚的に動いている印象を受けるのですが。 でもどちらかと言うと、自分がすっごく無知っていうのがわかってたからこそ、段階を踏んでいこう的な考え方でした。最初は自費で出して、その後はHIPHOPのことをオールドスクールから勉強して、次は同世代のHIPHOPカルチャーの文脈の人たちと曲を作ってみよう……みたいな。 ——それはそれですごく自覚的だと思います。 メジャーにいた時は自分らしさを発揮できなかったし、ソロになった時にはすごく崖っぷち感が強かった。ただそこで逆に無敵になっちゃったんですよ。“元メジャーの〜”みたいに見られる感じも燃えましたね。でも誰よりも素人だったし、何も無かったからこそ強くなれたのかなって今は思う。でもキツかったですけどね、ムダなプライドを捨てるのが。

#余裕

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——最初から今のあっこゴリラというキャラクターで見ている人も多いと思うので、その部分は意外と知られてないのかなと思います。 いまだににょきにょき出てくるプライドに苦しんでますよ。「ああーいらない!」みたいな。 ——でもそれがあっこゴリラさんのバランス感覚の源なのかなと。今ってマネージメントはTHINKRさん、レーベルは古巣のソニー・ミュージックさんに戻ったわけですが、それも自然の流れでしたか? 2015年の自主企画の時からみんな呼んでたのが大きかったのかも。業界人も知り合いなら全員友だちだと思ってたので、気軽にイベントがあるたびにお声がけしてました。「あっこちゃんが言うならしょうがない」みたいな感じでけっこうみんな来てくれたんです。あと、2018年はメジャーでやるって決めていく流れの中で、「ここで古巣って面白いでしょ」って思えた自分もいた。
——面白いって思えた決め手は何だったんですか? 単純にそう思える前はアーティストとしてひよっこ過ぎたから。何となくMCバトルで名前が売れて面白そうな感じにはなってるけど、“面白ネタ提供お姉さん”みたいな感じで消費されて終わっちゃうってわかってたので。あとそこにはバンドの経験も生きていて、メジャーにいけば売れるわけじゃないことも知っていたので。 ——ようやくあっこゴリラさんの中でタイミングが訪れたんですね。 はい。まあでも、あっこゴリラを始めてから奇跡ばっか起こるんですよ。 ——でも、着実に自分の立ち位置を固めてきたんだろうなと感じます。 体当たりでやってたし、結局は全部自分の身に降りかるじゃないですか? メールの返信とかもすごい丁寧にするようにしてましたし、そういうのをみんなしっかりやってくれてたんだろうなって、ひとりになった時にすごく感じました。
——レーベルとかマネージメントとの関係性において、一番大切にしてることって何ですか? とりあえずプライドは捨てた方がいいよっていうことと、あとはみんなでやった方が楽しいよっていうことかな。 ——でもそのプライドを捨てるのは、自分のやりたい音楽を曲げることではないですよね? むしろそっちは絶対に曲げちゃダメ。そこ曲げちゃうんだったら辞めた方がいい。そこはプライドとかじゃなくて、合理的にダメだと思うことはしっかり言い合うことが大事。また同じこと言ってると思われても「聞いて聞いて!」みたいに何でも話す。あと「ダサイと思うことがあったら言って。キレるかもしれないけど」みたいな、ハハハ!

photo📸 @houmisakata hair&make⚡️@megumikuji_luckhair #idjapan

あっこゴリラさん(@akkogorilla)がシェアした投稿 -

——今後の活動において、こうなりたいみたいなイメージはありますか? 100人とか1000人みんなで、デカイことしたいですね。私、宙づりでステージに登場したいんですよ。あと360度ドラム(モトリー・クルーのトミー・リーの360度回転するドラムセットのこと)とかもやりたい。ラップって一般の人との壁ってまだあると思う。言葉が多過ぎるとか、音量は出ててもライブで何を言ってるか聴き取れないとか、飽きちゃうとか。そのへんの壁を取っ払う仕掛けを作っていきたい。エンターテイメントとして、楽曲でもライブでも、やれることがまだまだたくさんあるなと思ってます。
インタビューを通じて、ミュージシャンとレーベルもしくはマネージメントの関係性は、“鉛筆”と“鉛筆削り”に例えられるのかもしれないと感じた。不格好な鉛筆でもどうにか形を整えてくれるが、削られ過ぎると折れてしまう。ただし、折れないために必要なのは鉛筆の太さではなく、芯の強さであり、濃さだ。そもそも太い鉛筆など誰も使いたがらない。その太さは、アーティストで言うところのプライドの強さに置き換えられる。その塩梅が、あっこゴリラは絶妙だ。 さらに、日本を代表するシンガーソングライター・山下達郎はかつて、音楽ビジネスを含めたすべての芸能の根幹は「心は売っても魂は売らない」ことと語った。それがただのスレーブ(奴隷)ではなく、音楽を作る上でのパッションや真実をキープする秘訣だと。あっこゴリラの縦横無尽な活躍の裏には、ミュージシャンとしての魂を売らないための慎重さと柔軟さが隠されている。 あっこゴリラは6月30日(土)に生誕祭イベント<ドンキーコングvol.4>を六本木VARIT.で開催する。イベントには、彼女と親交の深いTempalayとPARKGOLFの出演が決定。さらに、メインビジュアルは雑誌の対談で親交を深めたデザイナーの宮越里子氏が手掛け、super-KIKIによる展示とコラボレーショングッズの販売も予定されている。ここでも彼女の“みんなで楽しむエンターテイメント”の一端を体感できるだろう。 紆余曲折しながらも、さまざまな経験を積んできたあっこゴリラという名の“鉛筆”は今、自らが思い描く理想に限りなく近い円を描き始めている。

今週のゴリちゃんFINAL

EVENT INFORMATION

あっこゴリラ presents ドンキーコングvol.4

2018.06.30(土) OPEN 18:00/START 19:00 六本木Varit. ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000(1ドリンク別) LINE UP: あっこゴリラ&BNNZ / Tempalay / PARKGOLF 詳細はこちら
あっこゴリラオフィシャルサイトRights And Creation

interview&text by ラスカルNaNo.works

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【フジロック初心者必見】ステージの距離やオススメ休憩場所、宿泊体験談まとめ

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今年の<FUJI ROCK FESTIVAL’18(以下、フジロック)>開催まで残すところあと25日となりましたね。前回<フジロック>の特集で学生や編集部、アーティストの方々からの体験談を集め<フジロック>の魅力を紹介しましたが、この記事を読んで実際にチケットを手に取り<フジロック>への参戦を決めたという方がいれば嬉しいです。

▼RELATED フジロック初体験談!踊Foot Worksや学生、編集部が感じたフジロックの魅力

そこで、初めて<フジロック>に行く方や「山奥の開催だし不安……」という方が安心快適に<フジロック>を楽しんでもらえるように周辺のホテルや宿、キャンプのメリットやデメリットなど、<フジロック>経験者からのここでしか聞けない情報を集めました。 さらに前回に引き続き今回も<フジロック>の魅力を伝えるべく、各ステージ間の距離ごとに各ステージの特徴やオススメの休憩場所も紹介します!   初めての<フジロック>に不安に感じているっていう方もこの記事を読んで、不安を吹き飛ばして思いっきり<フジロック>を楽しんじゃいましょう。

<フジロック>の各ステージを紹介

それでは、まず初めに<フジロック>ステージの特徴を移動距離に分けて紹介します! 混んでる場合は少し時間に差が出てきますが、参考にしてみてくださいね。

入場ゲートのすぐそばにあるTHE PALACE OF WONDER

CRYSTAL PALACE TENT/ROOKIE A GO-GO

入場ゲートのすぐ近くのTHE PALACE OF WONDERにある移動式テントのCRYSTAL PALACE TENT。テント内はアート・デコ・スタイルのデザインで目を引く装飾に。紫色が特徴的な木製のダンスフロアでは、国内外のバンドとDJによるパフォーマンスが見られます。バーも併設されていて、そこにはワンランク上のバー「BLACK VELVET」もあります。 同じくTHE PALACE OF WONDERにある<ROOKIE A GO-GO>は、新人アーティストの登竜門となるステージです。昨年は、CHAIや踊Foot Worksなどが出演! 世間ではまだ知られていないようなアーティストを公募し、若々しいルーキー達が演奏を繰り広げる。未来の大物アーティストが見られるかもしれません。

入場ゲートから徒歩3分のOASISエリア周辺

RED MARQUEE

OASIS FIELD に隣接する約5,000人収容できる大型テントRED MARQUEE。多くのステージがある中で、唯一の屋内ステージとなっていて、新人アーティストからベテラン勢まで幅広いアーティストが出演します。深夜から朝の期間には、ライブだけでなく、DJによるパフォーマンスが繰り広げられます。

苗場食堂

場内最大のホスピタリティエリアOASISにある苗場食堂ですが、夜になると様相を変え熱いステージへと変化します。新潟の地酒を飲みながらライブが楽しめる<フジロック>の数あるステージの中でもまったりできるステージです。至近距離でライブが観られるのも苗場食堂の特徴! 昨年は、WESTERN CARAVANのサイン会も行われていました。

BLUE GALAXY

元「ワールドレストラン」の森に2017年から登場したブルーのテントBLUE GALAXY。世界的レコード・コレクター、ジム・ウエストが50's60'sのゴキゲンなTuneを秘蔵7inchの太いサウンドで盛り上げます。他にも個性的な面々がDJする予定です。エリアの装飾は、「PYRAMID GARDEN」もプロデュースするCandle JUNEが担当とあり、装飾にも注目です!バーやフードも併設しているので、非常に利便性も高いスポットです。

OASISエリアから徒歩約3〜5分のメイン・ステージ

GREEN STAGE

OASISエリアから徒歩で3〜5分の場所にある約40,000人を収容できる<フジロック>のメイン・ステージ、GREEN STAGE。メイン会場ということもあり、名だたるアーティストがこれまで<フジロック>の景色を彩ってきました。会場が広すぎて見えないことのないように大型スクリーンも設置されているため、会場のどの場所にいてもしっかりとアーティストを見ることができます!

GREEN STAGEから徒歩約5〜10分のセカンド・ステージ

WHITE STAGE

GREEN STAGEから徒歩5〜10分に位置するセカンド・ステージのWHITE STAGE。GREEN STAGEほどではありませんが、約15,000人もの観客を収容できます。メイン・ステージに引けを取らない盛り上がりを見せ、時には入場規制を引かれてしまうこともあるので、お目当のアーティストがいる場合は、早めに行動しましょう!

WHITE STAGEから徒歩約10〜15分の非日常的な空間

FIELD OF HEAVEN

WHITE STAGEからさらに10分〜15分進むとそこには非日常的な空間が待っています。その名もFIELD OF HEAVEN。森に囲まれたこのステージは<フジロック>のステージの中でも独特の雰囲気を醸し出しています。約5,000人収容のステージで、ネイティブアメリカンのティピテントが並んでいてまるで異国に来ているかのような雰囲気に。オーガニック食材を使用したこだわりのフードやコーヒーショップの出店などもあります。電力はバイオディーゼル発電でまかなわれていて、環境への配慮がされているステージのひとつです。

FIELD OF HEAVENから徒歩約5分のキャバレー

Café de Paris

FIELD OF HEAVENから徒歩約5分にあるキャバレーCafé de Paris。パリに現存している歴史的なキャパレーである“ムーランルージュ”をイメージに作られた場所です。艶かしい装飾の中で、ポールダンサーによるパフォーマンスや国際色豊かなアーティストが出演。

ちょっと疲れた時にのんびりできるステージ

PYRAMID GARDEN

PYRAMID GARDENは、キャンドル・アーティストとしてもお馴染みのCandle JUNEプロデュースによる、ツアーバス利用者専用キャンプサイト"PYRAMID GARDEN"内に併設されたステージです。朝ヨガや子供向けワークショップが行われるなど和みの空間として好評を集めています。深夜にはキャンドルの明かりの中で行われる演奏は幻想的な空間を生んでくれます。ゆっくりと家族で楽しめるフジロックの穴場としてファミリーで訪れてみるのもGOOD!

Gypsy Avalon

Gypsy Avalonは、フィールド全体をバイオディーゼルや太陽光でまかなっているNEW POWER GEAR Field/AVALON の一角にある約1,000人収容の小さなステージです。ステージと客席まで距離が近く、一体感を感じられます。80年代から続いている反核・脱原発イベント<ザ・アトミックカフェ>があるのも特徴で、他にはない社会的な影響力のあるステージになっています!

木道亭

木道亭は、WHITE STAGEからFIELD OF HEAVENに向かう途中のボードウォークにある木々に囲まれたステージです。過去にはGREEN STAGE出演バンドの乱入や森の中での合唱など、森のど真ん中だからこそ味わえる出来事もあります。本当の自然に囲まれて音楽を楽しみたい方はぜひオススメしたいです!

DAY DREAMING and SILENT BREEZE

DAY DREAMING and SILENT BREEZEは、山頂に位置する風と景色が楽しめるステージです。DAY DREAMING and SILENT BREEZEがある場所へは日本最長スーパーゴンドラ『ドラゴンドラ』で行くことができます。SILENT BREEZEでは、大縄まわしや体操兄さんとのラジオ体操、紙芝居などが行われ、DAY DREAMINGではチルアウト・ミュージックからダンスビートを楽しめます。見晴らしの良さは<フジロック>随一で、山頂だからこそ味わえる他のステージとは違う開放感が楽しめますよ!

