Quantcast
Channel:
Viewing all 735 articles
Browse latest View live

Netflix「攻殻機動隊 SAC_2045」から見るテクノロジーの進歩|5Gで実現する未来とは

$
0
0
攻殻機動隊

世界中に驚きと刺激を与え続けてきた「攻殻機動隊」シリーズ待望の最新作『攻殻機動隊 SAC_2045』が、この春Netflixで全世界独占配信スタートした。 今作は『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズの神山健治と、『APPLESEED』シリーズの荒牧伸志によるダブル監督で手掛けられ、Production I.GSOLA DIGITAL ARTSによる共同制作スタイルで「攻殻」史上初となるフル3DCGアニメーションの作品となっている。 「攻殻機動隊」シリーズの近未来的な世界観が現実世界の技術発達により近づいてきたのではないかと錯覚するシーンも多かった。今回、『攻殻機動隊 SAC_2045』の配信開始に合わせてKDDIがスタートした『au 5G × 攻殻機動隊 SAC_2045 "UNLIMITED REALITY"』はARやVRなど最新の技術を使ったテクノロジーコンテンツで溢れ、まさに攻殻機動隊の世界観を思わせる充実した内容だった。au 5Gが普及すれば、さらに拡張された世界が日本中で体感できるようになるはずだ。 この度、Qeticでは『「攻殻機動隊 SAC_2045」から見るこれからの未来』というテーマでコラムを展開する。本作を鑑賞した方も未見という方も、攻殻機動隊の世界観と現実とを比較しながら、これからの未来の形を思い描いてみてほしい。

シリーズと一線を画す『攻殻機動隊 SAC_2045』の新しさとは?

2002年に『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズが世に放たれてから18年、『2nd GIG』から数えれば16年が経過した今年は2020年。あの当時では「理解」するのに精一杯だった背景や技術も、今では日常に浸透しつつあり、絵空事として受け取るしかなかった思想が自然と読み取れるようになっている。 折しもコロナウィルス禍による緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大して1週間が経過した4月23日(木)からNetflixで配信された『攻殻機動隊 SAC_2045』は、不安を抱える生活者の前に今までの世界観に対しての納得感と、これからの希望を携えて凱旋とばかりに我々の前に現れた。 きっと、すでにゴールデンウィークもといSTAY HOME週間に視聴した方も多いのではないだろうか。 今作の舞台である2045年は、世界規模の経済災害「全世界同時デフォルト」が発生した事で、貨幣や電子マネーの価値は暴落し、銀行預金も大きく目減りしてしまっている社会だ。 そんな不安定な社会情勢のため、世界は“計画的かつ持続可能な戦争”つまり、ビジネスとしての戦争が各国で勃発している(通称「サスティナブル・ウォー」)。 そんなポスト・アポカリプス感あふれる世界で、草薙素子少佐バトーたちおなじみの元公安9課の面々がアメリカ西海岸で傭兵部隊「GHOST」として無法者を鎮圧しているところから物語は始まる。

攻殻機動隊

おなじみのタチコマ光学迷彩など、3Dアニメーションを活かしたアクションが惜しげもなく展開されると、「ああ、彼らは彼らなりに過ごしていたんだな、おかえり!」と感じられるだろう。 しかしそう思ったのも束の間、「GHOST」の皆さんはNSAアメリカ国家安全保障局)の手によって半ば拉致され、強制的に秘密の任務を課されてしまう。ヒリつくような空気感も健在だ。 現在配信されているシーズン1は大きく2部に分かれている。 前半部分トグサがいない「GHOST」が任務にあたっている中、当のトグサはかつての公安9課長荒巻から9課再建のため少佐を追跡するよう命じられ、新人類「ポスト・ヒューマン」をめぐる事件に到るまでの導入部分。いわばチュートリアルだ。攻殻機動隊シリーズを未履修の人でも安心して物語世界に入っていけるはずだ。 そして後半は「ポスト・ヒューマン」に迫っていく本編として、SAC_2045の物語が本格的に始まっていく。そう、求めていた「攻殻機動隊」そのものだ。 本作はシリーズ初の3DCGアニメーションになる。 少佐たちのCGモデルに対して、トレーラーやニュースなどで発表された直後はファンから不安まじりの期待を集めていたのは確かだ。しかし一旦視聴してみると、どうしても情報量が多くなってしまう「攻殻」を3DCGで作るにあたり、ちょうど良い塩梅であることがわかるだろう。ちょっと若いかもと感じる新しい少佐のデザインも、新時代の少佐として魅力的だから安心して見て欲しい。

攻殻機動隊

高速なネットワークが攻殻機動隊の世界に追いついた

『攻殻』と言えば、電脳化された人間がネットワークを介したコミュニケーションを行う演出が見所であるが、VRARMRも身近になった現在では、さほど驚きを感じなくなっている。 一昔前ならテレパシーのように思えた電脳ネットワークの会話も、今では手が届きそうな技術になっている。 紙の書類にオーバーレイされる顔写真のようなAR技術も、ゲーム画面のHUDのようなインターフェースも、VRの世界ではすでに当たり前のように実現している。

攻殻機動隊

本作で扱われている社会問題も仮想通貨詐欺移民問題、そしてネット炎上など、現実世界でも馴染みの深いものが多い。 そういった意味では、あまり「新しさ」を感じない『攻殻』であることは間違いない。しかしその目新しさを感じない問題提起こそが、時代が追いついた感が今作の魅力ではないだろうか。 つまり、本作『攻殻機動隊 SAC_2045』は、今まで『攻殻』が提示してきた未来に対しての答え合わせのような作品である。 まもなく手が届く「未来」を前に、これからの社会をどう生きていくのかを示す基準点になり得る力を持っていると言える。

5Gだったらこんな未来に連れて行ってくれる

ワークフロムホームの掛け声で、テレワークが急速に進んだ今、様々な業種のビジネスパーソンがビデオ会議や大容量のデータ通信を当たり前のように使うようになった。まるで9課の面々のように。 そこで重要となるのがネットワーク、つまり回線だ。 今日のブロードバンドや4GLTEなどの回線では少し大きなデータをやりとりするには少なくない時間が必要となるし、ネット上で何らかの行動を行う際は、大なり小なりラグが生じる。 会議レベルのビデオチャットなら実現できていても、流石に『攻殻』みたいなVR/ARデータのやりとりをストレスなく行うためには……とか、ほとんど自律して飛行しているドローンを操縦するくらいならワイヤレスでできても、タチコマを遠隔で操縦するのは……と考えていくと、どうしたって通信という壁が立ちはだかってくるのが現実だ。 でも、もしかしたら今年2020年3月からサービスが開始された5Gならこんな未来に連れて行ってくれるのではないかと思うのだ。 5Gは、4GLTEよりも格段に通信速度が向上し、今までは物理的なメディアや有線での配線を介さないと難しかった大容量のデータのやり取りも高速に行えるようになるという。
ブルーレイのような4K動画などのUHD映像のデータや、VRデータも長時間待たずとも、すぐに楽しめるという。 これくらいの速度が使えるのであれば、今作初登場キャラである江崎プリンが捜査の過程で事件現場のVR空間を現場検証するシーンで使うような、リアルタイムで3D空間を共有するような用途でも実現できるんじゃないかと思えてくる。 屋内でも、屋外でも、ネットワーク上のデータをスピーディーに扱えるようになるのは、きっと馬車から自動車に進化したようなブレイクスルーを起こしてくれるのではないだろうか。

攻殻機動隊

おうちで攻殻機動隊の世界を先行体験してみよう

とは言え、まだまだ『攻殻』の世界には程遠い現代テクノロジーにおいて、あの感覚を味わえるコンテンツがたくさん用意されているのでどうか試してみて欲しいところである。 実際に、「au 5G × 攻殻機動隊 SAC_2045 "UNLIMITED REALITY"」の「タチコマ AR」やVRコンテンツである「渋谷複合現実化ミッション」は、これぞ「攻殻機動隊の世界!」と興奮できるのでぜひお家で試してみて欲しい。 可愛いタチコマが声付きでケータイに登場してくれるのは自分が9課に入ったみたいで面白いし、スマートフォンを持っていれば気軽に試せるのでおすすめだ。 またVRヘッドセットスマホVRゴーグルを持っていれば、少佐とバトーが敵アンドロイドとバトルする臨場感たっぷりな体験が味わえる。近くに寄るバトーはかなりの威圧感でグッとくること間違いなしだ。そして渋谷のスクランブルスクエアの展望台から臨むスクランブル交差点に煌くARネオンは必見だ。本編を視聴していれば、敵アンドロイドのモーションにもニヤリとできるだろう。 世界を覆うコロナ禍で、バベルの塔の崩壊よろしく人々の繋がりが断絶しかかっている。ソーシャルディスタンスを心がけることで、職場の同僚や友人とも隔たりが生まれてしまっている今、5Gによってもたらされる新しい電脳世界が隔たりを埋めてくれるような予感がする。 新しい「攻殻機動隊」とau 5Gが示してくれる未来はまだ始まったばかりだ。それらに期待しつつ、家で過ごすとしよう。

攻殻機動隊

Text by 宮本夏樹

INFORMATION

au 5G × 攻殻機動隊 SAC_2045 "UNLIMITED REALITY" – 渋谷複合現実化ミッション

渋谷の風景を拡張せよ。5G時代のエンタメ体験!UNLIMITED REALITY - 渋谷複合現実化ミッション カメラ付きXRゴーグルを装着し、街の風景に『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界が合成される体験型XRコンテンツ。 渋谷で実施予定だった体験を、あなたの家でも楽しめるようにオンラインコンテンツ化!

スクランブル交差点を舞台に少佐やバトーが、ハッカーと戦うオリジナルストーリーを、360°のVR映像で楽しもう。

【ストーリーあらすじ】 渋谷の街が、何者かにハッキングされたーー。 公安9課の新人であるあなたは、その情報を受け、 スクランブル交差点を見下ろせる東急プラザ渋谷の屋上に到着。 すると始まる電脳通信。そこに現れたのは...。 ハッカーによる電脳攻撃に対抗するため、渋谷の街に攻殻機動隊、出動。 詳しい情報は、WEBサイトをチェック!

詳細はこちら

公安9課インスタフィルター

攻殻機動隊

「#公安9課プロフハック」チャレンジ実施中。 公安9課インスタフィルターを使って、限定グッズを当てよう!

詳細はこちら

UNLIMITED REALITY – タチコマAR

攻殻機動隊

アニメの世界から、飛び出すタチコマ。

実とバーチャルを融合するXR技術(AR/MR/VR)とスマートグラス「NrealLight」を駆使し、 人気キャラクターのタチコマが目の前に現れるコンテンツ。 実際に渋谷の街で発信されている5G電波を活用すれば、より高精細でリアルなタチコマが動く・喋る・撃ちまくる、 UNLIMITEDな驚きが作り出せるようになる。

詳細はこちら

攻殻機動隊 SAC_2045

攻殻機動隊

Netflixにて全世界独占配信(※中国本土を除く) メインキャスト 草薙素子:田中敦子/荒巻大輔:阪 脩/バトー:大塚明夫/トグサ:山寺宏一 イシカワ:仲野 裕/サイトー:大川 透/パズ:小野塚貴志/ボーマ:山口太郎/タチコマ:玉川砂記子 江崎プリン:潘めぐみ/スタンダード:津田健次郎/ジョン・スミス:曽世海司/久利須・大友・帝都:喜山茂雄/シマムラタカシ:林原めぐみ

原作:士郎正宗「攻殻機動隊」(講談社 KCデラックス刊) 監督:神山健治 × 荒牧伸志 シリーズ構成:神山健治 キャラクターデザイン:イリヤ・クブシノブ 音楽:戸田信子 × 陣内一真 オープニングテーマ:「Fly with me」millennium parade × ghost in the shell: SAC_2045 エンディングテーマ:「sustain++;」Mili 音楽制作:フライングドッグ 制作:Production I.G × SOLA DIGITAL ARTS 製作:攻殻機動隊2045製作委員会

Ⓒ士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

視聴はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.