Qetic編集部おすすめ休憩スポット

広い会場を歩き回ってライブも見たらお腹もすくし、足も疲れちゃいますよね? そんな方のためにお腹が空いた時やちょっと座って一休みできるQetic編集部オススメの休憩スポットを4つ紹介します。

ところ天国/富士映劇

最初は川沿いにある食事も休憩もできるところ天国。川のせせらぎを感じながらゆったりとした時間を満喫できます。手づくり無添加「ところてん」や「天国バーガー」は大人気! なんと射的場もあり、ちょっとした休みに家族で楽しむのもいいのではないでしょうか。 そしてもう一つ、フジロックの夜をまったりと楽しみたい方へおすすめなのが、アウトドア・シアターの富士映劇。恒例となっている『男はつらいよ』の上映や国内外の映画を楽しめます!音楽の一休みにいかがでしょうか。

ORANGE CAFÉ

旧オレンジコートエリアがリニューアルされ新たにORANGE CAFÉとして帰ってきました。<フジロック>初の屋根付きのフードコートになっています。こだわりの飲食店やクラフトビールなどが楽しめます! 雨が降っても屋根付きなので安心して食事ができますね。

OASIS

苗場食堂や数多くの屋台、オールナイトDJが併設されたBARエリアやオフィシャルメディアブースがある場内最大のホスピタリティエリアです。インフォメーションセンターや救護テントもあるので、非常事態や困った時のために場所の確認はしておいた方が良いと思います。

NEW POWER GEAR Field/AVALON

NEW POWER GEAR Field/AVALONは、ライブ・ステージ『Gypsy Avalon』を中心に、」人権、平和、環境、被災地支援団体によるNGO村や、エコ雑貨などを販売するオーガニック村、手作り雑貨や民族楽器などのフリーマーケット、さらにはワークショップもあります。「朝霧食堂」や「アトミック・カフェ・フェスティバル」も行われます。ステージやフードエリア、マーケット、ハンモックエリア、さらにはフリーマーケットなど、多くの場所が詰まったステージです。一箇所で色々楽しみたいという方はぜひ!芝生の上で寝転がれますよ!
以上、<フジロック>のステージの特徴とQetic編集部がオススメの休憩スポットでした! さて、会場が分かったところで、1日だけじゃなく、2日目、3日目も宿泊して楽しみたくなることでしょう! <フジロック>初心者が宿泊するのはハードルが高いと思っている方のために、<フジロック>常連者に定番キャンプから、民宿、健康ランド、キャンピングカーまで宿泊の思い出や各宿泊方法のメリット・デメリットを聞いてみました!

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80KIDZデビュー10周年インタビュー。彼らと世界の音楽シーンの10年史(前編/2008〜2012年)

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常に海外のオルタナティヴな潮流の最先端と共振しながらも、それを如何に日本の音楽シーンへと効果的に投下できるか?――80KIDZの10年の歩みとは、その試行錯誤の歴史だったと言ってもいいだろう。ゼロ年代末に日本におけるエレクトロ・ムーヴメントの発火点となった彼らは、その後、音楽的な進化と変化を続けながらも、その姿勢はブレずに一貫している。 それは、デビュー10周年を記念して送り出される初のベスト・アルバム『BEST KIDZ 2008-2017』を聴けば、手に取るようにわかるはずだ。端的に言えば、「80KIDZとは何なのか?」の答えがここには凝縮されている。 『BEST KIDZ 2008-2017』のリリースに際して行われた本インタビューでは、ALI&とJUNと共に、80KIDZの10年の歴史を一年ずつ振り返っている。 この取材にあたって、彼らには事前に、①各年の80KIDZを象徴する曲と、②80KIDZ以外のアーティストの曲でその年を象徴する曲を選んでもらった。 それを基に話を進めていくことで、彼らがこの10年間の音楽シーンをどのように捉え、その中でどのようなスタンスで活動し、どういった曲を作ってきたのか、ということを明らかにすることが狙いだ。これを読むと、80KIDZの過去と現在を俯瞰し、何かしらの未来へのヒントをつかむこともできるだろう。 ご存知の方もいるとおり、『BEST KIDZ 2008-2017』はクラウドファンディング・サービスのCAMPFIREを使って受注生産がおこなわれた。当初の目標金額を大幅に上回る支援が集めった本プロジェクトはすでに受付が終了しているが、9月5日(水)から自主流通でのリリースも予定されている。クラウドファンディングに参加しそびれてしまった人は、ぜひそちらで手に入れてもらいたい。 なお、このインタビューは10年の歴史を振り返ったものなので、その量は膨大。そのため、前編と後編の2パートにわかれている。この前編では、デビュー12インチ『DISDRIVE EP』(2008年)からサード・アルバム『TURBO TOWN』(2012年)までの5年間を振り返っていきたい。

Interview:80KIDZ

——まずは、なぜこのタイミングで、クラウドファンディングというサービスを使って、ベスト・アルバムをリリースしようと思ったのか、その理由から教えてください。 JUN タイミング的には10周年という節目だったので。前にもベスト盤を出そうという話はあったんですが、「今じゃないんじゃないか?」みたいな声もあったんですよ。 ALI& ベストを出していいのは武道館でできるようになってからかな、と思っていたので(笑)。まだ自分たちには早いんじゃないかっていう。 JUN でも、10周年という機会を逃したら、次は20周年まで出せないので。いい機会だなと。 ——クラウドファンディングで出すということに関してはどうですか? ALI& 普通の流通のリリースはあんまりやりたくなかったんですよ。SpotifyとかApple Musicを使えば、リスナーが勝手にベスト盤のプレイリストを作れるわけじゃないですか? だったら、今は音源だけ、CDだけで普通に出すのは面白くないな、と思ったんですよね。それで、クラウドファンディングの話が出てきた時に、「あ、これだったら、いろんなことができるね」って。うちらは最初の頃から、ジャケットとか、パッケージングに対してのこだわりが結構あるから。 ——そうですよね、最初からパッケージのデザインも自分たちで手掛けていて。今回のクラウドファンディングでも、デビュー前から交流のあるYOSHIROTTENがデザインしたTシャツとか、未発表曲やデモを収録したブートレグとか、こだわりを感じさせるプロダクトがたくさん用意されています。 ALI& クラウドファンディングだったら、音以外の部分での表現もしっかりと落とし込むことができるので。それがしっくり来たんです。 ——クラウドファンディングはそのシステム自体が、既存のファンに支えられてプロダクトを出す、という形ですよね。実際、今回のベスト・アルバムは誰に向けて作ったと自分たちでは捉えていますか? ALI& 最初から80KIDZを聴いてくれている人ももちろんいると思いますし、ここ1、2年で聴き始めた人もいると思うんですよ。それぞれ80KIDZの見方は若干違うと思うんですけど、どちらに対しても「もっと俺たちの深いところまで知ってほしい」っていう思いがありますね。 ——なるほど。 ALI& 初期からのファンに対しては、「俺たちはこういう感じで活動しているけど、ある意味、最初と変わらないよ?」っていうメッセージを届けたいですし。最近好きになってくれた人たちに対しては、「俺たちは昔はこういうことをやっていたけど、今、こういうことをやるのもイケてるでしょ?」っていうメッセージを届けたいです。 JUN 僕らが出てきた時に流行っていたエレクトロも、本当にアツかったのは3年間くらいで。それからダンス・ミュージックの流行も変わっていって、僕らの音も変わっています。だから、ある程度ファンも入れ替わっていると感じるんですよ。そこで、彼らにちゃんと80KIDZの10年間をまとめて、「僕らは一貫性を持って活動してきましたよ」っていうのを伝えたいと思っていますね。 ALI& うん、そうだね。 ——では、このインタビューでは、これまでの10年間、80KIDZがどのようなスタンスで活動して、どのような思いで作品を作ってきて、どんなふうに音楽シーンを見てきたか? ということを時系列で一年ずつ振り返らせてください。それによって、80KIDZの一貫した姿勢と、進化し続けている音楽性を、シーンとの距離感という観点から浮き彫りにしていければと考えています。

2008年

80KIDZが2008年にリリースした作品

『DISDRIVE EP』(2008.04.04) 『LIFE BEGINS AT EIGHTY』(2008.08.06)

▼80KIDZが選ぶ2008年を象徴する自分たちの楽曲

ALI&:Disdrive JUN:Life Begins at Eighty

▼80KIDZが選ぶ2008年を象徴する他のアーティストの楽曲

ALI&:MGMT / Kids JUN:MGMT / Kids
——デビューした2008年は、最初の12インチ・レコード『DISDRIVE EP』と、初CD作品でもあるEP『LIFE BEGINS AT EIGHTY』をリリースしていますよね。当時の改めて振り返ると、どのように感じますか? ALI& かっこいいですよね。当時は誰かの後について出ていったわけじゃなくて、完全に自分たちでこじ開けて出ていきましたから。今考えたら、本当によくやったなと思いますよ。 ——2008年頃には日本のクラブ・シーンにもエレクトロのDJが出てきていて、80KIDZとか、DEXPISTOLSとか、YATTとかがいました。でも、純然たるオリジナル曲をリリースしたのは80KIDZが初めて。まだ日本では何もないところに、80KIDZが先陣を切って飛び出していったという。 ALI& “DISDRIVE”を出した時に、世間での捉えられ方がちょっと変わったな、と感じたんですよね。それまでは、ただの3人組のDJユニットだったのが、ザワザワ感が出てきたような手応えがあって。その次に『LIFE BEGINS AT EIGHTY』を出したんですけど、売り上げがすごかったので、大人たちの見る目も変わったっていう。リアルな話をすると(笑)。 ——(笑)。『DISDRIVE EP』では現場レベルの反応が変わったという感覚があって、『LIFE BEGINS AT EIGHTY』ではそのザワザワ感がもっと広いところまで伝わっていった。 ALI& そうそう。 JUN 最初、“DISDRIVE”はMyspaceにアップしたんですよ。そこですごく評価されたから、一気に世界的に知られることになったんです。それがきっかけで海外のブログで紹介されて、日本でも逆輸入的に注目され始めた、っていう流れだったんですよね。 ——最初に発表した曲が、まだ正式リリース前なのに世界的にバズってしまったんですね。もちろん曲の強烈さが一番の理由だと思いますけど、ネット時代のはしりの現象だとも感じます。そういった意味では売れ方としても新しかった。 ALI& この年は海外からのリミックスのオファーもすごかったです。ブラック・キッズ(BLACK KIDS)とか、カザルス(CAZALS)とか。正直、この頃が一番勘違いしていましたね(笑)。海外がどうだとか。実際、英語で僕らのことを書いてくれている記事がたくさんあったんですよ。でも、まだ日本ではそこまで注目はされていなくて。だから、不思議な年だったと感じます。
——“DISDRIVE”を作った時のことって、今でも覚えていますか? ALI& なんか、絶対に自分のオリジナル曲を今日中に仕上げて、今日中にアップしようと思い立った日があったんですよ。それで作ったのが“DISDRIVE”で。アイデアとしては、ジャスティス(Justice)みたいに歪んでいるんだけど、もっとロー・テンポで、もっとエモくしたいと考えていて。リフの感じは日本人っぽいエモさを入れたいなと思っていましたね。 ——JUNくんは“DISDRIVE”を初めて聴いた時、どう感じました? JUN それまで作っていた曲と較べて、急にバッチバチなものが出てきたな、と思ったのを覚えてます。B’zみたいなギターが入ってたり、すごくドラマティックなピアノのブレイクがあったり、曲調がそれまでと全然違って。「すごいの上げてきたな!」と思ったから、僕も負けてられないってなりましたよね。 ALI& それでJUNくんが“Fuck Fox”を作ってきたり。いい感じの曲のキャッチボールができるようになりました。 ——JUNくんは、曲を作る時にどんなことを意識していたか、覚えています? JUN デビューする前に、80KIDZでブートレグのミックスCDを出していたんですけど、そのミックス担当は僕だったんですよ。それでAbletonの使い方を覚えたので、僕としては切り貼りで作る作業が多かったですね。小ネタを基にして、ベースを足していくみたいな。 ALI& で、僕の曲がビリビリしてるのに合わせて、ビリビリさせてくれたんでしょ(笑)。 JUN でも、あの頃は本当に手探りで。どうやったらビリビリするの? みたいな(笑)。めちゃくちゃ歪ませて、でも音がデカくなりすぎるからコンプレッサーをかけたりとか。 ALI& そうそう。 JUN 全然わかってなかったんですけど、それが結果的に面白い音になっていて。 ALI& エレクトロなんだけど、既存の曲とは違うものにしたいっていう気持ちはありましたね。実際、あそこまで歪ませている曲ってなかったじゃないですか。 ——海外ではジャスティスとかデジタリズムといったエレクトロの代表格がすでに出てきていたけど、そことは違うものを打ち出したいという意識は明確にあったと。 ALI& そう。当時、フランスにはジャスティスがいて、オーストラリアにはヴァン・シー(VAN SHE)とかのモジュラーがいたじゃないですか。僕らは日本だから、その間の面白いものを作ろうと考えていましたね。 JUN 僕としては、日本からも世界で評価されるアーティストが出てこないかな、自分たちがそうなれればいいな、っていうのは理想として持っていました。 ALI& 「まだ誰もやっていないからいけるんじゃないの?」みたいなね。 JUN この時って、アメリカからは誰か出てきていませんでしたっけ? ——当時はアメリカ発のエレクトロはほとんどなかったと思います。2人がこの年を象徴する曲として挙げてくれたMGMTはアメリカですけど、彼らはエレクトロではなくインディ・バンドですよね。ただ、この“Kids”はソウルワックスがリミックスしたこともあって、大クラブ・アンセムになりました。インディとエレクトロのクロスオーヴァーを象徴する曲と言ってもいいんじゃないでしょうか。 JUN 実際、この年を象徴する曲は、これ以外ないんじゃないですか? リフも強烈でしたし、ALI&くんもブートのリミックスを作ったりして。 MGMT - Kids (Video with Fire Intro)
——改めて振り返ると、2008年は世界的に見て大きく変わった年なんだと思いますね。MGMTとかヴァンパイア・ウィークエンド(Vampire Weekend)みたいな新世代のインディ・バンドが台頭してきたのもこの年ですし、のちの女性ポップ・アイコンの時代の先駆けとなるレディー・ガガ(Lady Gaga)がデビュー・アルバムをリリースしたのもこの年。で、カニエ・ウェスト(Kanye West)が『808’s&ハートブレイク』を発表したのも2008年です。カニエが同作で打ち出した内省的なR&Bは、ドレイク(Drake)やザ・ウィークエンド(The Weeknd)が出てくるための下地を作ったとも言える。つまり、2008年は2010年代に向けての種が蒔かれた年であり、世代交代が起こった年でもある。で、日本における世代交代の象徴が80KIDZだったんだな、と改めて思いました。 ALI& 確かに、この年を機会に、世界中で方向性が変わったんでしょうね。後から見るとわかりますけど。 JUN 僕らもタイミングがよかったんですね、そういう意味では。