おうちでつなぐプレイリストリレー|Vol.1 NAOKI SERIZAWA「Beautiful Morning」

$
0
0
Naoki serizawa プレイリスト

4月の非常事態宣言から大型連休と、“家で過ごす”ことが生活のひとつの約束事になった。 そこで生まれた言葉「STAY HOME」。家族、仲間と集まることができない中、「音楽でつながる」ことをメッセージとしてはじまるこのプレイリスト企画。アーティストが「共有したい空間のテーマを選んで」それを表す音楽のプレイリストを紹介していきます。 この企画の発起人であり、今回のトップバッターを飾るのは、音楽シーンで多くの出逢いから、自身の活動のなかで人と人を繋ぎ、DJとして世界中で音楽を届けてきたNAOKI SERIZAWAQetic × NAOKI SERIZAWAによる本プレイリスト企画では、アーティストやクリエイターが紹介するプレイリストがひとつのバトンとなり、次のアーティストに絆いでいきます。日本だけでなく世界ではまだまだ会いたい人に会えない日々が続く。そんな時こそ音楽で人と人、想いと想いが繋がっていくことを願います。

NAOKI SERIZAWA プレイリスト・テーマ 「Beautiful Morning」

今回のプレイリストのテーマは「Beautiful Morning」です。コロナウイルスの影響で、世界中の多くの人が様々な不安を抱えながら生活していると思います。人間は多面性を持つ生き物で、不安な気持ちに支配されると“見える世界まで暗く”なってしまう。僕自身そういう時に思考性がネガティブになりがちです。 そんなとき僕は、心のチューニング方法として朝一番に美しい音楽を聴くようにしてます。スローで心地の良いグルーヴに、透明感のある歌声や綺麗なメロディの楽曲が、その空間に流れる時間を穏やかにしてくれるから。先の見えない不安な時代だからこそ、1日の始まりにポジティブな感情のスイッチが入るような、そんなプレイリストをつくりました。

Naoki serizawa プレイリスト
NAOKI SERIZAWA 東京を中心に音楽活動をするDJ/音楽プロデューサー。NYのアーティストコレクティブ兼レーベル〈CREW LOVE Records〉よりデビュー。これまでにアジアはもとより、ヨーロッパや南米など世界各地の20都市以上でプレイを重ねてきた。ここ日本では<FUJI ROCK FESTIVAL>に6年、<Ultra Japan>に4年連続で出演。自身がレジデントDJを務める<LiLiTH>は、独創的なデコレーションとビジュアルアート、そして、SolomunやJaime Jones、The Martinez Brothersと言った世界最高峰のDJを招聘し、東京のアンダーグラウンドシーンで唯一無二の輝きを放っている。国内でも、J-WAVEやInter FM、DOMMUNEなどの番組でライブミックスを公開してきた選曲のスペシャリスト。2020年、USのレーベル〈WOLF+LAMB Records〉より“El Final Del Verano”と“Yesterday”の2枚のシングルをリリース。 FACEBOOKInstagramLinktree

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

「で、どうしたいの?」 SSW・Reiが過去の自分に向けた“挑発”

$
0
0
Rei

「で、どうしたいの?」 SSW・Reiが過去の自分に向けた“挑発”

《挑戦は快感》、幼少期からステージに立ち続けている彼女だからこそ、ここまで強い言葉を操ることができる。 幼少期からブルーズに傾倒し、ギター片手に様々なステージを経験してきたというSSW・Reiの経歴は、多くのメディアが語る通り、ある種「異質」である。 しかし今回、専門学校 モード学園(東京・大阪・名古屋)のCM用に書き下ろされた新曲”What Do You Want?"は、彼女に貼り付いたあらゆるエピソードを払拭し、裸一貫で戦陣に突っ込んでいくような潔さを感じられる。 《WHAT DO YOU WANT?》という挑発的なフレーズ、そして膝から血を流すほどに暴れるミュージック・ビデオでの姿。前作の『SEVEN』リリース後、荒ぶった姿で登場したReiがチャレンジしたこととは? 自宅にて楽曲制作に勤しむ彼女へZoomで話を聞いた。 今回のシングルリリースを記念して、最後まで読んでくださった方々に、Zoomの背景に使えるオリジナル画像をプレゼント。 期間限定なので、こちらもチェックしていただきたい。

Rei

Interview:Rei

視覚的なモチーフが楽曲に影響を与えている

━━CMに向けた書き下ろし自体、Reiさんにとっては初めての体験だったと思うのですが、楽曲作りの準備はいつ頃からされていたんですか? 昨年の12月初旬くらいですね。CMのイメージやキャッチコピーがすでに用意されていたので、それらのイメージをベースにして作り始めました。 ━━そうだったんですね。歌詞も曲調も、今までのReiさんの楽曲と比べ鋭い印象を受けました。すごくCMのビジュアルとマッチしているなと。 ビジュアル自体がソリッドで、強くて、かっこよくて……というイメージだったので、その雰囲気は意識しました。特に今回の映像はモデルの目が印象的ですよね。楽曲も、挑戦的なまなざしを彷彿とさせるような曲がいいなと思ったんです。 ━━でも、すでに用意されたビジュアルに沿った楽曲を作るのは大変だったのでは? むしろ自分に適した作り方だったんじゃないかな、と思ってます。というのも、普段から視覚的な要素を音楽に置き換えながら、発想を得ることが多くて。楽曲作りのアプローチは毎回変えるものの、最初の種になるのは1つの視覚的なモチーフなんです。 実は普段から絵を観るのは好きで。グラフィックデザインや、タイポグラフィも好き。

モード学園 2020年度TVCM 「SEKAI MODE」篇

━━好きなアーティストや、影響を受けた作家は? 自動車が好きなのもあって、車のデザインを手がけている人の作品は特に好きですね。ジョルジェット・ジウジアーロとか。シェルとかシトロエンの広告デザインを手がけたカール・ゲルシュトナーも好き。 モノが「必要に迫られてそういう形になっている」ということにすごく魅力を感じます。楽器や車のデザインも、実用的じゃないですか。必然的にそういうラインやフォルムになっていることが素敵だと思う。フェルメールのような西洋画の雰囲気も好きですけどね。 ━━視覚的な情報が楽曲制作に昇華される時に、Reiさんの脳内でどういった思考回路が働くのかが気になります。 視覚的な情報から、言葉や音に形容されていない、輪郭みたいなものがまず頭の中に浮かぶんです。そこから「曲線的なフレーズをここに入れ込もう」というイメージが具体的に浮かんでいく感じ。「2番までは平面的なサウンド作りにして、そこから急に3Dメガネをかけて立体的になるようなサウンドにしよう」とか。 ━━じゃあ、その平面的・立体的といったイメージを、フレーズに落とし込む時、参考にするものは? 自分の中のリファレンスですね。イメージを具現化するために、カントリーやブルーズの要素を、引き出しの中から探していく感じ。「あの人がプレイするこういうビートをもってこよう」「あの人の形容詞の使い方を歌詞に使ってみよう」とか。たくさんのリファレンスをつなぎ合わせて、自分の頭の中にある抽象的イメージを可視化していってます。

Rei

日本語と英語の乳化が、表現に強みを与える

━━実は、今回の”What Do You Want?"も然り、Reiさんが歌詞を生み出す際の考え方や、言葉の選び方が気になっていました。英語と日本語をバランスよくミックスし、歌詞を構築していますよね。バランスの取り方に面白さを感じます。 言葉を使うとき、「意味」と「響き」という2つの側面から表現を選んでいて。バランスを取りながら、日本語と英語をブレンドしていく感じで書いてます。楽曲にもよるんですけど、英語で全部書いてから、日本語にする箇所を決めることの方が多いです。今回もそうでした。英語で全部書いて、そこから日本語にしたい場所を選んで。 ━━なるほど。例えば、今回の日本語歌詞の中だと《挑戦は快感》という言葉にインパクトを感じましたが。 《挑戦は快感》はすごく自然に出てきたフレーズなので、自分の軸になる考え方の1つなのかなと思います。人間ってユルく生きていても、60%~70%の幸せは保つことができると思うんです。でも120%〜200%の幸せを手に入れるためには、ある程度のプロセスが必要。 挑戦することはカロリーも使うけど、120%〜200%の幸せを手に入れることができると思って生きてます。達成した時の気持ちよさを生きがいにしてる。 ━━そもそも異なる文化圏の言語をバランスよくミックスして使うこと自体、すごくカロリーを消費することですよね。そこにあえて挑戦するところに、言葉へのこだわりを強く感じました。 英語と日本語、相対するものが混じり合う瞬間があるんです。自分の中では「乳化」と呼んでいるんですけど、上手く混ざり合った時に、作品としての強さが出ると思っていて。自分の中では日本語と英語ってそういうもの。 ━━相互作用を生み出すために、言葉をミックスさせて使っているんですね。 逆に混ざらない時もあります。混ざらないまま一方的に世に出すこともあれば、どちらかの言語で全部書いてしまうということもある。「どちらかに統一する方が意味も伝わりやすいでしょ」って思う人もいるだろうけど、局所的に日本語の強い言葉を差し込むことで、印象が強まることがあるんですよね。 ━━日本語で浮き出されたフレーズに強さがあるからこそ、”What Do You Want?”というタイトルからは、アグレッシブなニュアンスを感じます。 まさにそう! このタイトルは英語だと挑発的な意味を持っているんです。直訳すると「何が欲しい?」ですけど、表現の中に「で、どうしたいの?」みたいなニュアンスも入ってる。 ━━そこまで強い言葉で煽りたい相手《YOU(君)》とは、いったい何者なんでしょう。特定の存在を意識して、歌詞を作っている印象を受けます。 ティーン・エイジャーだった頃の自分ですね。昔の自分を煽る感じに近いです。 当時は学校で過ごす時間を不毛だと思っていたけれど、自分を作り上げた時間でもあった。「苦しいだろうけど、どこかに辿り着くための時間だよ」ってことに気づいてほしいんです。ひとつの欲望に向かって真っすぐ進んでいる人のまなざしは強くてかっこいいですよね。「このまま貫いていくべきだよ」って、過去の自分に戻って言えるなら言いたい。

Rei

音楽なら平等に、人と繋がれる

━━そこまでReiさんが言葉に執着する理由はなぜでしょう? 言葉に意味が付随することへの恐怖感が強いんです。音楽や絵画や香りは意味が付随しなくて、より本能的なもの。それがズレていることに対しては答え合わせをする必要がないと思っています。言葉とかに疲れてしまうときは、音楽があって良かったなと思う。 ━━言葉への恐怖は、いつから感じていました? 幼少期から日本語と英語という2つの言語の狭間で「自分が人とコミュニケーションが取れていない」と感じることはたくさんありました。ただ、音楽のセッションをすることで、人とコミュニケーションをとれている感覚を初めて抱いた記憶があります。逆に言葉だと通じ合えていない感じがしていたので……。それは今現在でも感じてるかも。 ━━ええっ、そうなんですか? いつも自分は勘違いされていると思って生きていて……(笑)。相手の思うオレンジと、私の思うオレンジは微妙に違う、という前提で人と話しています。 ただ、その前提で話し始めると混乱してしまって。特に、感覚共有が十分できていない状態だとすごく不安になってくるんですよね。「通じ合えてないのでは」という不安からコミュニケーションをとること自体が億劫になる日常です。 ━━でも、音楽を介するとコミュニケーションの疎通ができていると感じるんですね。 「コミュニケーションができている」というより、相手とのズレすら楽しむことができる自分がいるんです。同じだった時も嬉しいし、ズレていても嬉しい。 ━━その「言葉」を介する時と「音」を介する時に生まれる、許容範囲の差はなんだと思いますか? 技術的なものが伴っていなくても表現でき、高尚なものが成り立つのが、言語のコミュニケーションとの差異ですね。原始人が太鼓を叩きながら踊っているところに、スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)が参加しても多分成り立つんです(笑)。技術や知識が追いついてなくてもやり取りが成立できる、というのは平等でいいなと思います。

Rei

見世物として守るべき、パフォーマーとしての姿

━━まさに今回のミュージック・ビデオも、プリミティブな映像ですよね。ギター1本と生身の体だけで戦っているような感じ。しかも撮影はワンカット。動きや構成はどれくらい厳密に決めていたんですか? 通過する地点だけ事前にざっくりと決めてました。コレオグラフィーは自分の中で考えていたものがあったので、本番にチャレンジしてみました。階段のオブジェに滑り台を作ってもらったんですけど、そこから降りるときに膝を怪我して(笑)。アドレナリンが出ると大体のことはできる。すごく楽しかったです。 ━━Reiさんがステージでパフォーマンスする時の状態に近いのかな、とも思いました。 パフォーマンスしているときに入るスイッチがあって、撮影時はそれが自然と入りましたね。今回のミュージック・ビデオはステージキャラに近いと思います。 ━━「ステージキャラ」っていうのは、ある種の役者的な立ち回りをしてるっていうことですか? いえ、お芝居みたいに繊細に作っているものではないです。見世物として守るべきマナーのようなものかも。例えば「照れや恥らいは一回捨ててやりきること」とか。パフォーマンスは一発ギャグと同じ。照れていたらウケないし、オチの前に笑いだしたりしちゃうとギャグが面白くならない。 ━━そういった「見世物のマナー」はどうやって身についたんですか? 幼いころからステージに立っていた経験もあるけど、それ以上に海外フェスで得たことが大きいと思います。アーティストのアクションやMC、セットリストの運び方などにエンターテインメント性を感じました。音楽のライブというより、ショーを観る印象を受けたんです。ただ練習してきたものを披露する場ではなく、オーディエンスを楽しませることも意識するようになりました。

Rei - “What Do You Want?”

「色モノ」というアイデンティティはもう剥がれている

━━お話を聞いていて「相手がどう受け取るか」ということに対する感度が高いな、と感じました。 昔からどう思われるか気にしすぎて、苦しむタイプではありました。今もファッションやSNSの言動、セレクトしている楽器など、いろんな部分で自分の個性をだせるようにはしています。今の時代、音楽だけじゃなく、様々な側面から愛してもらわないといけない時代かな、と思っていて。 ━━しかもReiさんは毎回シーズンごとに、ビジュアルの印象も変わっていきますよね。ちなみにファッションにはどういったこだわりが? 必ずヒールは履いています。理由はみんなと同じで、身長とスタイルが気になるから。ファッションに詳しくはないけど、絵を描くのと同じ感覚で、色と柄とシルエットのバランスを見ながらコーディネートしています。 ━━前作のモフモフなファッションとのギャップがすごいなと思いました(笑)。ただ、どんどん新しい一面を見せてくれるReiさんだからこそ、そこで生まれる個性のブレと折り合いをつけるのが難しそうだな、とも思いました。 実は個性は自分に根付いていて、生涯ついて回るものだと諦めているところもあるんです。この肌だし、この骨だし、この顔だし。育ってきた環境や過去は変わらない。逃れられないアイデンティティがあるからこそ「変わろうとしても変われないんだ」という安心感はあります。だからいろんなことに挑戦できるのかも。 ━━そこで「アイデンティティから逃れたい」とは思わないですか? むしろ利用するしかない、と思っていたくらい。10代でブルーズをやっていて、ギターが弾けて、帰国子女で、女の子で、童顔で……と、色んな肩書にまみれてきた。基本は「色モノ」としてみられてきたからこそ、の考えだと思います。今はどの要素も当たり前で「色モノ」にはならないですけどね。 ━━じゃあ、その「色モノ」というレッテルが剥がれた今、自身の「変わろうとしても変われない」、アーティストとしての個性は何だと思いますか? エゴがすごくて、自己中なところ。最近までは、受け取り手を意識しすぎていたところがありました。でも、自分の好きな表現や、好きな人の作品を改めて振り返ると、自己中な人に憧れる傾向があるんですよね。 そういったエゴの強い人を見て「自分もああいう風に身勝手に生きられたらいいよな」と羨むよりも、「もう少しエゴを認めて、自分勝手に表現してもいいかも」と感じるようになってきた。考え方が変わってきているところです。

Rei

受け取る人がいるからこそ、今の自分が成り立っている

━━今作のタイトル”What Do You Want?”に絡める訳ではないですが……このコロナの一連の事態が収束したら、まずは何をしたいですか? ライブしたい! お客さんと騒ぎたいのもあるけど、好きなミュージシャンと一緒にステージで演奏したいです。ステージの上で一緒に演奏している感覚が尊くて、恋しい。 受け取ってもらう人を楽しませたいという気持ちも強くなったので、どこまで自分がやりたいことだけをやるかは難しいですけど。ライブができない状況になって「自分は受け取る人がいるから成り立っているんだ」と気づかされました。 ━━では、もし受け手のことを考えずにエゴを突っ走らせることができるとするなら、自分がやりたいこと、新たに挑戦したいことはなんですか? 五感を最大限に利用したイベントをやりたいなと思います。遠隔でしかできない音楽の楽しみ方を探ることはできたけれど、その一方でライブであることの価値が高まったと思う。対面だからこそできるようなライブの形式を探っていきたいなと思います。 ━━確かに。この取材も本当はZoomじゃなくて対面でやりたかったです……。でもお話を聞いていると、この自粛要請期間中、人と一緒に何かを体験することから一時的に離れてしまったことは、Reiさんの次の楽曲にも影響を与えそうな気がしてます。 そうですね……。次はすごくパーソナルなものを作りたいです。自叙伝的なことを書くわけではなく、質感的にパーソナルなもの。隣で人の息遣いが聞こえるような、生々しい言葉やサウンドを作りたいです。 ここ最近、自分が聴いているものがそういうものばかりなんです。汚くても、暗くても、明るくてもいい。近くにある感じ、傍にいてくれると思う曲を、「君」っていう一人に届けるために作るのかなと思います。玉置浩二さんの作品で、亡くなった猫に宛てた『プレゼント』というアルバムがあって。そういう強さやリアリティを感じる作品にしたいです。

Rei

Text by Nozomi Takagi Photo by TAK SUGITA

Rei
Rei 卓越したギタープレイとボーカルをもつ、シンガー・ソングライター/ギタリスト。 兵庫県伊丹市生。幼少期をNYで過ごし、4歳よりクラシックギターをはじめ、5歳でブルーズに出会い、ジャンルを超えた独自の音楽を作り始める。 2015年2月、長岡亮介(ペトロールズ)を共同プロデュースに迎え、1st Mini Album『BLU』をリリース。 FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONIC、RISING SUN ROCK FESTIVAL、ARABAKI ROCK Fest、SXSW Music Festival、JAVA JAZZ Festival、Les Eurockeennes、Heineken Jazzaldiaなどの国内外のフェスに多数出演。 2017年秋、日本人ミュージシャンでは初となる「TED NYC」でライヴパフォーマンスを行った。 2019年11月7作品目となる 4th Mini Album『SEVEN』をリリース。 2020年4月3日に専門学校 モード学園(東京・大阪・名古屋)新CMソングの「What Do You Want?」をリリース。

HPTwitterInstagramFacebookYouTube

RELEASE INFORMATION

Rei

What Do You Want?

Rei 2020.04.03(金) デジタル・シングル ▼CM情報 専門学校 モード学園(東京・ 大阪・名古屋)2020年度TVCM"SEKAI MODE"篇 ・東京モード学園 https://www.mode.ac.jp/tokyo/mind/media大阪モード学園 https://www.mode.ac.jp/osaka/mind/media名古屋モード学園 https://www.mode.ac.jp/nagoya/mind/media ストリーミングはこちら

PRESENT INFORMATION

Rei

期間限定! Zoom背景用オリジナル画像プレゼント!

今回、Reiにとって初めてのZoom取材だったということもあり、 『What Do You Want?』のリリース記念に、Zoomの背景で使えるオリジナル画像をプレゼント! ダウンロード期間:5月31日(日)まで 画像のダウンロードはこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

〈origami PRODUCTIONS〉対馬芳昭氏が2000万円寄付後の音楽業界への希望を語る

$
0
0
origami PRODUCTIONS

4月初旬、コロナ禍により苦境にあえぐ音楽業界、音楽関係者のために自己資金2000万円を寄付するプロジェクト『White Teeth Donation』を発表し、話題となった対馬芳昭さん。Ovall、mabanua、kan sanoら気鋭のアーティストが所属する〈origami PRODUCTIONS〉のCEOだ。 その経緯については対馬さん自身が書いたnoteにくわしく書かれているので、そちらをぜひお読みいただきたい。 対馬さんはあの時なにを思ったのか、そして1か月あまりがたった今なにを感じているのか。率直な想いを聞いてみた。

Interview: 対馬 芳昭(origami PRODUCTIONS CEO)

━━noteに書かれた内容を読んで、感銘を受けました。動機はすごくよく分かっているつもりでいますが、どんな覚悟で寄付を決めたのか振り返ってお聞かせください。 ドネーションの前に、『origami Home Sessions』を立ち上げました。6人の所属アーティスト楽曲のデータを無償で公開し、それを使ってミュージシャンが楽曲を販売するというプロジェクトです。 そこから始まったんですが、あの頃はとにかくライブができないということだけが世の中に広まった時期ですよね。例えば他の業種は問題なく営業していて、ソーシャルディスタンスの指示もなく混み合っていた。でも、ライブハウスはクラスターが発生したので、とにかくどこよりも先に営業できなくなってしまったんですね。 音楽関係者って昔から悪の対象にされがちなので、慣れっこではあったんですけど、ライブがなくなるとお金が回らない。収入がゼロになってしまう。おそらく、ライブハウスとかが日本で一番自粛が長いと思うんですよ。うちのようにレコ―ディングも大きな収入源になっている人はマネタイズの方法がありますが、サポートミュージシャンがいないと僕らはライブも何もできない。彼らがアウトになってしまうと、僕らもアウトになってしまう。覚悟というよりはもう運命共同体みたいな状況なので、僕らだけ助かるという選択肢はない、とにかく動かなきゃという感じでした。