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【インタビュー】BIM『The Beam』|「等身大の自分をなるべく出したかった」

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BIM
THE OTOGIBANASHI’SCreativeDrugStore(以下、CDS)のBIMが1stアルバム『The Beam』を7月25日(水)にリリースする。 SpotifyやAWAなどの各サブスクでは、MVが去年の12月にパリで撮影され、自身が着用したCDSとREEBOK CLASSICのコラボウェアが大きな話題となった“Bonita”をはじめ、“BUDDY feat. PUNPEE”、“Tissue”の3曲が先行配信された。 また、7月7日(土)に代官山UNITで開催された『The Beam』初披露会では、チケットが即完売となるほどの大きな盛り上がりを見せた。 BIM - Bonita
BIM - Tissue
どこか煮え切らない自分がいると気づき、ソロ活動を本格的に始動したというBIM。今回、1stアルバム『The Beam』についての話や、BIM自身がこのアルバムで何を表現したかったのかなどを聞いた。

Interview:BIM

BIM ——本格的にソロアルバムを作ろうと思った経緯を教えてください。 CDSのメンバーがそれぞれ自分の本当の趣味を追求したい時期、VaVaくんがソロ出したりとかがあって。それでも最初、自分はソロをやることを考えていなかったんです。オトギ(THE OTOGIBANASHI’S)が大事だから、そこをどうするかってことばかり考えてました。 けど、今やっても予想の範囲内でのオトギにしかならないって思いました。自分個人としての力を知らないから。どこまで自分が評価されるかよりも、自分のことをどれだけ自分で納得できるかってことを分かっていないからかなって。オトギなら計画的にアルバムを作ることができたのかもしれないけど、今は自分の未知数なところを探りたいなって思ったんです。 俺とin-dとパル(PalBedStock)、それぞれみんなの力でものができるってならないと、次のオトギも面白くないし、俺自身もワクワクしないなって。あとはSUMMITの後押しや、同世代でもの作ってる友達がソロ聴きたいって言ってくれたりして。じゃあソロやってみようかなってなりましたね。それまでにビート提供とかはしていたんですけど、個人で動くことをやったことなかったから、ひとりで動くことにすごいワクワクできたのかもしれないです。 ——制作期間は、どのくらいだったのですか? “Orange Sherbet”はアルバムに入れるつもりで作ったわけじゃないから、それを抜いたら1年3ヶ月くらい。俺、スピード遅いんでケツ叩いてもらってやるのも面白いかなって。本当は去年中に出そうとしてたんです。けど、やり始めちゃうと凝っちゃって、じっくり作ろうってなって今に至った感じですね。 それでも、もっと早く上がる予定だったんです。リリースが遅れたことで、いろんな人に迷惑かけちゃったんですけど、さっき話したソロの意味もあって、今回は自分が納得する方を優先したいなと思ったんです。アルバムは今日の朝3時くらいにやっと終わって、今納品しに行ってる感じですね BIM ——THE OTOGIBANASHI’Sの1stと2ndはコンセプトがはっきりしているように感じたのですが、今回の1stアルバム『The Beam』にコンセプトはあるのですか? アルバムのはっきりとしたコンセプトがないんですよ。ファンタジーを描きたいわけではなくて。ファンタジーを描くことより、自分のことや、普段思ってること、周りのこととか。大きく言ったら世の中のこと。それをどうやって気持ちよくライムするかってことを考えました。ひとつの物語を作ろうってことじゃなくて、いろんな曲をアルバムにしたら言いたいことや、やりたいことはこういう感じ。ひとつの個展みたいな。いろんな作品があって、個展のために作ったわけじゃないけど、ひとつの枠にしたら、BIMっていうラッパーがどんなやつなのかが分かるようなアルバムにしたいと思ってたんです。 オトギでやるときは、最初に枠組を考えるとこからスタートしてた感じなんですが、そうじゃなくて自分はどういうやつなのかっていうのを自分自身も分かりたいっていうのがあった。それで一個一個答えを探して作っていった感じですね。 「The Beam」ってタイトルも、俺がラップをin-dとかと始めた頃につけた名前がBEAMだったからで。ラップやってたって言っても、世の中に一曲も残ってないですけどね。BEAMがBIMに変形していった感じなので、アルバムのタイトルにもそんな意味はないですね。さすがにBIMってタイトルだときついので(笑)。 ——なるほど。『The Beam』のジャケットにはBIMくんが4人写っているのが印象的ですが、これには何か意味とか込めているのですか? BIM ジャケは俺のいろんなとこって意味なんです。カッコつけちゃうときもあったり、地元の友だちといるときの寝癖で出ていけるときとか、全部ひっくるめて自分は自分だなっていうとこがあって。この4人はちょっとずつ表情が違くて、キャラ設定も自分の中であるんですけど、その4人がいて全部自分だよっていう。それと自分との対話。場所は実家の外で。 オトギの1st『TOY BOX』のジャケが実家のリビングなんですよ。オトギの1stは実家の中で、自分の1stは実家の外。“Bonita”でも言ってるけど、「等身大が1番難しい」っていうところに、自分は今回のアルバムを作る上で大事だったかもしれないです。カッコつけちゃう自分も、普段のダサイ自分も自分だしってとこで。モラトリアム期っていう子供と大人の間。みんなは就職するとき、そうなってるのかもしれないから遅いんですけど、俺はラッパーとしてソロでやることが、それの一歩になるのかなって。 だから、等身大の自分をなるべく出したかった。すごいセットでジャケを撮るよりも、友達に衣装やってもらったり、友達がやってるブランドの服着たりとか。そういうので、このジャケになりました。 ——『The Beam』のビートメイカーに日本問わず、海外からも豪華なメンツが揃っていますが、提供してもらう理由みたいのはあったのですか?また、唯一の客演にPUNPEEさんを招いた経緯を教えてください。 海外勢は俺も知らなかった人とかもいたけど、SUMMITのRenくんが連絡とってくれたりして、ビートをもらった感じですね。客演に関して、最初はなしにしよう思ってたんですけど、自分のソロ出すときには、やっぱりPUNPEEくんには入ってほしいなって思ってオファーしました。 BIM ——THE OTOGIBANASHI’Sの1stアルバム『TOY BOX』の発表から5年が経ちましたが、当時の頃と比べて、なにか変化があったりしましたか? 服装とかは昔から変わってるんですけど、音楽に対しての熱量はオトギの1stから変わってないかもしれないです。服は俺の中でそんなに最重要な項目じゃないけど、音楽はダントツで自分の人生に影響を与えたものだから。音楽に対しての熱量は変わってないけど、自分ってどんな音楽が好きなのかってことが精査されたのはあるかもしれないです。 オトギの1stと2ndの間の時間や、ライブだけやってる期間に、本当にそれが好きなのかってことを追求できる時間があったので。そういうときに俺ってどういうものが好きで、どういうものが得意なのかなって考えたりしました。成長って言ったらあれですけど、音楽活動をする上で変化はあったかもしれないです。 ——BIMくんは自分のライフスタイルの中で、どんなときに音楽作りをしているのですか? 仕事の時間とか考えてないかもしれないです。全然良くないことなんですけど、やりたくなかったら納期近くてもやらないし、思いつかなかったらダメってとこがあるから。常にラップを書いたり音楽作ることは頭の中にあるけど、なるべく無理して作らないようにしてますね。やらされてるわけでもないから、やりたくなかったらやらなくて良いし、やりたいって思ったタイミングでやってる感じですね。俺の場合そういう風にしないと作れない。納期がカツカツだとできなくないけど、自分の中で100%納得いくものが出せるのかが自分の中で分からない。何時から何時までラップ書いてるとかは、大まかには決めてるけど、今日無理ってなったら酒飲む感じですかね。 BIM さすがにアルバム納期ギリギリの時期は、こもってやりました。普段、音楽をやってるときは仕事やってるって感じでやってるときはないですね。 今回のアルバムは全部、自分の部屋で録ったんですよ。ミックスは坪井さん(The Anticipation Illicit Tsuboi)に頼んだんですが。 アルバム作ってるときは都内に出るのが億劫でしたね。時間がもったいねえって。よく考えたら、飲んでないときと都内に出る以外は、だいたい歌詞書くか、ビート作ったりしてるかもしれない(笑)。 BIM

Text & Photo by Toru Miyamoto

RELEASE INFORMATION

The Beam

[amazonjs asin="B07D15CZN2" locale="JP" title="The Beam"] 2018.07.25(水) BIM Label:SUMMIT, Inc. No.:SMMT-111/XQMV-1012 Price:¥2,500 + tax
Tracklist 1. Power On(Produced by BIM) 2. Bonita(Produced by VaVa) 3. BUDDY feat. PUNPEE(Produced by Rascal) 4. サンビーム(Produced by Astronote) 5. Orange Sharbet(Produced by BIM & VaVa) 6. Tissue(Produced by JJJ) 7. Beverly Hills(Produced by OMSB) 8. Starlight Travel(Produced by Rascal) 9. D.U.D.E.(Produced by Astronote) 10. TV Fuzz(Produced by BIM) 11. Red Apple(Produced by BIM) 12. Bath Roman(Produced by BIM) 13. BLUE CITY(Produced by BIM) 14. Magical Resort(Produced by BIM) 15. Power Off(Produced by VaVa) 16. Link Up -Bonus Track-(Produced by Lanre)
詳細はこちら
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【フェスファッション】夏フェスに持っていきたいアイテムを紹介!Tempalay 、MONO NO AWARE、踊Foot Worksによるファッションコーデも。

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2018年7月27日(金)、28日(土)、29日(日)新潟県湯沢町苗場スキー場にて開催される<FUJI ROCK FESTIVAL’18(以下、フジロック)>の全出演者とタイムテーブルも発表され、いよいよ本格的なフェスシーズンを迎えようとしていますね! <フジロック>の後は、<SUMMER SONIC(サマソニ)>や、<ROCK IN JAPAN FESTIVAL(ロッキン)>などフェスが目白押し。 普段通り行くのも良いけれどより楽しむために、フェスにあったら便利なアイテム、知りたくないですか? 今回<フジロック>を始めとする夏フェスにぜひ持っていきたいアイテムの紹介と昨年の<フジロック>に出演したTempalayMONO NO AWARE踊Foot Worksの3組のフェスファッションのコーディネートを紹介します! 3組のアーティストには、フェスファッションに関するアンケートも実施。 これからのフェスシーズンに要チェックです!

フェスに欠かせないおすすめのフェスアイテムを紹介!

フェスに欠かせないリュック、パスケース、防水アイテム、フェスTシャツから持っていると便利なアイテムを紹介! 機能性だけでなく、デザインにもこだわりのあるアイテムも目白押し! お洒落にもこだわりたい人にもおすすめです!

大容量のバックパック

Columbia Stuart Cone 30L Backpack

アウトドアシーンに適したバックパック。背面パッドのおかげで長時間背負っても快適な使用感になっています! 出し入れもしやすくなっているのでアウトドアシーンに活躍すること間違いなし!

CHMS Packable Day Pack

軽量で撥水性に優れている持ち運びに便利なデイパック。使わない場合には画像のように巾着に収納できるので、持ち運びに便利! 手のひらサイズに収まるのも嬉しいですよね!

あると便利なマルチパスケース

フジロック×GAN-BAN マルチパスケース(CHUMS製)

毎年大人気の「フジロック×GAN-BAN マルチパスケース(CHUMS製)」がiphone Plusに対応し、サイズアップしてリニューアル! 今年の新色はブルー。Zカード(来場者全員に配られるタイムテーブル)が収納でき<フジロック>仕様になっているのもポイント! もちろん他フェスにも対応しています!

HOLD TUBE A-FIELD

肩にかけておけばなにかと便利なショルダーバック。ファスナーで小分けできる収納部とiPhone 8 Plus 対応のタッチパネルポケットがあるので、スマホの操作にも困りません!

急な雨でも安心!防水グッズ

FUJI ROCK FESTIVAL GONCHAN×GAN-BAN PONCHO(kiu製)

<フジロック>の会場でもよく見られるゴンチャンがポケッタブルポンチョで登場! 裏面にポリウレタンコーティング加工や止水ファスナー、縫い目にシムテープ処理を施され防水効果が格段に向上。急な雨風などにも対応できますよ! 大きめのポケットもあるので、細かい財布やスマホも持ち運べます! こちらもコンパクトに収納できるので、使わないときはバックに収納しておけますよ!

Columbia ポーラーパイオニアショートスリーブシャツ

速乾性に加え汗と反応することで冷却効果を発揮する機能性に優れたシャツです。フェスの熱気の中でも涼しい着心地が続きます!

GRAMICCI × BEAMS/別注オールコンディション ショーツ 18SS

GRAMICCIとBEAMSによる水陸両用のショーツ。『ガゼットクロッチ』と呼ばれる180度の開脚が可能で、とても動きやすいです! フェスに限らずあらゆるシーンで使えるのも魅力!

Columbia Rock ’N Trainer Lo Outdry

野外フェスのためのスニーカーといっても過言ではない、防水性能に秀でたフェススニーカー。トレイルランニングのテクノロジーにより、長時間の歩行も快適に。また靴表面は水をシャットアウトしてくれるので、雨が降っても蒸れることなく過ごせますよ!

今話題のアーティストによるフジロックTシャツ

FUJI ROCK FESTIVAL'18×BEAMS

<フジロック>とBEAMSのコラボTシャツが今年も登場! 今をときめくアーティストによるデザインにも注目! 今年の<フジロック>はお洒落にも気を使ってこのTシャツを着て参加しましょう!
verdy DDLN Tシャツ
東京を拠点にバンドやファッション界隈を中心としたシーンで、 アイコニックなイラストやアートワークを提供する気鋭のグラフィックデザイナーverdyによるデザイン。自然と共存する<フジロック>ならではのデザインになっています! 左は、ミュージシャンへデザインの提供をしたり、音楽イベントのプロデュースなどもしているイラストレーターのYUGO.によるデザイン。黄色のアクセントがいいですね! 右は、フリーランスのイラストレーターとして幅広く活躍している金安亮によるデザイン。シンプルですが、<フジロック>らしさがこのシンプルなデザインに閉じ込められています。

フェスをより快適に!あると便利なアイテム

instaxSQ10×CHUMSスペシャルセット

チャムスのロゴでカスタマイズされたスペシャル仕様のチェキスクエア(instax SQUARE SQ10)が限定登場! オレンジとブルーの配色がお洒落で爽やかですよね。フェスのひと時を写真に収めてみてはいかがでしょう?