origami Home Sessions

━━それで私財を投じられたわけですけど、反響はどうでしたか? 良かったのが久しぶりに話す人たちの、安否確認というか、近況を話し合うきっかけになった。ほとんどの人がSNSを通して、僕の活動をすでに知ってくれていて。「もちろん見ているよ」という感じで、すぐに話が発展していったり、しばらく会ってない人に例えば子供が生まれていたり、逆にねぎらってもらった。お金の面で助けている実感はありますけど、それ以上に繋がりの再確認に僕が勇気づけられました。 ━━ドネーションが始まって1か月ほど経ちました。社会をめぐる状況もかなり変化してきていると思うんですが、一か月を振り返っていただくとしたら? 最初ははっきりとした情報がないので、とにかく音楽業界が的にされているというような感覚がありましたね。命を優先するために自粛しているのに、保証を求めると叩く人もいて。別に悪い事をしているわけじゃないのに、なんでこうなるんだろう、と。でもそのうち強烈に応援してくれている人も出てきて、敵ばかりじゃなく、2つに分かれるんだなと思った。 例えば宇多田ヒカルさんがあれだけ売れたって、人口分の1億何千万枚とかCDが売れたわけではないし、人口の1%くらいの人が買ってくれたら100万枚。もう大ヒットなわけです。だから、僕があまり好きではないものがあるように、音楽が好きではない人がいる、それがお互いに共存していけばいいんだな、と。それが一番平和で建設的なのかなと最近は感じます。 ━━なるほど、よく分かります。 もう1つは、声を上げることで、国の動きだったり、世の中の雰囲気というのは変わっていくんだな、というのも感じました。音楽をやっている人は自分の意思をもっています。特にラッパーなんて主張もすごく強いので、世俗のなかでもどちらかというと意思の強い人間が集まっている。そうすると「音楽業界ばかり声を上げやがって」みたいな雰囲気になる。でも、それを気にせずに声を上げてもいいと思うんです。苦しいときは苦しい、助けて欲しいときは助けてって言っていいんじゃないかって思う。そういう社会って海外に目を向ければ全然あるんですけど、日本だと「欲しがりません」みたいな戦時中の精神になりがち。なので、そこを越えて行くと社会って動くんだな、と思いました。 ━━持続化給付金が発表されて、音楽家やクリエイターも申請可能になって、1ヶ月かかるのはスピードとしては遅いけど、まあよかったという感じでしょうか? 本心を言ってしまうと、スピードはすごく大事なので、そこは課題として残ってしまうのかなとは思います。例えばすごく嬉しいことがあったら、すぐに親や彼女に言うじゃないですか? 嬉しいことや気持ちがあるものってスピードに直結する気がして。いろんな声があるからバランスを取りながら決めているのは分かるんですけど、スピード感は安心に繋がるということを、やはり他の国を見ていて思います。そこで信用を得てからの要求、要請だと思うんですね。 結果として10万円とマスク2枚を出すんだとしたら、まずは10万円を出してから、マスクも出せばいいのに。それって同じことじゃないですか。それにこんなに時間がかかるってのは、やはりハンコ文化とか、イニシアチブを誰が取っているのか分からないとかっていう大企業の構造と同じだと思う。例えば海外のUberとかAmazon、Appleとかって圧倒的に早いし、いいシステムはあっという間に世界が取り入れていきますから。とはいえ今回は声を上げていいっていうのと、声を上げたら結果として給付金が出たっていうところはすごくいいことだったと思いますね。 ━━『White Teeth Donation』を始めて以降、他にも色々なものが立ち上がりましたし、実際にお金も集まっていると思います。そういった動きはかなり予想はしていたんでしょうか? いえ、まったく。誰がどういう動きをするだろうか、という予想はありませんでした。いま溺れている人たちを見て、助けないという選択が僕にできるかを考えた時に、それは自分にはできないなって思ったんですよね。おぼれながら手を挙げて助けてって言っている人がいるのに、「ちょっと待ってて」とは言えない、そこに飛び込んで助けますよね。かなり必死だったので、周りがどうなっていくかとか、どういうものが立ち上がっていくかとかをあんまり考えていなかったです。 で、知らない人からもたくさん支援の依頼が来るとしたら、活動履歴を調べたりだとか、どれだけ損失があったかとか、どんな音楽をやっているのかとか、そもそも本当に音楽をやっているのかとか、時間がかかってしまいます。僕が一番困っていたのは、自分のレーベルが小さかった時に、本当に無償で手伝ってくれていた人たちが、恩返しする前に倒れてしまうことだった。そういう意味では、知っている人、一緒に仕事をしている人なら既に銀行口座を知っていますし。僕個人の資金であれば、会社の税金がどうとか気にする必要もないので、一番スピーディーだったんですよね。

Ovall - origami SAI 2019

━━僕から見ると、対馬さんは音楽業界の「ファーストペンギン」のような感じで。対馬さんのスピーディーな行動もひとつの契機になって、いろんな人たちがトライ&エラーをし始めた。結果、音楽業界に勇気を与えたり、行動を変えたように見えました。 本当にそうだとしたら、すごくうれしい話ですね。少しでも影響になっていたらいいんですけど。だからあえて公言したというのもあるんですよね。売名行為とかいろいろ言われることは分かった上で、でもやらなきゃというのを優先した感じですね。 ━━寄付をした内訳を公開する予定はありますか? ちょうど4月の末で一回締め切ることをnoteで発表しました。今の時点では120人くらい、400数十万円ほど。4月は40人くらい面識のない人に振り込んでいるんですけど、意外にこれが大変だったんですよね。ちょうど政府の10万円給付も出るし、5月からはもう面識のない人は時間的に限界という感じがあったので。僕が知っている人はここからどこまでライブやれないのか全く分からなくて、いま資金をプールしておかないと、あとが怖いので。 ━━ちょうど4月に入ってから、投げ銭のライブもあったり、ボランタリーなライブ配信も増えました。投げ銭のプラットフォームとか、意外と音楽とベストマッチなものがないんだなと僕は感じたんですけど、その辺り感じる部分は何かありますか? ベストなシステムがないのは確かですが、どちらかというと不完全でもどんどん乱立してほしいと思っています。こういうシステムができました、そして別のシステムを誰かが、もしくは企業が立ち上げました、それとこれを組み合わせたら、こうなるよね、というので最終的な答えが出る気がしていて。不完全でもいっぱい出して使ってみることは大事だなと思っています。なので、ITの人たちと音楽業界は一緒にやっていかなきゃというのを、改めて感じています。Qeticさんなんてまさにそういう媒体なので、音楽だけを扱う我々からは出てこない発想が必ず出るじゃないですか。でも音楽のことをちゃんと分かっている、それはすごく心強いですよね。 ━━ドネーションであったりクラウドファンディングであったり、投げ銭であったり、対馬さんが何かやりたいと考えていることはありますか? 音楽の新しいマネタイズという意味合いでも。 オリンピックも延期になりましたが、海外から人が来た時に日本のカルチャーをマイナスなイメージに見せたくないみたいなことが、音楽業界では合言葉になっていて。でも、海外の動きを見ていると、やはり投げ銭的なものというか、チップっていう文化もあるからなのか、気軽にお金を渡す行為がすごくやりやすいんですよね。アートとか音楽とか目で見て豊かになる、耳で聴いて豊かになるものって花火みたいなもので、その瞬間になくなる。でも、日本人ってモノにはお金を払うんですけど、形のないもの100円でも200円でもチャリーンって投げ銭を入れるっていう、そういうカルチャーがなかなか根付かなかった。でも、これからはそういう行為が頻繁に行われていくんじゃないかと期待はしていて。そういうカルチャーが生まれていくんじゃなかろうかって期待していますね。 ━━確かに、インターネットでの課金に対する抵抗感とかももはやないですよね。 まだAmazonがオンライン書店でしかなかった時代に初めてカード番号を入力する時、これ大丈夫なのかなって思いましたよね。でも、いまはみんな違和感なくやっているし、コロナ禍におけるインフラにすらなっている。だから少しずつなんですけど、変わっていくはず。自分の気持ちを少額でもいいので、みんなが投げ銭するってのは、インターネット上でのすごい進化・変化だなと思います。例えば、歌を歌って、ヒット曲を作って、売れたら東京ドームだ! みたいな価値観だけではなくて、パーカッショニストがオンラインで演奏して、投げ銭を100円もらうみたいなこともこれからはないといけない。でも、それが今できそうな気がしていて、すごくいいなと思っています。 ━━『origami Home Sessions』の展開や発展って、この1か月でどう進んできましたか? これに関してはあまり「発展」という言葉は似合わない気がしていて。やはり、インターネット上にある楽曲の素材を使って即リリースできるということが面白さだと思っています。最初の2〜3週間の動きが面白かった。一般的なレコード会社って、半年とか一年とかかけて作って、出して、そこから更に流通・営業、そして売れてからまたお金の回収までって1年以上かかっちゃう。それが2週間以内にお金が入ってくる、みたいな。そういうことがすごく面白かった。その場で何かクリエイションして、お金が発生していくっていうサイクルという意味で面白かった。 あと、出来上がったものも、同じ楽曲なのに、色んなバージョンがある。この人が歌うとこんな感じだけど、ラッパーの人が歌うとこんなに違うんだ、みたいな。怒っている人もいれば、夢を語っている人もいるし、曲調もなにも全部が同じ曲とは思えないほど変わっていく。音楽ファンがその場でハッシュタグを入れるだけで、全部聴けるというのはすごい発見になったんじゃないかと思いますね。

#OrigamiHomeSessions ( origami PRODUCTIONS )

━━例えば対馬さんが、これからのライブ業界がどうなっていくかとか、最悪なケースとかもあったら教えていただきたいです。 最悪なケースは、「ライブは無観客でやるもの」というのが常態化することですよね。それはアーティストにとって、リアクションや熱を感じられないという意味で最悪なケースだと思う。もちろんその中でも、ネット上でマネタイズしていく、課金のようなことは考えていかなきゃいけないと思うんですけど。 でも、僕は個人的にはそこは楽観視しているところはあって。歴史上、いろんな病気が蔓延した中で、もう一生、人と近づけないなんてことは絶対ないと信じている。まあもちろん、1年は無理とかはあるかもしれないですけど。なので、ライブで大声を出すという社会はまた訪れると確信しているというか、そう信じたい。 ━━じゃあある意味そこまできちんと繋いでいくことが大事ですね。 そう。だから選択肢が1個増えたんだと思えばいい。例えば、レコードがあって、CDがあって、配信があって、Spotifyがあって、でも今レコードブームみたいに再熱したり、カセットテープとかもそうですけど、選択肢は増えているじゃないですか。 例えばコロナの前から、<Coachella>に行ってみたいなと思いつつも、家で観れるみたいな進化もあったじゃないですか。ライブの会場が1000人で、東京の人しか来られないとして、地方の人も500円払えばそのライブが観れるとなれば、レコード会社からすると、キャパシティに依存しないライブができる。今までだったらソールドアウトの上がなかったけど、上が出てくるというか。会場は1.000人だけど、ネット上で10,000人が観たら、11,000人なわけで。そういう意味で、今までライブ配信はフリーで観るのが当たり前だったのが、お金を払うというカルチャーになってくれば、それはすごいチャンスだと思うんですね。 ━━さらにライブでリアルに観るってことが貴重な価値になりますね。 もう、解禁された時の喜びってたぶん相当なものになると思うし、演奏家も含めてみんな涙するんじゃないかな。観る側もやっと生で観れるみたいなことを感じて、人類史においてこの感覚を共有するって中々ないと思うんですね。だから、当たり前だと思っていたものが、より貴重になっていくし、ビジネスとしてもより大きくなっていく。僕は完全にそっちのポジティブな面を信じています。 ━━(<FUJI ROCK FESTIVAL>の開催地となる新潟・)苗場にいく前に泣いちゃうみたいな。<FUJI ROCK FESTIVAL>のライブ配信も課金してもいいかもしれないですよね。 そうですね。この感じだったら、もうお金をとっても誰も怒らないかもしれない。 ━━ceroが3月に開催予定だったライブをオンライン配信にして、集客でいうと通常の10倍くらい集めたことになるので、おそらく収益的にも成功したんじゃないかと思います。なのでトライアンドエラーを繰り返して、収益的にもフィードバックできるようになってくると面白いですよね。 僕はもう完全にそっちを期待していますね。音楽関係者の気持ちがそっちにいかないと、これはやばいっていう雰囲気になっちゃうと、みんな奪い合いが始まってしまう気がするので。そういう意味で、僕が自分のお金を前に置いたのは、大丈夫だよっていうことなんですよね。絶対に大丈夫だって。これだけ優秀な人たちが、ミュージシャンも含めてたくさんいるわけで。気持ちが萎えたり、怖気づいたりした瞬間に終わる気がしたので、絶対に大丈夫だとしか僕は思っていないから行動に出たというのもある。