CHUMS Folding Chair Booby Foot

アウトドアには欠かせない折り畳み式のチェア。重さはなんと約1kgと軽量になっているため、持ち運びが苦になりません! 組み立てが簡単なので、必要な時にすぐ出せるのも便利です!

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<フジロック>に初出場のAwesome City Clubが感じる夏フェスでの熱い瞬間とは?

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この夏、ZIMAから“熱い”時間を過ごす夏フェスで、汗をかき、カラカラになった若者たちを次のステージに送り出すために、主要のミュージックフェス<FUJI ROCK FESTIVAL>、<ROCK IN JAPAN>、<SUMMER SONIC>、それぞれに因んだZIMAオリジナルカクテル『3大レモンZIMAフェスカクテル』が各フェス会場に登場。 そこで今回、夏フェス出演アーティストによるインタビュー・シリーズが始動。第一回目は、今年の<フジロック・フェスティバル(以下、フジロック)>に初出場し、7月29日のレッド・マーキーのステージに立つ5人組Awesome City Clubです。 音楽性的にはシティ・ポップとしてカテゴライズされることが多いAwesome City Club(以下:ACC)ですが、そのライブは作品の洗練さやスタイリッシュさ、アーバン性とは裏腹に、グルーヴィーでフィジカル。躍動的でもあり、時には熱狂をはらんでいたり………。 そんな彼らに「熱い瞬間」をテーマに、フェスでの熱い瞬間から<フジロック>出演への想いをインタビュー。そして、一昨年<フジロック>で初お目見え。熱く火照った身体をリフレッシュしてくれる「ZIMA SALTY LEMON(ジーマ ソルティレモン)」を片手に、ベース/シンセサイザー/ラップのマツザカタクミと、ボーカル/シンセサイザーのPORINがそれぞれ、様々な「熱い瞬間(とき)」を語ってくれました。

INTERVIEW:Awesome City Club(マツザカタクミ、PORIN)

PORIN「不思議とフェスだと、他人の汗が自分とくっついても気にならない。あれこそフェスマジックの一つ」

――今回のテーマは、「熱い瞬間」なのですが、まずはお2人がフェス等で、「これは熱いな…」と思えるキーワードを教えて下さい。 マツザカ 僕は「湿気」です。 ――フェスの解放感や爽快感とは逆のイメージなワードですが……。 マツザカ ある意味、自分の中では「熱さ」=「湿気」だったりするんです。フェスに限らず、自分がライブを観に行った時って、匂いやその時の湿気みたいなものが記憶に残っていることが多くて。それこそ<フジロック>に初めて行った時の雨の降っている時のレッド・マーキーとか。あの湿気は特に印象深いですね。 ――それはどのような状況だったんですか?  マツザカ なんかお客さんの汗や会場の熱気とかが合わさって異常な熱帯で。そんな熱の交歓の場でした。 ――では、フェスとは言っても比較的、密閉されている会場のイメージが?  マツザカ それこそまさにレッド・マーキーのイメージです。夏の生ぬるい風が漂っているあの感じ……。ああいった半密閉的な空間だと熱も凄く伝わってきますからね。 ――変わってPORINさんの方は?  PORIN 私は「汗」ですね。一般的に他人の汗って、触れると不快じゃないですか。だけどフェスだとそれが許される。自分たちも夏フェスのステージだと、いつも以上に汗をかくし、お客さんもみなさん普段以上に汗をかいてくれますからね。よくよく考えると、あれって非日常的だなって。フェスの瞬間だけ許される、あの背徳感がたまらないです(笑)。 ――確かに満員電車での他人の汗はイヤですが、野外フェスやライブではくっついても不快には感じません。 マツザカ もう街中では不快なだけですから。「くっつくなよ!」って(笑)。 PORIN でも不思議とフェスだと、逆にそれがいい演出になったり。それこそあれはフェスマジックの一つです。 ――ちなみに、観者として「フェスで楽しみにしている熱い瞬間」となると何でしょう? マツザカ また<フジロック>でのレッド・マーキーの話になりますが、僕、あの会場で過去に素敵なライブを何度も観てきて。そのステージに今度は自分が立って、そこからの眺めや湿気を感じれる。それを思い浮かべると凄く熱くなりますね。実は2014年の<フジロック>にお客さんで観に行った際に、感動して作った曲もあったりするんです。当日はたぶんその曲も演るでしょうから、その曲で集まってくれたお客さんと一つになりたいですね。 ――PORINさんは?  PORIN 自分たちがステージに出ていく瞬間が一番グッときますね。これまでも自分たちのいいライブの時は、登場の際のお客さんからの“待ってました感”が凄い時が多くて。登場した瞬間に、その期待値の大きさの空気や熱を感じられたんです。 ――登場時の期待値が高ければ高いほどライブで良いスタートが切れると? PORIN それもあり、登場シーンはけっこう大事だったりもします。 ――では、歓声度合でスロースターターになる時も……? PORIN それはありませんが、そこまでハイテンションからのスタートではなくなるかも。平常心で始まりつつも徐々にテンションを上げて……。最後は完全に自分たちの世界観へ惹き込んでいきます。 マツザカ それ凄く分かる。でも僕の場合は逆にプレイ中にチルな曲に差し掛かった際のやや空気が変わる、その時の、例えば、「いい風が吹いてきたな……」とか、「ああ、みんなこんな表情で楽しんでくれてたんだ……」みたいな、改めてふとしたことに気づく瞬間が好きで。いわゆる、一度流れが止まった瞬間に、はっと冷静に戻って、「ああ今、大きなステージで演れてるんだな……」とか、「お客さんの向こうに広がる景色ってこんなにきれいだったんだ……」等が実感できる瞬間。あれが大好きなんですよね。 ――これまで入れ込んでいたり、プレイに熱中していたものが、ふと客観的になれる瞬間が訪れ、それを機に何かに気づくタイミングってありますもんね。 マツザカ まさにそんな感じです。それが場面が変わる瞬間に感じられることがあって。例えば、アッパーな曲が続いた後のミッドな曲に移った際とか。あの、自分も多少落ち着いてやれている時の景色の味わい、あれは格別です。
Awesome City Clubのマツザカタクミ、PORINのお2人に夏フェスでの熱い瞬間をお聞きしたところ、意外な返答が返ってきましたね。ZIMAのHPではさらに「ZIMA SALTY LEMON」の魅力について語ってくれています。続きが気になる方はZIMAのHPをチェック! 続きはZIMA.JPで!

text&interview by 池田スカオ和宏 photo by 大石隼土

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インタビュー|ミツメとフジロックを振り返る。ルーキー・ア・ゴーゴー出演から、5年を経てメインステージへ

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いわゆる東京インディーと呼ばれるシーンの中に存在しつつ、ポップなのにどこか異物感の残る独自の音楽性でマイペースに進んで来たミツメ。昨年の冬には曲の構成がこれまでになく親しみやすく、分かりやすくサビのある歌モノとして“エスパー”がスマッシュヒット。サブスクリプションのプレイリストにも頻繁にピックアップされるようになった。 ミツメ - エスパー
8月1日(水)にはミツメ流のサマーソング『セダン』をリリースするが、今夏の話題は何と言っても2013年の<ROOKIE A GO-GO(以下、ルーキー)>出演以来となる、メインステージへの出演決定が、さらに多くのリスナーに彼らの音楽と存在を認知させるタイミングになりそうだ。そこで、メンバーにとっての<フジロック>での経験や、2013年からの5年間、さらにはラインナップから俯瞰する今年の<フジロック>の方向性まで、様々な角度で話してもらった。