Kan Sano - origami SAI 2019

━━これからの活動で、対馬さんがこれから考えていることがあれば教えてください。 個人的にはあまり未来のことは考えてはいなくて、というより主義として考えないようにしているんです。あまり大きい絵を描いてしまうと、目の前のことに対応できなくなってしまうんですよね。だから、まず今のことだと思っています。ただ、助けてくれって声をあげてくれるのはいいんですけど、みんなドネーション疲れしている気がしています。音源をタダで渡して、売上をライブハウスへって言っているミュージシャンも、自分たちもキツいみたいな状況もあって。お客さんもこんなにいろんなところから助けてくれって言われても限界あるよって感じになっているじゃないですか。 だから今やりたいと思っているのは、新たなコンセプトのチャリティーアルバムの制作です。 ちゃんと参加してくれた人たちも対価がもらえる。ミュージシャンもアーティストも、スタッフ、例えばエンジニアさんとか、デザイナーさんとかも、その対価をちゃんと分けるっていう。ミュージシャンは普通印税方式なので、めちゃくちゃ売れたらその分貰えるみたいな仕組みだけど、今回は「バイアウト」という一定額で分配する仕組みにする。売上げが一定額を超えたらフリーの方々やライブハウスとか、それこそ飲食店とかも含めていいのかもしれないですけど損失があった人達に、どんどん分配していく。もちろんお客さんも寄付しているという感覚ではなくて、欲しいと思える作品を作る。それならある種全員ハッピーなんじゃないかなと思っています。 施す側と施される側という図式にするのはすごくいいことなんですけど、おそらくもういっぱいいっぱいな感じなので。次に進んでいくためには、作った側もちゃんともらえるハッピーな形の作品を今作りたいなと思っていますね。 ━━とても面白いですね。 あと、これはいろんなところで言っているんですけど、2000万円寄付するうちの残りの半分はいわゆるサッカーでいったらJリーグとか、ワールドカップとか、そういう「切磋琢磨できる大会」みたいなものをやりたい。音楽に関してはもちろんレコード大賞とか、紅白とかあるんですけど、僕が寄付している人間は一生関わらない可能性もあるので。海外だと、映画業界とブロードウェイとテレビでさえコミュニティが違う。でも日本だと、音楽も映画も全て芸能界っていう感じじゃないですか。僕らはもともと芸能界には入れない側なので、そっちには迷惑かけない形で、「音楽界」みたいなものを作って、お互いに共存していく。でないと、テレビに出ないと活躍できないっていう風に、活躍できるミュージシャンが限られてしまうので、そういったことは今後やっていきたいなと思っています。 ━━最後に、これは賛否両論ですが、ドイツでは文化省の大臣が「文化というのは守らなけばいけない」というのを公言して、実際に芸術家やアーティストに支援を出したと思うんですけど、日本はカルチャーというものに対する考え方やフィロソフィーが足りないなって僕は思ったんです。 全く同感です。例えば電化製品とか他の産業とかって、文化の影響って大きいと思っている。例えばYMOが世界に出て行ったときって、例えばソニーのウォークマンとか、車もそうですけど、イケてるみたいなものが一括りに考えられていましたよね。例えば韓国のサムソンなりヒュンダイなりが世界に出て行ったときも、韓国の音楽も同時に出ていってるんです。だから、若い人にとっては音楽とかファッションとか、それがクールなら、電化製品とか車とかも全部クールになっていく。だから、本当の意味でのクールジャパンみたいなものを作ろうとしたら、そういうことをやるべきなんですよね。もっと王道なものでいいものを作っていく。そうすれば文化が大事だということに気が付くはず。音楽関係者も、もっといいものにお金をかけていくことをしなきゃいけないと思っている。

Text by nakohji koshiro

『White Teeth Donation』について 『White Teeth Donation』活動報告 ハッシュタグ #origamiHomeSessions

origami PRODUCTIONS

origami PRODUCTIONS 1枚の紙でなんでもできるオリガミのように、楽器1つでどんな音でも奏でることができるミュージシャンが集うクリエイターチーム、レーベル。 Ovall、Kan Sano、Michael Kaneko、Hiro-a-key、Shingo Suzuki、関口シンゴ、mabanua、Nenashiが所属。 2007年に東京で産声をあげ、常に“音の鳴る方へ”と歩み続け、今に至る。 渋谷のアンダーグラウンドで盛り上がっていたジャズ、ソウル、ヒップホップを軸としたジャムセッションムーブメントを世界中の音楽ファンに届けるべくスタートしたが、現在はより自由な表現を追い求め、ジャンルレスでボーダレスなスタイルで活動の幅を広げている。 所属アーティストは国内外での大型フェスの常連であると同時に、映画・ドラマ・アニメやCM音楽の制作、また世界中のアーティストをプロデュース、リミックス、演奏などでサポートしている。

 HP
TwitterInstagramFacebookYouTubeApple MusicSpotify

INFORMATION

origami PRODUCTIONS

origami Home Sessions

レーベルに所属するShingo Suzuki、mabanua、Kan Sano、関口シンゴ、Michael Kanekoはインストトラック、Hiro-a-keyはシンガーとしてアカペラ音源をネットにアップ。 それらのインストトラック/アカペラは、ファンの方ももちろん視聴可能で、そのままの楽曲を楽しむことも可。アーティストの方々は、これら楽曲のパラデータ、ステムデータもダウンロードすることができる。そのまま使う、構成を変える、サンプリングするなどして、ラップや歌を乗せたり、楽器を足すなどコラボはアイデア次第だ。その楽曲はネットにアップしても、CDやストリーミングで販売してもOKで、収益は全てリリースしたアーティストに提供される仕組みとなっている。

私達ももちろん楽曲をリリースしたり、ライブをやって収入を得る側にいますが、 プロデュースや楽曲提供などで収益を得ることもできます。 つまり私達は普段からアーティストやレーベルの皆さんに生活を支えていただいている立場でもあります。 だから今はライブができないと困ってしまう仲間を助けるときだと思っています。 音楽ファンの方々も同じ曲で色々な歌、ラップ、楽器などのヴァージョンがどんどんリリースされたら自宅で楽しむ事ができます。 些細なことですが少しでも盛り上がってくれればと思います。 地球上全員で、共にこの危機を乗り越え、またライブ会場でお会いできる日が来るよう心より願っております。 origami PRODUCTIONS アーティスト、スタッフ一同

引用元:#origamiHomeSessions

詳細はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

緊急来日決定!レッド・ホット・チリ・パイパーズ インタビュー|僕たちのステージはライブじゃない、”ショー”なんだ

$
0
0
Red Hot Chilli Pipers

<FUJI ROCK FESTIVAL ’20>(以下フジロック)の開催が延期されることが発表された。 史上初の8月開催、テーム・インパラ(Tame Impala)やザ・ストロークス(The STROKES)といった海外勢をはじめ、King GnuやNUMBER GIRLの出演、電気グルーヴの復活と、例年以上に話題となるトピックも多く、延期の報に落胆しているファンも多いのではないだろうか。 そんな、フジロックファンに吉報が入った。 昨年のフジロックを覚えているだろうか。 日本では無名状態であるにも関わらず出演が発表されると同時にTwitterでトレンド入りし、日本テレビ系情報番組『スッキリ』での生パフォーマンスや、GREEN STAGE&前夜祭で爆発的な盛り上がりを見せてくれたバンドを。 そう、もう一つの“レッチリ”ことレッド・ホット・チリ・パイパーズ(Red Hot Chilli Pipers)だ。 昨年の夏の話題を総ざらいした彼らの単独来日公演が実現。今秋、満を持して日本に帰ってくることに。 Qeticではそんなレッド・ホット・チリ・パイパーズに昨年の初来日時のエピソードや、パイパーズの活動について、今秋に控える単独公演への意気込みなど、メールインタビューで話を聞いた。

Red Hot Chilli Pipers

Interview: Red Hot Chilli Pipers

━━昨年のフジロックのステージは印象的でした。アフタームービーには”Under The Influence”が使用されていたり、多くのオーディエンスの記憶にもあなたたちのパフォーマンスが残っていることかと思います。初めてのフジロックでのパフォーマンスはどんな体験でしたか? フジロックでの体験はとても素晴らしかったよ。今までバンドが経験してきた中で最大のステージで、最も多くのオーディエンスの前でのパフォーマンスだったんだ。フェスとしてとてもよくオーガナイズされていたし、みんな素敵で温かい人達ばかりで僕たちを大いに歓迎してくれたよ。

FUJI ROCK FESTIVAL'19 : Aftermovie

━━昨年の来日ではテレビ番組『スッキリ』にも出演されていました。来日時の印象的なエピソードを教えてください。 そうだね、印象的なエピソードといえば素敵なレストランに連れて行ってもらって、本格的な日本料理を食べたことかな。東京を散策した時は最高な時間を過ごせたし、スカイツリーで夕食を食べたのも良い思い出だよ。 ━━東京という街への印象は? 僕は人混みが苦手で最初に東京で電車の人の多さを見た時少し不安になったんだ。でも、ロンドンとは違って東京はみんなとても礼儀正しくて、周りを気にかけている人ばかりだったから安心して旅を楽しむことができたよ。僕の家族も一緒に連れて行ったんだけど、美しい庭園を散歩したり、スカイツリーで夕食をしたり、とても素晴らしい時間を過ごすことができたよ。旅の締めくくりに皆でカラオケバーに行ったんだけど、僕たちは皆ミュージシャンだからすごく盛り上がって楽しかったよ。 ━━改めて、バンドのメンバー構成について教えてください。 バンド構成は3人のバグパイプ奏者(ウィリー・アームストロング、ケビン・マクドナルド、ジェームス・ハーパー)、ベースギター(ルーリー・マクリーン)、リードギター(アルド・マクギオック)、キーボード(クリス・ピュー)、パーカッショニスト(ジェイ・ヘップバーン)と2人のブラス演奏者、そしてボーカル(クリス・ジャッジ)というメンバー構成だよ。

Red Hot Chilli Pipers

━━レッド・ホット・チリ・パイパーズ以外でも活動されているメンバーもいますが、どのように練習しているんですか? 普段はサウンドチェックの時に練習するんだ。新しい曲があれば練習のためにスタジオを予約するときもある。メンバーの中には他のバンドで演奏している人もいるけど、レッド・ホット・チリ・パイパーズをメインバンドとして活動していて、昨年は152回のライブをこなしたんだ。 ━━演奏楽曲はどのように決めていますか? オリジナル楽曲は誰が作曲していますか? ライブではスコットランドの伝統的な音楽が50%、有名なロックやポップスの曲が50%という割合で演奏していることが多いよ。セットリストはバンド全体で決めていて、観客とバンドメンバーの両方が楽しめるように曲を混合させているんだ。オリジナル楽曲もメンバー全員で作曲しているよ。 ━━ファースト・アルバム『The Red Hot Chilli Pipers』にも収録されているスコットランド龍騎兵連隊合唱隊の曲“Highland”を今回の最新アルバム『FRESH AIR』にも収録しているのはなぜですか? “Highland Cathedral”はとても有名な曲なんだけど、実際にはスコットランド人が書いたものではなく2人のドイツ人によって作曲されたものなんだ。僕たちの音楽ジャンルにもよく合っているので今回もこの曲を収録したんだ。 ━━アルバムに収録されている楽曲“Leave a Light On (feat.Tom Walker)“は、トム・ウォーカー(Tom Walker)本人をシンガーとして招いたカバー楽曲ですね。このコラボはどんなプロセスを経て実現したんですか? ソニーレコードは彼のアルバムをスコットランドで発売したいと思っていたんだ。そこでアルバムの中の1曲にバグパイプを入れてみるのは良いのではと思い“Leave a Light On”にバグパイプの演奏を入れてみた。そうしたら曲との相性がすごく良くて、シングルとして再リリースすることを決めたんだ。メインストリームチャートで4位を獲得した楽曲なんだ。トム・ウォーカーはスコットランドとイギリスのハーフでとても素晴らしいミュージシャンだよ。

Leave a Light On (feat.Tom Walker) / Red Hot Chilli Pipers

━━今年の10月は、そんなアルバムを提げての来日となりますが、どんなことをしたいですか? もっと色々な場所を散策してみたいし、もっと日本の最高なバンドを見てみたいね。そして本格的な日本の料理をもっと食べたいな。 ━━日本のファンへレッド・ホット・チリ・パイパーズの来日公演に向けて期待してほしいことはなんですか? 日本の皆さんは僕たちがライブをするために来日すると思っているかもしれないね。でも僕たちがやることは”ショー”なんだ。素晴らしい照明機材を用意して、最高な照明エンジニアとサウンドエンジニアもいる。民族衣装を着て音楽に合う振り付けをして、観客全体を巻き込むのさ。僕らのショーには、喜びや高揚感、哀愁といった幅広い感情が引き出される要素があるんだ。 ━━日本のファンへメッセージをお願いします。 独自の文化と伝統を持つ日本という美しい国で、僕たちの民族衣装を着て民族楽器を演奏するのをとても楽しみにしているよ。

Red Hot Chilli Pipers
Red Hot Chilli Pipers
Red Hot Chilli Pipers
Red Hot Chilli Pipers
Red Hot Chilli Pipers
振り返るフジロック2019 Red Hot Chilli Pipers

Red Hot Chilli Pipers - Live At The Lake - Part 1

Live Photo by 横山マサト Translated by Natalie Suzuki Text by Taichi Kuwabara

Red Hot Chilli Pipers
Red Hot Chilli Pipers 2002年スコットランドにて結成。 誇り高き祖国を象徴するタータンチェックのキルトに身を包み民族楽器バグパイプを全面的にフィーチャーした独自のスタイルで瞬く間に話題に。 ポール・マッカートニー、エリザベス2世、エド・シーラン、ユアン・マクレガーら各界の著名人も夢中にさせてしまう唯一無二のサウンドは世界中で高く評価されアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、中国、ドイツ等のワールドツアーは軒並みソールドアウトとなった。日本での彼らは何故か全くの無名状態だったがFUJI ROCK FESTIVAL'19への出演がアナウンスされると同時に“レッチリ”がツイッターのトレンド入り。 最新アルバム『フレッシュ・エア』(REXY SONG)リリース直後の初来日公演となったフジロックでは前夜祭とグリーンステージに出演。彼らのライブパフォーマンスを目の当たりにしたオーディエンスから絶賛の声が続出した。

HPTwitterInstagramFacebookYouTube

EVENT INFORMATION

Red Hot Chilli Pipers

2020.10.08(木) OPEN 18:30/START 19:30 梅田クラブクアトロ ADV ¥7,200(1ドリンク別) Info:06-6535-5569 (SMASH WEST) 2020.10.09(金) OPEN 18:30/START 19:30 恵比寿リキッドルーム ADV ¥7,200(1ドリンク別) Info:Info: 03-3444-6751 (SMASH) TICKET: 主催者先行予約:6/10(水)12:00 〜 6/16(火)23:59 受付はこちら プレイガイド発売:6/27(土) 東京公演:e+ (プレオーダー:5/21 12:00 – 24 23:59)・ローソンチケット(L:70188) チケットぴあ(P:184-493)英語販売あり・岩盤 ganban.net 大阪:e+ (プレオーダー:5/23 12:00- 5/25 18:00、QUATTRO web:5/23 12:00- 5/25 18:00) ローソンチケット(L:51440) ・チケットぴあ(P:184-577)英語販売あり 詳細はこちら

RELEASE INFORMATION

Red Hot Chilli Pipers

FRESH AIR

2019.06.28(金) Red Hot Chilli Pipers REXY-4 Rexy Song ¥2,200(+tax) 詳細はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

須田景凪が語る自らの音楽を昇華させるアボガド6、吉野耕平らの映像表現

$
0
0

須田景凪が、映画『水曜日が消えた』主題歌の新曲“Alba”を発表した。 中村倫也主演、映像作家の吉野耕平が監督をつとめ、曜日ごとに入れ替わる“7人の僕”を主人公にした物語を描く『水曜日が消えた』。そのストーリーに寄り添うべく須田景凪が書き下ろしたこの曲では、ミュージックビデオも吉野耕平が監督をつとめ、全編CGで仕上げられた映像に“7種類の靴”“7種類のペン”が登場する内容となっている。 「バルーン」名義でボーカロイドを用いて活動していた頃から彼の楽曲のMVを多数手掛ける“盟友”アボガド6を筆頭に、様々な映像作家やアニメーターと共作してきた須田景凪。“Alba”以外にも、開催中止となったライブツアー『須田景凪 TOUR 2020 はるどなり』振替公演初日の4月24日に公開した“MUG”や、6月より放送を開始した、須田景凪書き下ろしのNHKみんなのうた“Carol”など、彼の繊細な音楽とイマジネーション豊かな映像がリンクする表現を旺盛に発表している。 今回のインタビューでは、新曲について、そして彼のユニークなクリエイティブのあり方についてオンラインで話を訊いた。さらには吉野耕平監督にもメールインタビューを行い、「映像と音楽との関係」を深く探った。

Interview: 須田景凪

━━緊急事態宣言による外出自粛の日々はどんなふうに過ごしてらっしゃいましたか? ツアーも結局中止になってしまったので、基本的にはずっと制作をしていました。もともとライブ期間以外は家に引きこもって制作をしているだけだったので、正直そんなに大きくは変わらない感じで。あとは昔の友達と連絡を取って、お互いの近況を話したり、他愛のない話をする機会がすごく多かったですね。 ━━それこそ最初から基本的に自宅で完結するタイプのアーティストだったわけで、そういう意味では今までと変わらないスタイルで制作に没頭することができたわけですね。 とは言っても、1年半前の『Quote』というアルバム以降、ここ最近はずっと生音でレコーディングをやってきたので、久しぶりに自分の中だけで完結する音楽を作った感じです。しばらく生音にこだわってやってきたけど、それを踏襲してまた自分一人の音楽に昇華する時期だった。今だからこそまた一人で作れるものが新しい感じでした。 ━━“Alba”は映画『水曜日が消えた』の主題歌の話を受けて書き下ろした曲ということですが、どんなことを思って制作されたんでしょうか? 話をいただいていろいろ想像したんですけど、去年の年末に本編を見させていただいて、自分の本当にツボにハマったというか、本当に大好きな映画だったんです。すごく感動したし、衝撃を受けて。そこからもう一度監督の吉野さんとお話しする機会をいただいて、どんなサウンドをリクエストされているかという話を詰めていきながら作っていきました。 ━━この映画を好きになったポイント、衝撃だったところというのはどういうところだったんでしょうか? もちろん物語の設定や主演の中村さんの鬼気迫る演技も本当に素晴らしいんですけど、自分の中で一番感動したのは、めちゃくちゃ細かく洗練された演出がすごくふんだんに使われていたことです。視覚芸術みたいな細かいギミックが沢山あって、それがすごく自然、かつ美しい形で本編の至るところに落とし込まれている。物語自体は淡々と進むんですけど、それがあることですごく華やかに見える。そういう魅せ方も相まってストーリーが際立つところもすごく感動しました。

『水曜日が消えた』主題歌予告(主題歌:須田景凪「Alba」)6月19日(金)公開

━━映画は「曜日ごとに性格が異なる主人公」という突飛な設定のストーリーですよね。けれど、たとえば同級生と話す時と上司と話す時で自分の振る舞いや話し方が変わるということと同じだと考えると、誰にでも当てはまる話だと思います。そういうモチーフに関してはどのように受け取ってどのように感じられましたか? おっしゃる通りで、吉野さんともそういう話をしました。『水曜日が消えた』という話の主人公は僕らからしたら一見突飛な設定ですけど、彼にとってはそれが普通の日常なんです。彼は別に特別なことをしているわけではなく、あくまで自分なりに当たり前に過ごしている。そういうところと自分がどういう部分でリンクするかを考えた時に、今おっしゃったように中高の友達と話す時、上司と話す時、自分の親と話す時って、自然と変わるじゃないですか。人格とまでは言わないまでも、喋り方とか、性格とか、誰でもスイッチが変わる時がある。そういうところがこの物語とリンクする部分なのかなって考えて。それで歌詞に落とし込んでいきました。 ━━そこからどういうテーマが膨らんでいったんでしょうか。 この曲を作る上で最初にあった大きなテーマとして、さっきの主人公の話にも繋がるんですけど「特別な日々はいらない」っていうワードがありました。今の時期がまさにそうだと思うんですけど、100人いたら100通りの当たり前がある。そういうところから、誰が聴いても自分だけの当たり前を愛せる歌詞にしたい気持ちがありました。 ━━誰かの普通とか、誰かの常識を押し付けられるのではなく、それぞれの日常や暮らしが肯定されるべきだということを、社会的なメッセージというよりも詩的な言葉で表現している感じがしました。 そうですね。「普通」という言葉はよく使いがちなものとしてあると思うんですけど、改めて考えると「普通」なんてものはあまりないというか。みんなが寄せていった結果、大衆的に重なった部分が普通と呼ばれていると思うんです。でも、そうじゃない部分にフォーカスしていけたらとは思っていました。 ━━曲調やサウンドに関してはどうでしょうか? 吉野監督とお話しして「洋楽っぽいサウンドにしてほしい」というリクエストをいただきまして。自分も幅を広げたいというか、純粋にいろんなことをやってみたい時期だったし、カイゴ(Kygo)やエド・シーラン(Ed Sheeran)のような好きなアーティストのサウンドを取り入れてみたりして、そこにメロディと歌詞を乗せて作っていきました。ダンスミュージック的なサウンドって、良くも悪くも、どんなメロディーでも綺麗にハマると思うんです。聴きやすいものになる一方、違う目線で見るとサラッと流れて聴こえちゃう部分も多いのかなと思うので。違和感を混ぜたかったので、サビの後半の方で突飛なメロディにしてみたり、そういうアレンジをしながら作っていきました。 ━━おっしゃったカイゴやエド・シーラン以外にも須田さんの最近の好みのテイストをあげるならば? 有名どころになってしまいますが、ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)はもちろん、ショーン・メンデス(Shawn Mendes)とか、MAXっていうNYのシンガーソングライターも大好きで。最近はそのあたりを聴いています。よりシンプルに、ソリッドになってるものが多くなってきている印象がありますね。

須田景凪「Alba」MV

━━“Alba”のミュージックビデオも『水曜日が消えた』の吉野監督が制作されていますが、これはどういったやり取りで作っていったんでしょう? 吉野さんとご一緒できるということで、映画に通じるモチーフやアイディアをMVに取り入れていただきたいとリクエストさせていただいたんです。この時期なのでオンラインでお話しさせてもらって、そこから吉野さんがいろいろと考えてくださった。自分の作品としては初めてCGのみで完結しているものになっています。MVだけ見ても美しいんですけど、映画を観た後にMVを観たり、MVを観た後に映画を観たりすることで、映画とのつながりを面白く感じられるんじゃないかと思います。形は違えど、同じようにグッとくるものがあるというか。そういう意味でのつながりはあると思います。

“Alba” MVより

━━今回の曲にかぎらず、須田さんは、自身の音楽と映像とのつながりや親和性についてはどんなふうに考えてらっしゃいますか? アニメーション、実写と両方ありますけれど、どちらも映像があることによって楽曲の背景や感情的な部分、歌詞にもサウンドにも描かれていない新しいバックグラウンドが見えてくるものだと思います。アニメーションでできることと実写でできることは違うと思うので、それぞれの良さはあると思いますけれど、どちらも重要だと考えています。 ━━アニメーションと実写の違い、それぞれの良さというと? 雑多な説明になってしまいますが、実写の場合はより生々しい、より身近な見え方をするものだと思います。だからこそ伝わるものがあるし、ライティングの色ひとつで悲しい気持ちなのか温かい気持ちなのか、感情が伝わるようなところもあります。あくまで個人的な意見なんですけど、実写の方がドラマチックになるところがある一方で、アニメーションだとより一層ありえない世界ありえないシチュエーションを描けるんですよね。実写では再現不可能な頭の中のイメージをそのままアウトプットできるものだと思います。アボガド6さんと作る映像もそうですけど、この間公開した、大谷たらふさんが映像を制作してくれた“MUG”という曲のMVもそうですね。 ━━“MUG”のMVはまさに物理法則を無視した動きや物体が変形するような表現がありますが、これはどんなふうに作っていったんでしょうか? あの曲では音楽を作っているときに思い浮かんでいた1つのモチーフを伝えて広げていってもらったんです。鶴が首を動かしながら踊っているイメージがあったんですけど、それって、実写だと難しいじゃないですか。でもアニメーションだとすごく面白い形で描けるので。わかりやすく無限の可能性があると考えています。