Interview:ミツメ

——バンドによっては結成時の目標が「<フジロック>に出ること」というバンドもいるじゃないですか。ミツメが2013年にレッドマーキーに出演した時はいかがでしたか? 須田洋次郎(以下、須田) 結成当初は出たいって話はよく出てて、<ルーキー>に出られた時の嬉しかった記憶ははっきりありますね。 ——ちなみに2013年のアクトで印象に残っているものは? 須田 ザ・キュアー(The Cure)が出てて。3時間ぐらいやってたのかな? 僕は最前に近い位置で半泣きで見てました(笑)。ザ・キュアーとタワー・オブ・パワー(Tower of Power)がすごく思い出に残ってるかな。 Tower of Power - Squib Cakes - In Concert
——それが初<フジロック>ですか? 須田 初めて行ったのは学生の頃ですね大学の頃、同じバンドサークルだったので一緒に行ったりもしていました。 ——大学生の頃の強力な記憶はありますか? 川辺素(以下、川辺) アトムス・フォー・ピース (Atoms For Peace)。トム・ヨーク(Thom Yorke)の弾き語りがめっちゃよかった。 須田 あれはかっこよかったな。その頃は1日を狙いすましてみんなで「どの日にしよう」って決めて、日帰りでパーって帰ってくる感じでした。 nakayaan その年か忘れちゃったけど、モグワイ(Mogwai)もフィールド・オヴ・ヘブンで雨が降ってる中、気を失いそうになって見ていたのを思い出します。 Mogwai - 2006/08/04 - 02 - Glasgow Mega-Snake (Haldern Pop Festival)
——結構以前から行ってるんですね。 須田 10年前ぐらいから。ホワイトステージのベル・アンド・セバスチャン (Belle and Sebastian)とかほんとによかったなぁ。 Belle & Sebastian - The Boy with the Arab Strap live COACHELLA
——ミツメになってからはどういう場所になりましたか。 川辺 <ルーキー>に出てからはそんなに行てなかったのかな? 去年は行ったんですけど。 須田 しばらく夏は夏でなんだかんだ入っちゃったりとか。 川辺 レコーディングするとか自分たちのライブがあるとか、なかなか行けなかったんですよ。やっぱ1日行くだけでも次の日、もうヘトヘトで無理みたいな感じになっちゃうから(苦笑)、それを考えると「行けねえ……」みたいな感じになってた。 須田 <フジロック>も<SUMMER SONIC>も「この日行きたいな」って日は毎年あるんですけど、でも半分行けないのもわかってるから、深く見ないようにしてる部分もあって(笑)。 ——なるほど。ちなみに2013年の<ルーキー>出演後につながりができたバンドは国内外問わずいますか? 川辺 Homecomingsは<ルーキー>で初めて会ったよね。 須田 同じ年の同じ日に出たんですよ。出演順が前後で。それでそこで話すようになって。森は生きているも水中図鑑も未だに近かったり、繋がりがあったりするというか。 nakayaan Homecomingはその時、メンバーみんなミツメのTシャツ買ってくれて(笑)。 須田 たまたまその日は、近いアーティスト、界隈というか、音楽性だったので話もあったし、お互い深夜ライブ見て、「お疲れ」っていう感じは、その日に関してはありましたね。 Homecomings "PERFECT SOUNDS FOREVER"(Official Music Video)
——2013年の<フジロック>で体感したことで、例えばより海外に行って見たいとか感じたことはありますか? 川辺 インドネシア行ったのって2013年? 須田 3月なので、<ルーキー>出演はそのあとですね。 川辺 結構前から「海外行きたいね」って話とかはしてて。 須田 それこそ<フジロック>で海外のアーティスト見て、大学生の頃に強いインパクトを受けてたので、そこからの流れっていうのはあるかもしれないですけど、「海外でライブやってみたい」っていうのは。でもその2013年に関しては多分、自分たちがライブやったってことの部分以外は、たくさん3日間ライブが見れたっていう(笑)、大学生の頃とあまり変わらないような、楽しみ方をしてたと思います。 ——では<フジロック>があったからこそ出会ったアーティストや音楽はありますか? 川辺 無くなっちゃったけど、オレンジコートのワールドな感じがすごいよかったんだけどな。欧米じゃない感じのバンドが出ていて、あそこは不思議でしたね。 須田 大好きだったな。タワー・オブ・パワーもオレンジコートだったし。あの時のライブは本当に良かったんですよね。 ——逆に苦い思い出は? 須田 大雨ですね。何年だか覚えてないけど、本当に一日狙って行った日が3日間雨の中でも一番の大雨みたいな日があって、その時は大変でしたね。 川辺 温泉に入るときに関節が痛い! みたいな。冷えすぎてて。一日で泊まりは無しで日帰りだったんで厳しかったですね。 須田 車で。何人かで車2台ぐらいで一緒に行って。 ——若いですね(笑)。 須田 もう今はできないですね(苦笑)。本当に白目剥きながら走ってましたからね、帰り。サービスエリアごとに停まって、運転交代してみたいなのをやって。 ——2013年の<ルーキー>以降の5年間はみなさんにとってどういう5年間でしたか? 川辺 5年間……(当時は)ライブを初めてまだそんなに時間が経ってなかったんです。まだ始めて3年とかで。そこからするとだいぶライブをたくさんやったんで、レッドマーキーでできるぐらいになったのかなって(笑)。 ——じゃあ「5年もかかった」みたいな感じではなく? 須田 気づけば5年なんです。<ルーキー>の次の年って、出演権獲得の企画があるじゃないですか? その時ももちろん出たかったけど叶わなくて。その年以降は毎年「出れたらいいな」と思いつつ。同時に自分たちの制作もあるし、ライブもあるしツアーもあるしで、やることを続けてて気づいたら5年経ってて(笑)。だから5年というより、今年お誘いがきて「ああよかった。やっと出れるな」っていうのはあったけど、「<ルーキー>って何年前だっけ?」って会話になった時、意外とみんなはっきり認識してないというか、「3年だっけ? 4年だっけ? ああ、もう5年か」っていう感じの会話だったですね。 ——2014年、2015年は東京インディーというムーブメントが来て、ミツメと同時期や後から出て来たバンドも活躍し始めたと思うんですが、その間、ミツメらしさが一番深まったのはどの辺りの時期なんですか? 川辺 別に変わんない、スタンスは全然変わんないです(笑)。 ——(笑)。そのスタンスの変わらなさがすごいなと思っていて。でも音楽はちょっとずつ変わっていくじゃないですか。いい意味で自分のためにやってるというか、バンドがやりたいことにちゃんと向かってるんだなというか。 須田 そうですね。始めた時から自分たちにとって新鮮だと感じられる演奏やアレンジをしたいなというのが共通認識としてはあったので。だから自分たちにとって新鮮な音楽だとか活動内容っていうのはなんだろう? っていうのを続けていくっていうスタンスが変わらなかったから、結果、音楽が変わっていったりとか、ライブのツアーで行く場所が海外でちょっと新しいところに行ってとか、そういうのが増えて行って、結果として幅が5年経って広がることができたのかなと思います。 ——最近アジアのリスナーが多くて、日本より動員が良かったりするという話も聞きます。 川辺 中国とか日本のインディー音楽に関して興味持ってくれてる人が結構いるなっていうのはあります。 須田 日本の文化に対して興味を持ってくれてる若い子の一定層が、今まで行ったアジアの国だとどの国でもあるなっていうのは感じますね。今振り返るとインドネシアが一番驚きでしたけど、最初だし、インドネシアにそういうのがあるって全く予想してなかったので。そこから台湾とか、タイとか行くとどこでもあって、このあいだも上海で初めて自分たちのワンマンツアーの中でワンマンライブをして、そしたら東京と同じぐらい人が集まってくれて。自分たちに対しての評価だけじゃないのかなとは思います。日本の音楽シーンとか文化に対して、憧れるというかリスペクトしてくれてる文化が脈々とあったからこそ、自分たちが行った時にその中で受け入れてもらえたのかなと思います。 ——面白いですね。お聞きしていると、この5年、バンド内部では悶々とした時期はなかったんですね。 川辺 お客さんが増えてくれたらいいなみたいな気持ちは常にあるんです。爆発的に行かないところは「どうしたらいいもんかね?」みたいなのはずっと話してはいるんですけど、それ以外に関しては内容的な部分では悶々としたりする部分は少なかったですね。 ——逆に海外で人が増えてるんだと考えれば、自分たちを変える必要はないですね。 川辺 そうですね。いろんな要素が組み合わさって「見に行こう」っていう人が増えるのかな? と。いろんなことして頑張れればいいのかな、と(笑)。 ——ところで明らかに『A Long Day』とシングル『エスパー』以降、周りの雰囲気も変わって来たんじゃないかと思うんですが。 川辺 そうですね。それより前は宅録の延長でやってる部分も多かったんですけど、『A Long Day』が演奏することががっちりして来たのもあるんで、ライブで見てもらった時も、前よりちょっと迫力が出るようになったのかな? みたいのはあって。ライブでいうと『A Long Day』以降、ちょっと変わったかなと思いますね。 ミツメ - あこがれ
——『エスパー』はアー写が個人的には新鮮だったんですが(笑)。 一同 (笑)。 川辺 いわゆるかつてのブラー(Blur)とかオアシス(Oasis)のこと面白がってて。なんとなくそのイメージがあって、それっぽいのを撮ってみたりして。でもそのまんまは面白くないなって、やっていくうちにああいうのができて、「面白いね」ってなりました。 須田 質感がわけ分かんない感じ(笑)。 ——あのアー写のインパクトと曲のキャッチーさがあって、加えてタイミング的にはサブスクリプションのプレイリストによく上がるようになって。 川辺 そうですね。Spotifyとかバナーに登場して、あのアー写でバナーが出て来て「なんだこれ?」っていう(笑)。それは強いなと思ってるんです。異物感みたいなところっていうのは一貫して4人で面白がって来たところではあったので、毎回そういうのができるといいなとは思ってるんですけど、前回のアー写は特にそれが強かったかもしれないです。 ——確かに。ミツメって聴いてるぶんには異物感は本当に微妙で。すごくその異物感が好きな人しかわかんなかったりするじゃないですか。 川辺 そうかも知れないですね。だからライブとなるとどうしようか? みたいな感じになるので、盛り上がるところはすごく激しくしてみたりとか。だからそういう部分で見に来たいと思ってくれる人が増えたらいいのかな? みたいな話はしてるので。ライブは違ってもうちょっと骨太だったりとか、そういうところはもうちょっと練習したりしてます(笑)。 ——ミツメの出演する初日は以前ミツメのライブで共演したマック・デマルコ(Mac DeMarco)がレッドマーキーのトリですね。 須田 また一緒に(笑)。 ——なんかフワ〜ッて出て来てくれないですかね(笑)。 須田 いやー? (笑)。 Mac DeMarco - "Still Together" - Pitchfork Music Festival 2013
——この日のレッドマーキーの流れはなかなかいいですね。 須田 そうですね。チューン・ヤーズ(Tune-Yards)とか今どういう感じなんだろうとか、気になりますね。 ——ちなみにニューシングルの『セダン』はもうライブでやってるんですか? 川辺 やってます。 須田 翌週に発売なんで。 ——あらゆる人にとっての夏のギターリフって感じがするんです。 一同 ははは。 ——“エスパー”ともまた全然違っていて。 川辺 そうですね。“エスパー”より全然前にできて。去年のライブでもやってたんですけど、構造がはっきりしてる曲で、Aメロ、Bメロ、サビとCメロ的なものもあるし。あんまりそういう曲やってこなかったんで、アレンジをどういう風にしたらいいかね? って話で、二転三転ありまして。 ——以前からそうですけど、ミツメの曲って静かな場所で聴かないと全体像が分からないぐらい、圧がないじゃないですか。 川辺 圧ないですね(笑)。 ——だから音源はすごく静かなところで聴きたいんですよ。だからライブでどう変わるのかすごい楽しみです。 川辺 ありがとうございます。 須田 ライブはそういうのを考えながらやって来てるので、出し切るというか、集大成のようにできればなと思います。音数が少ないだけに苦労するところもありますけど、いざ演奏しようとすると音数少なく縦を合わせるってなかなか難しいことなので。 ——こういういかにもライブとかでアッパーになることが想像できない曲ほど楽しみなんですよ(笑)。 川辺 それを「ライブでどう伝えられるか?」をいつも考えてるところではありますね。どうしてもエクストリームになりがちというか、歪ませてドーン! てインパクトを出す方が楽なんで。そうならないようにどうしたら雰囲気とか質感を伝えられるかなというのは課題ではありますね。最近だんだんね? ちょっとずつそういうゆったりした曲を演奏できるようになってきた感じなので、ライブで見てもらえると嬉しいですね。 ミツメ - セダン
——それこそマック・デマルコは歌がいい、楽器の音がいいので聴けるじゃないですか? 派手な音じゃなくても。 川辺 そうですね。どこか極まってる人っていうのはやってるのを自然に見てるだけで惹きつけられるものがある、その域で演奏できたらいいなと思いますね。初期衝動に頼らない感じで(笑)。 ——ところで今年、絶対見たいアクトはありますか? 川辺 ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)でしょ。 須田 アンダーソン・パック(Anderson .Paak)川辺 俺ね、リキッドに見に行きました、深夜に。でもグリーンステージでやるんだと思ってびっくりしました。 nakayaan ドラムめちゃくちゃうまいからね、あの人。 大竹雅生(以下、大竹) 『NPR Music Tiny Desk Concerts』のやつすごい見てる。 Anderson .Paak & The Free Nationals: NPR Music Tiny Desk Concert
川辺 サカナクションは見たことないから見たいな。 nakayaan 同じ日にマーク・リボー(Marc Ribot)のバンド(※)も出るので、それは絶対見たいですね。本当かっこいいので。 ※セラミック・ドッグ(CERAMIC DOG) ——後、ボブ・ディラン(Bob Dylan)の時、他のアクトは止まるそうです。 須田 その時間、被りがないんだ? (笑)。ボブ・ディラン好きなので楽しみですけど。 Bob Dylan Hurricane Live 1975
——でも行ってみて気分で考える感じですか? 川辺 行くと、見たいと思ってたやつ疲れて「もういいっす」みたいな。去年、絶対LCDサウンドシステム(LCD Soundsystem)見たいと思ったけどもうホワイトステージまで行けないと思って、結局エイフェックス・ツイン(Aphex Twin)見て終わるという(笑)。 ——(笑)。今年の<フジロック>のラインナップを俯瞰してどんな印象がありますか? 川辺 ちょっと前とかって何度か<フジロック>に出てた印象がある人がまたヘッドライナーだなと思ったりした気がするんですけど、今年とかそういう感じしないですね。 須田 うん。エヌ・イー・アール・ディー(N.E.R.D)とケンドリック・ラマーが3つのうちの2つを占めてるっていうのはすごく象徴的なラインナップだなと思いますけど。ある意味、何年かしたら「あの時代っぽいな」ってなるんだろうなって。 Kendrick Lamar - Alright
N.E.R.D Lights Up the Stage with 'Lemon'
——アジアからのお客さんも最近増えているので、日本の新しいバンドも注目されるのでは? 須田 日本のバンドが多く出る意味もそういうところから出てくるんでしょうね。いいことかもしれないですね。 川辺 先日、韓国のフェスに呼んでもらって。そういうフェスがアジア近郊で増えてくると、「<フジロック>に出てるバンドだから呼ぼう」みたいなところにも繋がってくるんでしょうね。 ——では最後に出演者としての抱負をお願いします。 川辺 何言っても当日のその時間が全てなので(笑)、いい演奏をするので見に来てもらいたいですね。 須田 本当に初めてだったりとか、一回だけライブを見てという人も多いと思うので、録音物とはまた違う、自分たちも含めてライブならではの時間を楽しめればなと思います。 大竹 人の記憶に残るライブをしたいですね。 nakayaan ま、<フジロック>なんで、自分も見る側だとそうなんですけど、やっぱり気持ちいいライブにしたいですね。なんで自分も楽しみながらやりたいです。

EVENT INFORMATION

FUJI ROCK FESTIVAL’18

フジロック 2018.07.27(金)、28(土)、29(日) OPEN 9:00/START 11:00/23:00 終演予定 新潟県 湯沢町 苗場スキー場 詳細はこちら

RELEASE INFORMATION

セダン

2018.08.01 ミツメ 詳細はこちら
ミツメofficial site ミツメTwitter

text by Yuka Ishizumi photo by Kohichi Ogasahara

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チャーチズと水曜日のカンパネラが対談!コラボ曲“OUT OF MY HEAD”で示した音楽の可能性

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水曜日のカンパネラチャーチズ(CHVRCHES)がコラボ曲“OUT OF MY HEAD”を発表した。 チャーチズは2013年にイギリス北部のグラスゴーからデビューし、すぐに<SUMMER SONIC 2013(サマソニ)>で初来日、フェスの常連でもある彼らは今年も<FUJI ROCK FESTIVAL’18(フジロック)>に出演するなど、日本でも高い人気を誇る3人組だ。 80’sを想起させるちょっと懐かしく、そこに新しさも含んだエレクトロニック・ミュージックに、甘い声ながら強い歌詞をぶつけてくるローレン・メイベリーの存在感は世界的に注目され、現在はニューヨークに移住している。 最新アルバム『ラヴ・イズ・デッド(Love Is Dead)』は、アデル(Adele)やベック(Beck)のアルバムを手掛けてグラミー賞最優秀プロデューサー賞を受賞したグレッグ・カースティンと制作し、話題沸騰中だ。一方、海外のフェスにも進出している飛ぶ鳥を落とす勢いの水曜日のカンパネラは、今年はコラボ・イヤーを公言。 フランスのバンドMoodoïdとのコラボ曲“マトリョーシカ”に続き、今回リリースされたチャーチズとの“OUT OF MY HEAD”は、3年前から始まった交流がようやく実を結んだ楽曲となった。

Interview:水曜日のカンパネラ×チャーチズ(CHVRCHES)