須田景凪「MUG」MV

━━新曲“Carol”についても聞ければと思います。NHK『みんなのうた』のために作った曲ですが、まずそのお話を受けてどう感じました? 単純に、自分にその話が来るんだという驚きが一番大きかったです。なにしろ有名な番組じゃないですか。1961年からある番組で、自分も大好きで観ていたし、『みんなのうた』がきっかけで知った音楽も多かったので。 ━━すべての世代に届く曲という意味では、いろんなタイアップや主題歌とはまた違った機会になると思うんです。それを受けて、どういう曲を書こうと考えましたか? そのこともすごく考えました。自分の話になるんですけど、小学校低学年とか幼稚園の時に、たとえば「寂しい」という感情があったとしても、それをまだ「寂しい」と言語化できない状態のときがありました。自分の感情をまだうまく吐き出せない時期がある。それで自分はいろいろ辛い時期があったんですけど、それも「辛い」と言えなくてすごく苦しかった経験があって。そういう経験をしている人って少なからずいると思うんです。 トラウマとか辛い記憶とか、人格を形成するに当たって幼少期の記憶ってものすごく大きなものだと思っていて。人によってはそれがすごく苦しい記憶として残っている人も多くいると思うし、結局、それって昔の自分を肯定できていない状態なのかなと思うんですね。自分も肯定できているかと言われるとそれはわからないし、振り返ったら美しくない記憶なのかもしれないんですけど、そういう記憶だとしても赦してあげたいと思っていて。 あの曲を作るにあたっては、賛美歌にしたいというテーマがあったんです。どんな経験であったとしてもそれを赦して美しいものだということを伝えたかった。そういうテーマをもとに広げていった形でした。だから今聴いてくれている幼稚園児や小学生が、いつかふとした時に思い出してくれたら嬉しいなと思います。 みんなのうた “Carol” ━━NHKみんなのうた“Carol”の映像はアボガド6さんが制作されています。これはどんなふうに作っていったんでしょうか? いつも通りのやり方なんですけれど、曲の解釈を彼に話して、オンラインでアボガド6さんのラフスケッチしている画面を共有してもらいつつ、どんな世界にしようかという話をしました。この曲は歌詞を一番大事に伝えるべき曲だとなって、サビ以外はシンプルな映像で、サビで開けるものにしたいと決めて。そこから彼といろいろな話をして、少し不思議な空間というか、亜空間の中の美術館みたいな空間を一緒に作って、そこからは彼の表現の形で作ってもらいました。

1st EP 『teeter』 アートワーク by アボガド6

━━曲が完全に出来上がってからアボガド6さんが手掛けるというような感じだったんでしょうか? 曲によっていろいろあるんですけれど、この曲の場合はワンコーラス仕上がった段階だったと思いますね。そこからお互いで作業を進めていった感じです。 ━━アボガド6さんは須田景凪さんのMVを多く手掛けていますが、どういうきっかけで付き合いが始まったんでしょうか? 2013年から「バルーン」という名義でボーカロイドを使って音楽を作っていたんですけど、2013年の終わりくらいに、風の噂で、どうやらアボガド6さんがバルーンの音楽を知ってくれているらしいと知って。僕はアボガド6さんのただの一ファンだったんで、めちゃくちゃ嬉しかったんですね。そこで、半分断られてもいいと思いつつTwitterのDMで是非一緒に何か作らせていただけたら幸いですという長文を一方的に送らせていただいて。それで受けていただけることになりました。 キャラクターが7人くらい出てくるMVの制作だったんですけど、「キャラクターはこういうのがどうですか?」って7キャラ分くらいの絵コンテをいただいて、それがめちゃくちゃ格好よくて。その7人のキャラの中の1人を曲にしたいんですって勝手に僕が曲にして、こっちもやってくれませんかってまたお願いして、図々しくも何作か一緒にやらせてもらうことになって。そこからどんどん彼とプライベートの話もするようになって、単純に仲良くなって。気付いたら曲を作るときにアボガドさんだったらどういう表現をするのかなって自然に考えるようになっていったんです。ただ、お互いに専属みたいなことは絶対にしないようにしよう、互いが一緒にやりたいから一緒にやる関係が一番いいよねという話をしています。その時々でお互いが一緒にやりたいと思っているから長くやれていると思うし、お互いのことを尊敬しながらできているのかなって思います。 ━━そもそもファンだったということですけど、アボガド6さんの作品や表現のどういうところが自分の好きなところや共感するポイントなんでしょう? 彼の作品もどんどん変化していっているので一概には言えないし、あくまで個人の意見なんですけど、彼の一番の魅力は発想自体にあると思うんです。彼はTwitterで毎日作品を投稿しているので、それを見てもすぐわかると思うんですけど、なんでも作品にできるんですよね。どんなモチーフでも作品にできるし、それを普通では思い浮かばないような角度から描いたりする。彼にしかない発想をたくさん持っていると思います。表現の仕方や絵柄は年々変わっているんですけど、そういう発想の根っこの部分は昔から変わらないし、むしろどんどん洗練されていると感じていて。自分が一番彼に感じる魅力はそこですね。

2nd EP 『porte』 アートワーク by アボガド6

━━アボガド6さんがこういう風に社会を見ているという、その視線にはドキッとさせられるようなところがありますよね。世の中のルールや、皆の無意識、社会や教育の歪みのようなものを戯画化する形で、ときにはグロテスクなものとして表現している。それもわざとグロテスクに描いているというよりは、社会の日常の皮を一枚めくったらそれがあるというような表現になっている。 ただ1枚フィルターを剥がしただけというか。よく鋭いことを描いてらっしゃるんですけれど、決して無理やり描いてるわけじゃなくて。社会的にも教育的な側面から見ても、すごく難しいテーマが、彼のフィルターを通すととてもわかりやすく視覚化されていると思うんですね。なかなか簡単に出来ることじゃないと思います。 ━━僕としては勝手にバンクシーと同じ位置づけで捉えているんです。それをストリートでやるかTwitterでやるかの違いだけで、表現の本質的な部分では通じ合うところがある。 なるほど。たしかにそう言われてみるとそうかもしれないですね。 ━━アボガド6さんとの共同制作はどんな感じで進めていくんでしょうか。先程はいろいろなやり方があるって言ってましたけども、どんな風に楽曲のイメージを伝えて曲の仕上がりに持っていく感じですか? 一番よくある方法は、まず楽曲を彼に送って、歌詞の意味を伝えて、漠然としたモチーフや風景やふわっとしたイメージを彼に伝えるんです。それからオンラインで画面を共有しながら作業を進めるんですね。お互い無言で、彼はラフを描いたり消したり、その間に僕は自分の作業をしたりしながら、淡々と時間を過ごしていて。その間で格好いいモチーフを描いてたら「それめっちゃいいね」って言って。そこで1つモチーフが生まれて、またそれを繰り返して、2つ、3つと出来ていったら「じゃあこれを中心にストーリーを考えてみよう」みたいに話し合ったりして。実写のミュージックビデオとか他のアニメーターさんの方だと、最初にイメージを伝えたらあとは基本ほとんどお願いして、後でちょっと修正をリクエストするくらいの感じが多いんですけれど、アボガド6さんとはずっと一緒に作業することが多いですね。

“レド” MVより 映像 アボガド6
“mock” MVより 映像 アボガド6

━━ということは、アボガド6さんの描いた映像のラフスケッチやアニメーションのモチーフに音楽制作をする側である自分が影響を受ける、っていうこともある? めちゃくちゃありますね。たとえば“veil”という曲はアボガド6さんにMVを作ってもらったんですけど、あの曲では1コーラスでは「ここはこうしよう」という感じで詰めていって、2コーラス目からは彼にお願いしたんです。その映像が出来上がって「この音を使ったらアボガド6さんはこういう表現をしてくるんだな」とか「彼の中でこの音はこういう色のイメージなんだな」とか、そういった発見がありました。

須田景凪「veil」MV

━━そうなんですね。その話を聞いて、ある種のバンドみたいだなと思いました。たとえばプレイヤーの癖で楽曲のアレンジが変わるように、トラックメイクの方向性がビジュアルアーティストの感性で変わっていったりする。それも曲ごとに1つのプロジェクトとしてタッグを組めるという。新しいバンドのような形態だと感じたんですが。 言われてみればバンドって表現は近いですね。今の時代、そういうやり方で、ある種のバンドみたいになっている映像と音楽の関係性は多いのかもしれないと思います。 ━━わかりました。今後に関しても聞ければと思いますが、映像も含めて、新たに取り組んでみたい表現方法はありますか。 音楽に関しては、以前から「取り入れられるものは取り入れていきたい」と変わらず思っています。映像に関しては、最近、CGの進歩が目を見張るので。アニメーションと実写の中間というか、アニメーションでも実写でもあり、どちらでもないような表現の映像が出てきている。そういった要素は自分のミュージックビデオに取り入れてみたいと思っていますね。

Interview: 吉野耕平

━━『水曜日が消えた』の主題歌“Alba”を須田景凪さんにオファーした経緯と、楽曲があがってきた感想をお聞かせください。 プロデューサーからの提案でいくつか須田さんの楽曲を聴かせて頂きました。どの曲も素晴らしかったのですが、中でも“Cambell”の楽曲やMVの世界観に、どこか『水曜日が消えた』の世界と共通したものがあるな、と感じてオファーさせていただきました。初めて“Alba”のデモ音源を聴かせていただいた時は、イントロとそこからの歌い出しまでの流れの空気感が、映画を観終えたあとの温度にちょうど良いかもしれない、と感じました。映画のエンディング曲には、その流れこそが一番大切だと個人的に思っていましたので、そこがきちんと押さえられている時点でもう大丈夫、と思いました。

須田景凪「Cambell」MV

━━吉野監督が須田さんの楽曲“Alba”から受けたインスピレーションはどのようなものですか? そのインスピレーションはMVにどのような形で反映されていますか? 2番の冒頭、《淀んだ夜の静けさ 理由もなく喉は渇く》という部分の歌詞が、自分の中で妙にひっかかるところがあり、そこから街灯の下を歩く靴、という最初のイメージが出てきたように思います。MVを作るにあたって事前に須田さんとお話しさせていただいた際に、「映画の世界観とどこか共通したものがあってもいい」という意見もいただきましたので、であれば、映画の主人公のように「入れ替わりながらも、ひとつである存在」が出せないか……と繋がり、そこから7種類の靴がコマ撮りアニメのように切り替わりながら夜道を歩く、という映像が見えてきたように思います。さらにそこに、回転させることで一連の動きが見えてくるゾートロープやフェナキストスコープといったアニメーションの技法が組み合わせて……と膨らみ、最終的には「曜日ごとにバラバラになった巨大なカレンダーを歩く靴たち」といったサビのシークエンスを含めた、全体が見えてきました。 ━━映像のプロとして、映像を制作する時に音楽はどんなポイントで重視していて、どんなところが大事だと感じますか? 音楽と映像、両者がぴったり同じ方向を向きすぎない、ということを大事に思っています。音楽には映像だけでは表現できないものを補ってほしいし、逆も同じだと思います。だからこそ、音楽と映像には常にいい意味での緊張感がほしいというか、ベタベタ馴れ合わない関係でいてほしい、というか。そんな2つがたまに、ある瞬間にだけガッチリ噛み合ったりするからこそ、そこにしかない感情や感動が伝わるんじゃないか、と思います。

“Alba” MVより
“Alba” MVより

Text by 柴 那典

須田景凪 2013年より“バルーン”名義でニコニコ動画にてボカロPとしての活動を開始。 代表曲「シャルル」はセルフカバーバージョンと合わせ、YouTube での再生数は現在までに約8,000万回を記録しており、JOYSOUND の 2017 年発売曲年間カラオケ総合ランキングは1位、2017&2018年&2019年の年代別カラオケランキング・10代部門では3年連続1位を獲得し、現代の若者にとっての時代を象徴するヒットソングとなっている。 2017年10月、自身の声で描いた楽曲を歌う“須田景凪”として活動を開始。2019年1月、ワーナーミュージック・ジャパン内のレーベルunBORDEより1st EP「teeter」をリリース。8月には2nd EP「porte」をリリースし、オリコンウイークリーアルバムランキングでTOP5にランクインした。 楽曲は作詞、作曲、編曲全てを須田自身が手掛けており、中毒性のある予想外かつ大胆でありながら、隅々までこだわりの詰まったサウンドと、聴く人に絶妙な距離感で寄り添う歌詞とメロディーが、10代から20代を中心に若者から多くの支持を集めている。 HP
TwitterLINEYouTube