——まず、今回一緒に“OUT OF MY HEAD”で共演するようになった経緯を教えて下さい。 ローレン・メイベリー(以下、ローレン) 日本には何回も来ているけど、すごく早い段階から自分たちのことを受け入れてくれた国なので、とても日本を大事に思っていたのよね。それで「是非、日本で何か面白いコラボレーションをしてみたい」と日本のレーベルのスタッフに相談してみたところ、候補として送ってもらったのが水曜日のカンパネラの音楽だったの。そこからMVを観て、「彼女、わっ、めっちゃクールじゃない!」って思って、すごく大好きになった。そこで自分たちの音楽を送って聴いてもらったのが3年前かな? ——どの曲を気に入っていたか覚えていますか? ローレン 曲名はよく覚えていないけど、パフォーマンスしている動画を見せてもらったの。ファッションが素敵だと思った。あと、コムアイの動きや歌から感じられるエネルギーに私たちがやっていることと通じるものを感じた。コラボレーションをする上で大事なのは、クリエイティビティの部分や、その人が発するエネルギーや個性という部分で共感できるものがあることだと思っているから、彼女を見た時に、「彼女なら自分たちの意図をわかってくれるはず」と思ったし、共演したら楽しいだろうと思ったの。 コムアイ ありがとう。 マーティン・ドハーティ(以下、マーティン) 第一印象は、まず声がいいと思った。僕が一人のリスナーとして惹かれる声なんだよね。コムアイが歌うのを聴いて、彼女の歌い方なら自分たちが取り組んでいたトラックに、何か面白いものを持ち込んでくれるんじゃないかと感じてワクワクした。それに、ローレンとの声の相性が完璧だと思ったんだ。 ローレン 私たちの曲の多くは、歌のリズムだったり、シンコペーションだったり……が鍵になっている。だから他のボーカリストと共演する時は、そういう「自分たちらしさをうまく引き出すことができるか」ということを、まず考えるの。コムアイの歌い方は、声を楽器のように使っているところが私たちにピッタリだった。あともう一つ魅力的に感じたのは、声を聴いただけで瞬時に誰かわかる、そんな個性を声にも感じたの。 ——ケンモチさんはコムアイさんの声を活かすために、曲作りで意識しているのはどのあたりですか? ケンモチヒデフミ(ケンモチ) そうですね、コムアイ自身の声のいいところって、スピード感があるんだけど、柔らかいところだと思うんです。もしそのコムアイみたいな声の人を活かそうと思ったら、普通はその柔らかさをサウンドに馴染ませて、もうちょっとフォーキーでゆっくりとした曲にしようとすると思うんですけど、僕はそこを逆にわざとコムアイっぽい声の人がやらないような音楽と組み合わせて、水曜日のカンパネラという音楽性を作っています。 マーティン 対比の面白さだよね。そういう対比っていうのは真逆のもの。ローレンの声もすごくピュアだったり甘い声だったりするけど、そこのところをあえて甘々の音楽にするのではなくて、歌詞やプロダクションの部分で逆にすごくダークなものを持ってきたりとか、とんがったものを持ってきて組み合わせることで、すごく面白くなるんじゃないかなって思っている。それが自分たちのチャーチズの核にある部分でもあるんだよね。 ——水曜日のカンパネラの音楽は、歌詞の面では、人物を歌のタイトルや主人公にした、キャッチーな部分も日本では注目されているんですよね。 マーティン 今回書いてもらった歌詞も凄く好きだよ。今回のコラボレーションでとても面白いのは、それぞれ自分たちが背負っているカルチャーをしっかり曲に反映させているところなんだよね。 イアン・クック それに歌詞にはデヴィッド・ボウイ(David Bowie)とか入ってるし。 コムアイ 清志郎(忌野清志郎)のことは知ってる? (わかりやすく説明するなら)日本のデヴィッド・ボウイのような存在で、彼は政治的だったり社会的だったりするメッセージをたくさん発言していて。彼も、ボウイのようにもう亡くなってしまったんだけど。私たち(日本人)も今ヒーローを失っているんです。 ローレン コラボレーションする時に「私たちはこれを書いたから、私はここを歌うからあなたはここを歌って」というのではなくて、「私たちはこういうのを書いたから、あとはここのところを自分たちで好きなようにやって」というのが本当のコラボレーションという感じがしているの。だから今回あなたのクリエイティビティと一緒にできて、本当にコラボレーションという感じでできて良かったなと思ってるわ。 ——水曜日のカンパネラの2人はチャーチズの音楽にどういう印象を持っていますか? ケンモチ チャーチズさんと水曜日のカンパネラがすごく近いな、と思う点は、1つの音楽のスタイルをこだわってやっているというよりも、いろんな音楽のスタイルにチャレンジして、ポップミュージックを作っているところ。あとシンセのサウンドがすごく新しいんだけど懐かしい感じがして、80年代の音楽、ニューウェーヴの影響とかを今の音や音楽の形でやっているのがすごいユニークだと思っています。 マーティン&イアン サンキュー! コムアイ 私は“My Enemy”が好きですね。今回のコラボの話をチャーチズから最初にもらったのは3年前で、その時はライブでの共演(対バン)という話だったと思うんだけど、普通にファンだったから凄く嬉しかったですね。チャーチズに関しては、言ったように幾つかの点で親しみや共感を覚えたし、ローレンは2つの強い正反対のポイントがあって、それは私にすごく重要な点で、私にも同じことが言えるんですよね。とてもピュアで、同時にとてもダークでアグレッシブだったり、ある種の強いバイオレンスだったり、もしくは牙のような……。 CHVRCHES (チャーチズ) 「My Enemy (feat. Matt Berninger)」
イアン ドラキュラみたいな牙ってこと? コムアイ そうそう。そんな感じもするし、同時にローレンには天使の羽根のようなものも感じる。  イアン それは言い得て妙だね。 コムアイ あと、私たちも3人組だし、彼らは私より10歳上だし、構成も似ていると思う。 ——お互い聞きたいことはありますか? コムアイ シンコペーションについて。歌うのが難しかったから。 ローレン マーティンが答えた方がいいんじゃない? “OUT OF MY HEAD”のボーカルのメロディはマーティンが書いたから。トラックのリズムに歌のメロディをしっかり乗せることがこの曲では大事で、私も難しいと思っているから、安心して(笑)。 コムアイ ありがとう。私、大丈夫だった? マーティン もちろん、すごく良かったよ。結構難しいことをちゃんとやっているよ。サビのところよりも、ヴァースのところの歌い回しの方が難しいんだよね。大満足だよ。 コムアイ 良かった(笑)。私もサビのパートが好き。 ローレン 私の方が簡単なサビのパートを歌わせてもらって、難しいヴァースを全部コムアイが歌ってる(笑)。 ——歌詞はどう分担したのですか? ローレン 私がサビ、コムアイがヴァースを書いたの。 ——どういう曲を作ろうとしたのですか? マーティン まだ曲になっていないもののインストの素材の中から、彼女の声に合っているような雰囲気のもの、エネルギーのもの、というところから選んでいった。完璧に出来上がった状態のものを送ってしまうと、せっかくのコムアイらしさが出ていないものになるから、やっぱり彼女らしさを出してほしいし、彼女のクリエイティビティをしっかり反映してもらいたいから、そこは慎重に選んだよ。そうじゃないとコラボレーションする意味がないじゃないからね。 ——コムアイさんが歌詞を書く時に意識した点は? コムアイ 確か2パターン提出したんだけど、採用したこれは、スタジオでレコーディングしている間に書いたもの。曲全体のアイディアをパッと瞬時に思いついて、その日のうちにレコーディングしたんですよね。凄く真っ直ぐで正直な歌詞だから。 ケンモチ 最初は『ウォーキング・デッド』っていうワードからだったはず。 コムアイ なんで『ウォーキング・デッド』を言おうとしたんだっけ? ケンモチ なんかゾンビたちの群。 コムアイ (チャーチズから)怒りやストレスや葛藤を表現してほしいというリクエストがあって、あとは私にとっての音楽の偉大なヒーローが思い浮かんで(笑)、あと、私はインスタキッズがとにかく嫌いで……(笑)。 マーティン (笑) コムアイ 私もインスタキッズなんだけど……(笑)。 全員 (笑) コムアイ あと、あなたたちの故郷であるグラスゴーを想って、カタカナで歌っている。聞き取れた? ローレン もちろん。そうやって引き合いに出しているものが、パーソナルなんだけど、普遍的にも感じられて、すごくいいと思った。 コムアイ そうなの、ありがとう。そこを私は気に入っていて。地球上にある二つの違う場所を歌っている。あなたたちは今グラスゴーにいないわけで故郷の外にいて、私にも故郷があって、今はそこに戻るタイミングではないと感じている。そういう思いを歌っているのが2番なの。私はまだ挑戦し続けたいと思っていて、今はそういう感覚を大事にしたいと思っているから。 マーティン いいね。 ——ケンモチさんはプロデューサーとして、このチャーチズとコムアイさんがコラボした“OUT OF MY HEAD”にどういう感想を持ちました?  ケンモチ 普段こんなにロック色の強い曲をやることってあまりないので、それがとても新鮮だったのと、シンコペーションのリズムがすごいユニークで、しかも曲の印象がサビのメロディに入る時に、「あっ、こういう曲だったんだ」ってまたガラリと変わって聞こえるような曲で、すごく面白いなと思いました。コムアイは怒りを出して歌うようなタイプではないのと、あと自分たちでメロディをつけていく部分はちょっと難しかったですけど。 ——今後の音楽の可能性など、どう感じていますか? ケンモチ 水曜日のカンパネラはこれまで日本国内での活動が多かったので、このコラボレーションを機にもっと世界中の人たちに聞いてもらえるような足掛かりになったらな、と思います。 ローレン 私たちも同じで、幸い日本で既に多くの人たちが私たちの音楽を聴いてくれているけど、さらに多くの人たちに自分たちの音楽が届いたら、それは最高なことだと思う。 コムアイ 今年は私にとってコラボレーション・イヤーなので、いろんな可能性があると思っています。去年の末に、「私はもっと変わりたいし、いろんなことにチャレンジしたい、やらなきゃいけない」と感じていたので、このオファーがあってラッキーだったと思っています。 マーティン 僕らは何に関してもオープンなので、本当に一緒にパフォーマンスできたら嬉しいな。 全員 是非! 詳細はこちら 水曜日のカンパネラ公式サイト チャーチズ公式サイト

text by Natsumi Itoh

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インタビュー|エイベックスの「社内バンクシー」とは?「2nd Function」が作る未来のエンタテインメント体験

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唐突ですが、もしあなたの職場に「社内バンクシー」がいると聞いたらどうですか。え? 朝、出社したらビルにアートが描かれてるとかそういうこと? いや、違うんです。同僚にも明かさず日常業務以外、それも社内での役割以外のスキルでしかもそれをビジネスにまでしちゃってる人が、企業があるんです。 引っ張ってしまいましたが、実はエンタテインメント企業、エイベックスに「社内バンクシー」たる、2nd Functionという集団が存在するんです。最近の大きな仕事は今年100周年を迎えたパナソニックとタッグを組んで、1月に開催された<CES2018>に、2025年を舞台にしたACRONSという未来のエンタテインメント体験。VR/ARを駆使したエンターテックを作り上げたスタッフは、実のところ普段の業務は音楽プロデューサーだったりするのです。 日常業務ですら大変なのにとても自分にはできないと思いますか? それとも会社に勤めながら自分の「好き」を実現できるなんて最高! と思いますか? それはこの秘密部隊のメンバーのリアル・ボイスを読んでから判断してみてください。

FEMM - Up Up & Away (AR LIve at Panasonic Immersive Entertainment Booth in CES 2018)

Interview:2nd Function

——「2nd Function」という精鋭部隊のそもそもの始まりから聞かせてください。 Aさん(普段はA&R) そもそも一緒に制作や宣伝をやってた仲間から始まったんです。組織って“部”とか“課”とか、形骸化してる部分もあるじゃないですか。もちろん、役割で分かれてるんですけど、外部からビジュアルのディレクションの仕事が来た時にやれる形がなかったんですよね。じゃあ社内で受け皿システムをつくるしかない、そういうとこから始まったんです。 一番最初にお仕事いただいたのはファッション関係でした。普段のミュージックビデオやジャケット制作のアートディレクションが良かったから、「映像制作お願いできないですか?」って言われた時に、「お願いされていいのか?」と(笑)、迷ったんですけど。 ——どういう意味合いで迷ったんですか? Aさん 受ける意味があるか? と。もちろんギャラをもらうことができるわけですね。そのギャラってなんの意味があるのか? 独立してクリエイターとしてやるならわかるけど、僕のリソースを割く意味が会社的にはない。それを生業にしているというのは明確に違う。だから、会社員である以上の必然性はいるなと。それは何かと言うと、簡単に言えば学びの場だったんですよね。マルチというよりもパラレルな経験を積む機会。 僕らチームで、ひとつ共通してるのは、エイベックスって場所が大好きなんですよ。でも、そういった仕事を受ける時には、「エイベックス」って名前じゃない方がパラレルという意味合いが意識されるし、ついでに、サブ・ブランドとしても機能する。そこで名前が必要になって、あくまで、これは僕らにとって「二次的な機能」であり、音楽に貢献するという本文を忘れないように!という所信表明も含めて「2nd Function」って名前にしたんです。この先もずっと、僕らのディレクションやスタイリングがどういう評価をされようが、そもそも音楽好きが集まってやってること、やれたことなんです。 ——匿名的に「社内バンクシー」的な動きをしているのは何故なんですか? Aさん マネジメントとか役職で縛らない記号みたいなものになれないか? それと、社内の仲間でやってることを素直に誇ってもらえるかもって考えた時に、なぜかわからないけどバンクシーみたいな形を選んだんですよね。カルチャーとかスタイル。僕とこのB君がスケートとかパンク文化の人間なんで、「なんかバンクシーかっこいいよね」みたいな話になって、「社内にこれ隠すってありだね」ってだけだったんです。深い意味はなかったけど、功を奏しているように思います。 もうひとつは、超民主的することで、誰かが頂いたオファーに対して、時間の空いてる人たちが自由参加するシステムによって、会社の生産性を上げる目的もあります。うちのチームには4つの約束事があって、一つ目は必ず本業優先、二つ目は当日欠席、途中抜けOK。で、プロジェクトにも常に必ず参加する必要もない。最後は、入れたい奴がいたら、そいつが直接誘って、みんなに紹介するっていうのが不文律で、フラットだけど超属人的な人選で成り立ってる。匿名性はとても便利で、それ自体が人選のフィルタリングになるんです。「好き」の集まりは組織というより属人的なユニティでいいと思ってます。

FEMM - ACRONS at CES 2018 (Teaser Movie)

——それ、社外にも噂が広がると面白いですよねぇ。 Aさん わかんないですけど、広告代理店でクリエイターやろうとしてた人が、「本当は音楽好きだけど、レコード会社で代理店的な動きはできないと思っていたけど、エイベックスなら何かできるかも?」と思って入って来てくれたりとか、アーティストさんもあそこにはあのファッションを提供してるクリエイティヴのチームがいるから、うちと契約したいとか、そういうことも起こってくるんじゃないかと思ってます。好きな仕事の深みが増せば、その適用範囲は拡張されるという実感があります。僕らで言うクリエイティヴやアートディレクションが人事や新人獲得にもつながると言うことです。 ——みなさんは<CES>で披露した「ACRONS」に携わった方達で。2nd Functionは仕事の中のやりがいなのか、さらにアイデアが実現できる場なのか? 聞かせてください。 Bさん(普段はデザイナー) 僕、デザインとかアートディレクションを会社でもう15年ぐらいやってるんですけど、やっぱり会社にはセクショナリズムみたいなものがあって、将来の夢の描きかたも専門職であればあるほど、やってる仕事の延長上でしか描けない。 でも、普段のデザインしている時も、実はそこに関わる他の側面がすごく気になっちゃったりするんです。例えばプロモーションに使う資料のデザインが気になったり、ライブのビジュアルが気になったり。そういうとこにも口出していきたい欲望はあるんだけど、やっぱりそこまでは入れない現実がある中で、小さなコミュニティの中で、モノ作りを共同で完成するスタイルも必要だなと思っていて。職種の壁だけで専門的にモノを作る時代でもないなと思ってたんですよ。自分たちができることを駆使して、もっと面白いことやりたいっていう発想の方が強かったんで、今、仲間と一緒にこういう形でひとつのモノを作れるのは理想的ですね。

Next-Gen Tech Transforms Live Events | #PanasonicCES 2018

——ACRONSでは何を担当したんですか? Aさん この人でいうと、今回ACRONSでどうしても都市設計が必要だったんです。ジオラマを作ったのですが、本気で都市設計からやったんです。もちろんプロからしたら遊びレベルかもしれないけど、本気でやった。デザインシンキングなんてそこからやらないと気が済まない。 それはもしかしたら子供の理想論みたいなところもあって、建築士の方からすれば荒唐無稽かもしれない、でも自分たちなりの文脈や必然性もできて。工学的とか理学的には正しいかわからないし、完全に文系だけど、「こういう社会になるかもね」とか、だからこうなのかみたいな。 ——理想ありきなんですね。 Aさん おっしゃる通り意義ありきの結論。そんなことしながら、アーティストの送り迎えやったりね? Bさん ほぼドライバー(笑)。 Aさん あとは大工仕事とか、テラスの植木も僕らがアメリカで買い付けて、でそれを並べてみたら意外に悪くなかった。デザイナーだけど、ドライバー、都市設計もどき、植木置き屋?(笑)、それから、大道具も。 ——大活躍じゃないですか(笑)。Cさんはどういう役割を? Cさん(普段はデザイナー) 僕はもう怒られてばっかりでしたねぇ(笑)。 Aさん 酔っ払って寝過ごすを繰り返したんですよ。ま、それは言い過ぎだけど(笑)。彼は新たな才能を発揮してくれて、<CES>って高層ビルの一室じゃないですか? だから、床を見せちゃいけないんです。床が見えた瞬間、高層ではなく1Fにいる感が出て白けますし。それを埋めるために、資材の切れはしでビルを作ってたのが彼(笑)。同行したジオラマのプロが「この人のセンス欲しい」って言ってました(笑)。そういうのは嬉しいです。 ——もともと好きだったんですか? Cさん いや、ハマっちゃったんですよね。やってるうちに。「ん?これつけた方がカッコよくね?」って。 Aさん ディティールですよね。「こういうデザインしてもいいんだ」とか言って。僕らはインダストリアル・デザインなんてやれないんですよね。だから、その真逆にある実用性無視のデザインをする。でも、そこにアート性があったりもする。 Cが「ハマっちゃった」ってどういうことかというと、見えもしないような小さなアンテナとかをあんな巨大なジオラマに、ちょこちょこつけていくんですけど、それが意外にデザインとして効いてるんですよ。 あと、Cで言うと企業の人にめちゃくちゃ愛される。だから営業としてもやれるんじゃない? とか。クライアントさんには可愛がられるんだけど、僕らから見たら、酒飲んだらポンコツ・・・。 一同 (爆笑)

#ces #2018 #panasonic #avex #ImmersiveEntertainment #AR #MR #ACRONS #lasvegas #femm

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Dさん(普段はWEBプランナー) 僕、2nd Function自体は自己成長とか自分試しみたいな感じで参加させてもらっていて。入社してからWEBの領域を10年ぐらいやってて、そこでは専門性という意味ではスキルも知識もついてきて、それなりに信頼もされてきたとは思うんですけど、そこに固執するようになっちゃっていて。 今回、僕がCESで絡んだ内容は、ACRONSって「タイムワープ」ってエリアとメインのエリアがあっつて「タイムワープ」のシナリオのライティングと、あとは映像のディレクション、そして当日のイベントの運営回りみたいなことをやりました。 ——シナリオを書くのは好きだったんですか? Dさん 全く書いたことがなかったわけではなくて、昔ニコニコ生放送のお笑いが好きで、サンドイッチマンと江頭さんのニコ生の番組のシナリオ書いたことがあって。 Aさん そうなんだ?言えよ! 一同 (笑)。 Dさん その部分もちょっとは活かせたかなと思うんですけど。それ以外はクリエイティヴの人間ではないので、映像周りもイベントの運営も初めてなんです。そういう経験を経ることで間違いなく成長できるかなっていうので参加させてもらってますね。 Eさん(普段はA&R) 私、入社して15年ほどいるんですけど、PRの仕事もしましたし、アーティスト・リレーションの仕事もしたり、PV作ったりジャケット作ったりの制作も一通りやってきてて。よく書かれている、この先の音楽業界がどうなっていくのか?って意識から、大好きな音楽という文化自体がどうなっていくのかな?まで掘り下がった時に、ちょうどこの話があって。 パナソニックさんと面白いことをやろうと。じゃあ何を演出するか話していった結果、未来のエンターテイメントの楽しみ方を今のテクノロジーを使って予言してみようという企画が出て、未来を悪く考えるのではなくて、こんなにエンターテイメントを楽しむことができるんだよって思えるようになって来て。これは私の個人的な考えですけど、ACRONSっていう演目は、夢をショーにしたものだと思って取り組んできたんです。そういうものを作ることに携われることがすごく楽しかったです。

ACRONS - Teaser Movie https://youtu.be/Byp2nzd0lvI produced by Panasonic creative content designed by avex perfomed by FEMM at CES 2018 2025 - Special Entertainment District Various private/semi-private "Virtual Space" are emerging on a global scale where " 'Reality' + (Virtual Reality x Channels) " represents the multilayered and diverse options people can easily access. A world where traditional One-Way Communication has died off and Meta-Interactive Communication is the norm for multiple venues and platforms. In this future world, city buildings, roads, even trees and air can become part of the multidirectional and diverse media venues. Here in this city, citizens are not called 'Audience' but 'Individuals’. In one special room in one of the skyscrapers… Lies a one of a kind entertainment space where your options are limitless. You only have to choose the one to be delivered to you. We envision a new future in AR/MR Entertainment, that you change your normal ‘Everyday’ into ‘Extraordinary’. --------- 2025年 - エンタテインメント特区街 世界には選択可能な幾重もの仮想空間が出現 - 「現実+(仮想現実×チャネル)」で構成される多重世界になっていた。 一方的な受信では満足しないメタ・インタラクティヴ・コミュニケーションが世界のあらゆる場面に採用され、普及している。 そこでは、建物も道路も木々や空気でさえ、可変的・多方向的なメディアでありベニューでもある。 この街は、人々を「オーディエンス」ではなく「個」として扱う。 とある高層ビルの一室・・・ 体験に飛び込んでいく必要はない。 体験は、常にあなたの目の前にあり、あなたはそれを選択するだけだ。 未来のAR/MRエンタテインメントを予言する - 日常に常に非日常を。 #CES #Panasonic #avex #femm

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——具体的には現場では何を担当されたんですか? Eさん 現地では、運用です。キャストの女の子たち6人を現地に連れていく、で、一週間マネージャーもおらずという中、その子たちのマネージメントやタイムスケジュール衣装の管理だったりとかですね。 Aさん 彼女はできることをやらされた感じです(笑)。ちなみにそのあとの某ブランドの仕事では、実はクリエイティヴディレクション、彼女がやったんですね。僕らの企画的に香りを何かに例えて表現しなきゃいけなかったんです。その時に「ダンスでやろう」といったのが彼女で、彼女がやったのはそれだけで、実際アートにするのはこっちの仕事なので、その一言に大きな価値があるってわかってないんですよ。「うわ、すげえ!」ってこっちは言ってるのに「え? そんなのでいいの?」と。そんなのでいいのに、小難しくしてるやつがいるんですよ、クリエイションを。 素晴らしいコンテンポラリーダンサーさんにご出演頂いて、出来上がったもの見た時に彼女が一言「香りをダンスで表現したかったの」って言ったら、世間は「おお、なんかこいつクリエイティヴ・ディレクターっぽい!」ってなるんですけど……。 Eさん ははは。 Aさん その実は、思いつかないから、みんなで飲みにいった時、「ダンスは?」って言っただけなんですよ。でもそれなんですよね、集団でやる醍醐味は。 ——会話の即興というか、インタープレイの醍醐味ですね。 Aさん そうなんです。今回、ACRONSの事前準備では、彼女もっとも不得意な分野にも敢えてアサインさせてもらったんですね。メディアサーバーとかシステム部分。それはなぜかというと、例えば、今後、担当アーティストでライブやった時にメディアサーバーってものがわかるんです。そうすると、今度からライヴの映像送出の見方が変わるんですよね。逆に、映像の現場の職人さんからの彼女の見え方も変わる。コミュニケーションが拡張し、深みも増すはずなんです。 ——確かにそうですね。FさんはACRONSでは何を担当したんですか? Fさん(普段はA&R) 私は今回、キャストの衣装周りとキャスティングがメインですね。なのでそのキャストの衣装のデザインから発注だったり、どういうメイクにするだとか、ビジュアルをトータル的にプロデュースにしてく役割を軸に携わらせていただきました。 我々も今はこんな風に仲良く喋ってるように見えますけど、このプロジェクトやるまではみんなとそこまで仲良く話した記憶って実はなくて。 関係ないセクションの人と繋がって同じ目的を持ってディスカッションして物事を作っている、そのプロセスが私にとっては何より嬉しいことだし、何よりやりがいがあることはそこなんじゃないかなと。 ——他の部署の人と本業以外で関わって、しかも匿名プロジェクトをやる面白味って何ですか? Bさん なんか部活っぽい感じはあります、正直。そこは楽しんでる感じはあります。 Aさん 部活だね。県大会一位ぐらい狙ってる(笑)。全国一位じゃない、いや、県大会ベスト4ぐらいかな?
2nd Functionを中心とした新イベント<ADIRECTOR Vol.1『DOLLHOUSE』>が表参道 B SPACEにて2018年8月4日(土)~2018年8月27日(月)開催。 オーディエンスに対義する『個人や単数を意味する “A” 』と『方向性を決めるという意味の “DIRECTOR” 』を組み合わせた新造語<ADIRECTOR(アディレクター)>というタイトルがつけられたイベントでは、代表作や新たなエンターテック・コンテンツが一挙展示される。

展示作品

・レイヤーを与えた高輝度透明ディスプレイを配置した次世代 DJ ブース「MNGL」 ・前後左右、自在に音が飛び回る立体サウンド空間「KISSonix 3D」 ・非可聴音などを用いた「ADIRECTOR」専用スマホ・アプリの演出(終演後の演出にも使用) ・光源にズレを与えて、カラフルな影を生み出す「RGB_Light」 ・次世代AR/MRライヴ装置としてCES 2018で発表された「ACRONS」 ・世界中のクリエイターが絶賛した「高速追従プロジェクションマッピング」 ・世界的なテック・カンファレンスで上演し、話題となった可変レーザーによるショー「i_to」 ・プリントシール機の進化版として期待される3Dモデリング生成機「パラれる。」 ・スクリーンや専用メガネを必要とせず、擬似的に触れられる 3D 立体映像「Holo」 また、音声AR「SARF」による、原宿のファッション・アイコンを巡る音声ARゲームも。参加者全員には、スペシャルなプレゼントが用意されているという。

ADIRECTOR チャネル - Teaser.001

ADIRECTOR - DOLLHOUSE / HOLO

期間中無休で開催されている本イベント、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

EVENT INFORMATION

ADIRECTOR Vol.1『DOLLHOUSE』

2018.08.04(土)〜08.27(月) OPEN 11:00/CLOSE 20:00 インスタレーションのみの入場 ¥1,000(tax incl.) FEMMによるダンス・パフォーマンス付きのチケット ¥2,000(tax incl.) 表参道 B SPACE FEMM FEMMによるダンス・パフォーマンスの開催スケジュールに関しましては 下記のイベントオフィシャルWEBからスケジュールをご確認ください。
超リアルなアバターがつくれる3Dフォトスキャン体験は8月5日まで。 ※ 3Dフォトスキャンによるアバター制作は1日/約150名様の先着順での実施となります。 ご希望されるお客様へ / 服装等についてのお願いとご注意! ・適応身長:100cm~190cm / 髪:タイトにまとめて頂く必要があります。 ・透け素材・反射素材・帽子・メガネやサングラスは、スキャンできません。 ・明るく色柄のはっきりした服装(真っ黒/真っ白は苦手で、デニムが得意) ・ヒラヒラした服装よりもタイト目、スカートよりもパンツ・スタイル推奨。 ・3Dスキャンの特性上、データが壊れてしまう場合がございます。  スキャン失敗する可能性がある旨をご了承の上、ご参加頂けますと幸いです。
詳細はこちら

text by 石角友香

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chelmico|最新作『POWER』に至るまでにRachel&Mamikoを形成してきた「人」たちに迫るインタビュー

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2014年10月。音楽をやるつもりなんてまったくなかった友達同士のRachelMamikoは、ひょんなことから人前でラップを披露することになった。知り合いにリリックを書いてもらい、ギャグのつもりでやったこと。しかしそれが思いのほか話題に。 周囲の反応に気をよくした二人は、しばらくしてオリジナルのリリックを書くことにも目覚め、2015年春頃からchelmicoとして本格的な活動が始まる。そのキュートでナチュラル且つエッジもパンチも効いたキャラクターがキャッチーなメロディーとフロウになって、都内を中心に、さまざまなスタイルのライブハウスやクラブのフロアを席巻。そして、2018年に入ってメジャーデビューを発表し、2枚目のアルバム『POWER』をリリースすることになった。 今回は、二人のここまでの歩みに関わった仲間や、影響を受けたミュージシャンなど、その音楽性やパフォーマンス・センスを形成するうえで欠かせない「人」を紹介してもらうことで、アルバムの特徴やメジャーレーベルに所属することを選んだ理由に迫った。“ただの友達同士”が東京のシティー・カルチャーに育てられ、今まさにお茶の間に飛び出そうとする瞬間をとらえたファミリー・ツリーをお楽しみあれ。

Interview:chelmico(Rachel、Mamiko)

——今回はchelmicoに関わる方々や、お二人が影響を受けたアーティストの話をお伺いして、その音楽性や、ご出身である東京カルチャーの魅力に迫るという企画です。まずは、お二人の互いの印象を教えてください。 Mamiko いいヤツ! Rachel そうだね。今も昔も一貫していいヤツ。 Mamiko Rachelは、行動力があって引っ張っていく力が強い。 Rachel Mamiちゃんは冷静だよね。私は思いついたらなんでも言うしやろうとするんで、それに対して「そっちの道は危ないよ」って、諭してくれるというか。 ——ぶつかることはないんですか? Mamiko すごく冷静に「やめとこう」って言うこともあるんですけど、ぶつかりはしないですね。Rachelのアイデアがどんどん溢れてくる感じはおもしろいですし。 Rachel Mamiちゃんがダメなら別のアイデアもあるし、って感じ。いつもMamiちゃんが正しいと思ってるんで、喧嘩はしないですね。好きだよ。 Mamiko 私も好き、ってなに言ってんだ(笑)。 ——普段もよく一緒にいるんですか? Rachel 飲みにも旅行にも行きますし、なんてことないLINEもするし、友達だもんね。 ——まさに友達だからこの先、劇的に「chelmico解散します」みたいな姿が想像できないんです。辞める辞めないっていう、グループ的な感覚じゃない。 Mamiko ほんと、おっしゃる通りですね。 Rachel 友達に“chelmico”っていうチーム名が付いてる、みたいな感覚。でも、それだけにめちゃめちゃすごい大喧嘩したらなくなるかもしれないですけどね(笑)。 ——友達付き合いはいつ頃から始まったんですか? Rachel 私が19歳でMamiちゃんが16歳の時だから、6年目です。 ——当時から、音楽は共有してましたか? Mamiko RIP SLYME(リップスライム)が好きってこと以外、そこは基本的にバラバラでした。あ、新宿Red Clothの日本マドンナ観に行かなかったっけ?  Rachel あれ? 私は日本マドンナが大好きで何回も行ってたから、覚えてないんだけど……。あ! 行ったね。1回だけ一緒に。 ——それぞれ、日本マドンナ以外で、よくライブを観に行ったアーティストは誰ですか? Rachel 私はとにかく日本マドンナ。特にRed Clothが多かったです。その頃他によく出ていたのは、挫・人間とかOKAMOTO'Sとか。 Mamiko 私は誰が好きとかっていうより、友達のバンドをよく観に行ってました。 ——そこで、お二人ともバンドをやりたいとは思ったことはなかった。 Rachel はい。そもそもchelmicoも、知り合いに「なんか出しものやって」って言われて、そのステージがもう2週間後とかで、Mamiちゃんを誘ってラップしたのが結成のきっかけなんです。 ——その短期間で曲やリリックはどうやって用意したんですか? Mamiko Rachelの友達にGOMESSっていうラッパーがいて、リリックを書いてもらいました。 Rachel トラックはGOMESSと同じ〈LO HIGH WHO?〉のDJ6月さんが作ってくれました。封印した幻の1曲で、どんな感じでラップしてたんだろう? でも、ぜんぜん緊張しなかったことは覚えてます。どうせ誰も観てないだろうし、ギャグのつもりでやってたんで。 Mamiko でもはまっちゃったね(笑)。反響がけっこうあって、ライブのオファーをもらって出てみたらそこでまた誘われて、どんどん広がっていきました。 Rachel そこで欲が出てきて、最初のGOMESSくんに作ってもらったリリックは自分の言葉じゃないし、書いてもらっといて納得がいかない、って偉そうなことを思い。 Mamiko で、試しにトラックを誰かにもらって、オリジナルのリリックでラップしようって、それもGOMESSの友達のペイジ(ヒイラギペイジ)くんに頼みました。 ——GOMESSさん、DJ6月さん、ペイジさんと最初に関わって、そこからどういう過程を経て、今のchelmicoができていったのでしょうか? Rachel 転機になった人って、今ぱっと思い浮かべただけでも、いっぱいいるんです。よし、細かく言っていこうぜ。 Mamiko 今までで一番細かく言おう。まず最初にGOMESS。そこから繋がったヒイラギペイジくんは最初のシングル『ラビリンス'97』のトラックメイカー。この曲は、それより前から知ってた、栗原ゆうさんっていうシンガーソングライターの人がいて、「ラップやってるんだったら企画に出てよ」って誘ってくれて、そこに向けて出来た曲です。で、それを知った恵比寿BATICAの斉藤さんが「ウチでもやってよ」って誘ってくれて、その次にはもう「今度は主催でパーティしない?」って。 Rachel そう。『ラビリンス'97』が出来てから、斉藤さんに自主企画を提案してもらうまでの間が、とにかく早かった。2015年の5月から7月だったかな? ほんの2カ月くらい chelmico/チェルミコ - 「ラビリンス'97」
——そして同年9月に開催したのが<白ギャル祭り>ということですね。 Mamiko 私たちラップのことなんて何も知らないし、誰に出てもらうか、斉藤さんに候補を出してもらったんです。その中から、パブリック娘。、Enjoy Music Club、ZOMBIE-CHANGとか、いろんな人たちに出てもらいました。そこで、パブリック娘。の斉藤達也が、とにかくいろんな人を紹介してくれたんです。 Rachel いまトラックを提供してくれてるRyo Takahashiとか、バックDJの%Cもそうだし。 Mamiko で、当時Enjoy Music Clubの担当だった、〈ULTRA-VYBE, INC.〉の神保さんが、CD出そうって言ってくれて。 Rachel 天狗になった(笑)。「ウチら売れたわ」って、超見切り発車。 Mamiko でも嬉しいことに、そこからさらにどんどん広がっていって、もう言い切れないよね。 Rachel あ、別のラインで大倉くん(大倉 龍司)も大きいよね。chelmicoのアートワークをやってくれてるんです。今回のアルバム『POWER』のジャケットもそう。もともと私がsuzzkenくんっていう映像を作ってる人を、テレビかなんかで観て、「この人いいね。Mamiちゃんと同い年だよ」って、二人で一緒にTwitterのアカウントをフォローしたら、返してくれたのが最初の出会い。 Mamiko で、suzzken のTumblerから大倉くんにも飛べて、そしたら、コイツのセンスが凄かった。写真もうまいしデザインもカッコいいし。suzzkenと大倉くんは、美大を目指して同じ予備校に通っていて、私も同じ状況だったから、二人は受かって私は失敗したんですけど。そういうこともあって仲良くなって。 Rachel 4人で会うようにもなって、その頃から、グッズを出すこととかがあったら、絶対に大倉くんにお願いしようって、Mamiちゃんと話してました。 Mamiko あとは北岡さんだね。私の友達で、chelmicoのアー写とかを撮ってくれる人。ここまででやっと、初期メンバーの説明が終わった感じ。それでも足りない部分もあるかも。 Rachel 超DIYないいチームだよね。 Mamiko で、斉藤達也があちこちで「chelmicoいいよ」い言ってくれて、TOKYO HEALTH CLUBとかJABBA DA FOOTBALL CLUBとも仲良くなれて、ジャバのノルオブくんも「chelmicoまじやべえっ」って、毎月主宰してたライブに呼んでくれて輪が広がっていったんです。イベントだと<ピスタチオスタジオ>も大きかったな。そうやって、ひとつのラップシーンみたいなものが出来ていってる感触がありました。 ——では次に、曲を作るうえで影響を受けたアーティストについて訊かせてください。お二人とも、chelmicoを結成するずいぶん前からRIP SLYMEが好きだったと公言なさっていますが、自ら表現の場に立つようになって感じたRIP SLYMEの凄さとなると、なんでしょう。 Rachel あり過ぎます。ラップがうまい、でも「うまい!」っていう感じではなくて、すんなり馴染んでくるんですよ。聴きやすい。ワードセンスも抜群、すげえ曲いっぱいかける。いろんなジャンルに挑戦してる姿勢、決め打ちのタイアップとかになると、「もう筋トレは済んでるんで、きたら打ちまっせ」くらいにバッチリはめてくるところ。 ——“ラップがうまい”って、どういうことですか? Rachel 要素がありすぎて、言葉にするのは難しいなあ。どうだろう。Mamiちゃんは5lack.が好きだよね。なんで? Mamiko 凄く好き。でもなんでかと言うと……。グルーヴですかね。そもそもラップをそんなに聴いてきてなくて、歌のほうがたくさん触れてきたから。Rachelが好きなラッパーは? Rachel 最近Topaz Jones(トーパス・ジョーンズ)とか聴いてる。Goldlink(ゴールドリンク)も昔から好き。早口言葉も好きだから、Flo Rida(フロー・ライダー)とかすげえなって思っちゃう。でも私もMamiちゃんと一緒で、ラップ自体そんなに聴かないんですよね。 ——では、お二人は“ラッパー”ですか? Rachel はい。やっぱり“ラッパー”ですね。もともと「ラッパーっていう職業あまりなくね?」って、じゃあ名乗ってみたいみたいなノリで始めたし。 ——曲はいろいろと話し合って作ると思うんですけと、リファレンスとして大きなものとなると、なんでしょう。 Rachel トラックに関して言うと、「こういうのやりたいって」のがあっても、トラックメイカーから、その通りのものってほとんど返ってこないんですよね。リファレンスでいちばん多いのは、やっぱりRIP SLYMEなんですけど、そういう曲もないし。じゃあどう乗りこなそうって、そこがおもしろいんです。 Mamiko そこでchelmicoになれるからいいよね。楽しい。 ——今回のアルバム『POWER』はアフロやラテンなど、ワールドワイドなテイストの色合いが強くなったことが特徴になっています。RIP SLYMEからの影響なのか、夏っぽさを演出したのか、たまたまそうなったのか、もしくは海外のポップ音楽において、そういった要素が今とりわけ注目されている状況に触発されてのことなのか。どうでしょう。 Rachel そっち系ビートはryoくん(ryo takahashi)の曲が多いんですけど、彼の気分かな。今なにが流行ってるかとか、そういうことにも敏感な人だし。今までそういう曲もなかったからやりたいねっていう話もあったし、夏に出るからっていうのも感覚的にあったと思います。 ——トラックメイカーの個性とお二人のマッチングに注目して聴いても、とてもおもしろい作品だと思いました。ESME MORIさんは、レトロな時代感と今を繋ぐ表現力が凄い。ノスタルジックの塩梅が絶妙で、“OK, Cheers!”はそこにハマ・オカモトさんの生ベース。 Rachel たまらないですよね。 chelmico - OK, Cheers! 
——サビの最後《笑っていようぜ》のメロディーがほかのパートと比べると異質なぶん、抜けの良さが強調されていて気持ちいい。 Rachel これは結婚ソングなんです。1回聴いただけで「明るい」って思えるように、モリジュン(ESME MORI)とMamiちゃんと話し合ってあがってきたトラックです。 ——メロディーは誰が付けるんですか? Rachel メロディーはいろんなパターンがあって、曲によるんです。“OK, Cheers!”は部分的に私が付けたところはあるんですけど、モリジュンの曲はだいたい彼が一人でやります。モリジュンが作ってない曲でも、メロディーだけは彼が付けたものもありますし、めっちゃセンスあるんですよ。“笑っていようぜ”のところは、もともと全体的に違うメロディーの流れで、ちょっと納得いかなくて、全部取ろうかという話もあったんですけど、そこだけは残すことになりました。 ——“デート”はそうとうチャレンジしましたよね。タブラ奏者のU-Zhaan(ユザーン)との曲。ポップスからアプローチした民族楽器の魅力というよりは、民族楽器の魅力をより広く届けようというベクトルが強いので、今までの曲とは根本的にグルーヴが異なるぶん、そこにラップを乗せるのは大変だったんじゃないかと。 Rachel 超大変でした。「なにこれ、やったことない。こんな問題教えてもらってない!」って思ってました。 Mamiko U-Zhaanさんのタブラが大好きで、ずっとやりたかったけど、手の届かない存在だと思ってたから、夢が叶いました。確かに難しかったですけど、めちゃくちゃ楽しかったです。 ——トラックメイカーに引き出されるポテンシャル。そうやって成長していけることもまた、醍醐味ですよね。 Rachel ほんとに。過去にはペイジくんに、フューチャー・ベースにラップ乗せることってあまりないからやろうって言われて、そもそもフューチャー・ベースをよく知らないし、当時は好きに慣れなくて嫌だったんですけど、やってみたら難しさがどんどんおもしろさに変わっていって。そういうことが作品を作るごとに毎回起こるから、おもしろいんです。 Mamiko そうやって成長していけるし、『POWER』は、今までchelmicoを知らなかった人たちにもたくさん聴いてもらえるだろうし、嬉しいな。 ——たくさんの人たちに聴いてもらえる、というのは今回がメジャーデビュー作ということにも関わってくると思うんですが、インディペンデントのままでもよかったんじゃないですか? 仲間にも恵まれていますし、Rachelさんがおっしゃった「DIY」を凄く楽しんでいるようにも映っていたので。 Rachel ずっとインディペンデントでいいって、そのほうが楽しいって、思ってました。でも、今までもたくさんの人とコミュニケーションを取ることで、いろんなことを吸収してきたんです。だから、そうやって私たちのことを気に掛けてくれた人の話を、メジャーだから耳を傾けないっていう理由はない。実際に、これまでの私たち二人はそんなに計画性なんてなかったんです。目の前のオファーをやるかやらないかってだけ。でも、プロの人たちは、先を見て計画してくれてる。結果、私たちだけでは考えもしなかった楽しい場所に出られたり、すでにめちゃくちゃ楽しい。 ——なるほど。chelmicoの魅力って、エッジの効いたアティチュードとレイドバックしたキャラクターのバランスだと思っていて、その個性を以てシティー・カルチャーの先端をいくなら、それは今までの活動の線上。特にメジャーである必要はないと思うんです。でも、例えば私の田舎の母がchelmicoを聴いてる、みたいな状況を想像すると、そこはメジャーに身を置いたほうがベターだとも思います。 Rachel それ、めっちゃあります。 Mamiko ここまできたら茶の間いくわって。 Rachel あと思ったのが、音楽を聴く人と聴かない人、ここが分断されて二極化してきている気がするんです。だから「もうちょっと適当に聴いてみたら? 音楽って楽しいぜ。」って。既に音楽を好きな人がほとんどの今いるシーンで言っても、なかなか届かない部分もあるじゃないですか。そこもメジャーデビューした大きな理由です。 Mamiko 老若男女、鼻歌うたって揺れてもらえたら。よろしくお願いします!

RELEASE INFORMATION

POWER

2018.08.08(水) chelmico [amazonjs asin="B07DNWDRB1" locale="JP" title="【早期購入特典あり】POWER(オリジナルポストカード付き)"] 詳細はこちら

text & interview by TAISHI IWAMI

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