RELEASE INFORMATION

Digital Single「Alba」

6月5日(金) 配信開始

ストリーミング/ダウンロードはこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

YAMAMOTO×IKUTA VOL.1|FOXXY

$
0
0

男の人をまどわすような美しい人="foxy" "foxy"が2人同じ空間に存在した時、見た者は強力な威圧感・圧倒的な美を体感するxx=2

PROFILE

Chiiiii

Instagram / Twitter

Reina Shimamoto

Instagram

Hiroshi Yamamoto

bloc_japon / bloc_yamamoto

生田嘉希

VOGUE

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

リアルとバーチャルのシナジーが生まれたFISHMANS AR LIVE<INVISIBILITY>

$
0
0
フィッシュマンズ

今年4月、5G時代の新たなエンタメ創出を目指す「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」(au 5G)がライブストリーミングスタジオ「DOMMUNE」とともに、5G時代の動画配信プラットフォーム「SUPER DOMMUNE」を渋谷PARCOにリニューアルオープンした。 次世代の配信の形を模索するこの場で、6月14日(日)に初めてのコラボARライブ<INVISIBILITY>が開催された。日本屈指のダブ・バンド、フィッシュマンズが出演。この度Qeticでは、この最新エンターテイメントのライブレポートを実施した。 そんな未来を予感させるARライブが、6月24日(水)再びSUPER DOMMUNEにて開催される。次回は4thアルバム『anima』をデジタルリリースするDAOKOが登場。今回のレポートを読めば、24日のARライブへの期待感も一層高まるはずだ。

IAF & DOMMUNE Presents FISHMANS AR LIVE <INVISIBILITY>レポート by 柴 那典

音楽×テクノロジーで「見えないもの」に力を宿らせる。現実に魔法をかける。 そういう瞬間を生み出すためのトライが、そこには確実にあった。最新技術を使った「AR LIVE」という新たな形のライブカルチャー。でも大事なのはテクノロジーそのものではない。それを用いてどんな体感をもたらすかだ。そこに“神秘”が宿るかどうかだ。 6月14日、フィッシュマンズが行ったAR LIVE<INVISIBILITY>は、そういうことを感じさせてくれる時間だった。 場所は「SUPER DOMMUNE tuned by au 5G」。宇川直宏の主宰するDOMMUNEと、au 5G(KDDI)・渋谷未来デザイン・渋谷区観光協会を中心とする「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」による新たなプラットフォームだ。リアルな“場”としては渋谷PARCOの9Fに設けられたスタジオフロアであり、バーチャルな“場”としては最先端テクノロジーを活用した5G時代の動画配信チャンネルでもある。 つまり、90年代から日本の音楽カルチャーを牽引し、また多くのテック企業が拠点を構える渋谷という街を拠点に、リアルとバーチャルのふたつのレイヤーを“対立”ではなく“共存”もしくは“重ね合わせ”の構造として発信していく場が「SUPER DOMMUNE」なのである。 このプラットフォームを用いた渋谷5GエンターテイメントプロジェクトとDOMMUNEの最初のコラボレーション企画として開催されたのが、今回のフィッシュマンズによる拡張現実化ライブ。もちろん、最初に彼らに白羽の矢が立ったことにも、ちゃんと意義とコンテキストがある。それは、彼らがまさに“見えない魔法”を歌い続けてきたバンドであるということだ。それは、作詞作曲を手掛けてきたボーカリストの佐藤伸治が描いてきた詩世界そのものにも、そして1999年に彼が逝去した後もその言葉を精神的な支柱にしながらドラマーの茂木欣一を中心に形態を変え活動を続ける現在のバンドのスタンスに対しても言えることだ。 開演は予定より遅れた22時。この日のDOMMUNEのイベント第一部として行われた“ポストパンデミックの世界”をイメージするトークセッション<み・え・な・い・も・の>が終わると、フロアには茂木欣一(Dr, Vo)、柏原譲(B)、HAKASE-SUN(Key)、木暮晋也(G)、dARTs(G)に加えて、第一部にも出演したエンジニアのZAKが登場。ゲストボーカリストにクラムボンの原田郁子を迎えた7人編成だ。

フィッシュマンズ

音楽は、見えないもの。それを今からやっていきます」とZAKが告げ、メンバーたちが輪になって演奏を始める。序盤に披露したのは“チャンス”からデビュー曲の“ひこうき”など初期の楽曲が中心だ。MCでは「みんなで合奏するの、いいね。合わさって、奏でて」と茂木が笑顔を見せる。集まって音を鳴らすこと、大きな音を浴びること、そういう根源的な気持ちよさに包まれているような表情だ。その様子にオーディエンスがライブチャットで参加する。中盤では94年以来ほとんどライブではやっていないという“MY LIFE”などレア曲も披露された。 演出も、非常に印象深いものだった。 ライブを通して、フロアには様々なオブジェが浮かんだり、光がキラキラと舞ったりしていた。演奏するメンバーの後ろにはLEDビジョンが置かれ、様々な映像が映し出される。そしてAR空間にそれと連動するようなイメージが現出するという仕組みだ。

フィッシュマンズ
フィッシュマンズ
フィッシュマンズ

ARの演出を担当したのは、第69・70回NHK紅白歌合戦など数々の舞台で映像演出を行ない、現実世界にバーチャルな空間をインストールする試みを行ってきたクリエイティブ集団「stu」だ。技術面でのポイントは、現実空間とバーチャル空間に一体感をもたせること。今回のライブでも、カメラで撮影した映像にただCGを乗せるのではなく、フロアの空間データをシステム上に再現し照明などの操作と連動することで、現実空間の光がAR空間のオブジェに当たっているかのような効果をもたらしていた。さらに遠隔でパン、チルト、ズームを操作することができるPTZカメラを用いて撮影された映像にリアルタイムでグラフィックをレンダリングすることで、動きのある表現が生まれていた。

フィッシュマンズ
フィッシュマンズ
フィッシュマンズ
フィッシュマンズ

そうした演出と、音楽のマジックが交差してクライマックスに達していたのが、終盤の3曲だった。 “いかれたBaby”では背景に彗星の映像、バーチャル空間に軌道に沿って回る惑星が登場し、宇宙の真っ只中で演奏しているかのようなイメージを作り出す。“ナイトクルージング”では無数のAR花火が画面いっぱいに打ち上がり、メンバーたちの姿にオーバーラップする。ラストの“夜の想い”では、AR空間に三角錐のミラーが回転し、現実空間のフロアを鏡像のように映し出しつつ、ピンク・フロイド(Pink Floyd)『狂気』のジャケットのようなプリズム光線を生み出していた。「フロアのLEDビジョンに映し出された映像」と「その映像を背後に輪になって演奏するメンバーたちの姿」と「現実空間には存在しないはずCG」が重なり合うことで、幻想的な空間がそこに生まれていた。

フィッシュマンズ
フィッシュマンズ
フィッシュマンズ

今回のフィッシュマンズが行ったAR LIVE<INVISIBILITY>は、間違いなく、今後の時代におけるライブエンターテイメントの一つの可能性を見せるものになっただろう。 コロナ禍によって、以前のように人が密集するということ自体が大きなリスクとみなされるようになった。ライブハウスやクラブなどのベニューは新たなガイドラインのもとで営業再開に向かっているが、身体的な接触を避けソーシャルディスタンシングを保った状態でのリスタートは、そもそものライブ体験としてもかつてのものとは違うものにならざるを得ない。アリーナやスタジアムでの大規模公演が元通りの形で再開するのも先のことになりそうだ。長期的にライブエンターテイメントが大きな打撃を受けるのは間違いない。 その一方で、オンラインライブのプラットフォームは一気に広がりを見せ、新しい文化様式として定着しつつある。COVID-19の感染拡大が終息し、以前のような日常が戻ってきたとしても、オンラインライブはおそらくエンターテインメントのもうひとつの選択肢として存在し続けるだろう。 そうした「アフターコロナ」のライブの未来には様々なパターンが予測できる。たとえば以前にもあった映画館のライブビューイングの延長線上の発想で、一つのステージに「現場組」と「配信組」の二つのオーディエンスが集まるタイプの公演もあるだろう。一方で、1200万人以上が参加したトラヴィス・スコット(Travis Scott)のFortniteでのライブのように、完全にライブ空間をバーチャル化し、仮想空間(メタバース)に演者もオーディエンスもアバターとなって体感を共有するタイプのイベントもあるだろう。 フィッシュマンズが行ったAR LIVE<INVISIBILITY>は、そのどちらとも違う、かつ両方に通じ合うような新しいライブの可能性を示唆している。現実空間とバーチャル空間を重ね合わせることで、オンライン上に「ステージと客席を隔てる“第四の壁”が壊された空間」を作り上げることが可能になる。 まだまだ技術的なハードルは高いとは思うが、今後5Gのテクノロジーが普及していけば、AR空間にあらかじめプログラミングされたオブジェだけでなく、オーディエンスのインタラクションによってリアルタイムに変化する演出を加えることも可能になっていくだろう。 2020年は結果として「未来を加速させた1年」になった。そう後に振り返られるかもしれない予感を抱いている。

フィッシュマンズ
フィッシュマンズ
フィッシュマンズ
フィッシュマンズ
フィッシュマンズ
フィッシュマンズ

Text by 柴 那典

EVENT INFORMATION

DAOKO 4th ALBUM「anima」Release Talk & Live

2020年6月24日(水) SUPER DOMMUNE START 20:00/END 22:00(予定) TALK GUEST:DAOKO&片寄明人 LIVE GUEST:DAOKO 価格:無料(投げ銭制) 配信リンク:coming soon

詳細はこちら 渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.


時代の痕跡を発掘し、新たな痕跡を残すこと。━━━Rei × HYSTERIC GLAMOUR 北村信彦 対談

$
0
0
Rei × HYSTERIC GLAMOUR

時代の痕跡を発掘し、新たな痕跡を残すこと。

東京モード学園への入学を機にファッションの道へと誘われた『HYSTERIC GLAMOUR』デザイナー・北村信彦。モード学園(東京・大阪・名古屋)の最新CMに描きおろし楽曲を提供したシンガーソングライター・Rei。 当初は「モード学園」という共通項のもと組まれた、異世代・異業種の対談……のはずだったが、我々の予想以上にシンクロ率の高いトーク・セッションが生まれてしまった。 アプローチやアウトプットの手段は異なれど、60年〜70年代の混沌としたカルチャーシーンへのダイビングを重ね続けた二人。彼らが勢いよく前進するためのキーワードはまさに「発掘」だ。 自分の視野を広げ、カルチャーを開拓し、吸収する。そういったハングリーさを保ち続けることの重要さに気づく対談となった。

Rei × HYSTERIC GLAMOUR

Rei × HYSTERIC GLAMOUR デザイナー 北村信彦

60〜70年代はカルチャーが越境しあって、混沌としている様子が面白い

北村信彦(以下、北村) Reiさんは何歳から音楽を始めたの? Rei 4歳です。NYに住んでいた時、テレビで女性がギターを弾く姿を観て「これを買って」とクラシックギターをおねだりしたことがきっかけでした。そこからロックやブルーズに興味を持つようになりました。 北村 モード学園の新曲や過去のPVを見て、「ギターうま!」って思って(笑)。結構渋い音を出すというか。ピンときたのが、ジョニー・ウィンター(Johnny Winter)だったんだよね。でも、周りの影響ではなくて、自ら入っていったんだ。すごいね。 Rei 当時、日本語も英語も中途半端で、自分にとっての「言語」が存在しなかったんです。人や外界とのコミュニケーションツールとして、音楽という言語を手に入れていった、という感覚です。ノブさん(北村)が音楽に目覚めたのはいつ頃でしたか? 北村 中1くらいからかな。ちょうどキッス(KISS)やクイーン(QUEEN)、エアロ・スミス(Aerosmith)が日本に上陸してきた頃。ザ・ランナウェイズ(The Runaways)のようなガールズバンドが来日したりしていた時代なんだよね。ジョニー・ウィンターはどちらかというと後に聴いた音楽だったな。ビートルズ(The Beatles)も僕の世代より少し上だね。 Rei 私、ビートルズの影響は外せないんですよね。60年代全般の音楽にすごく影響受けていて。60〜70年代はカルチャーが越境しあって、混沌としている様子が面白い。そういうコミュニティがあった事に興味があります。 北村 音楽業界は75年~76年あたりがピークだった、って話も聞くね。まだレコードの時代。NYやロンドンでパンクロックのムーブメントが勢いつけてて、ハードロック、ヘビーメタル、プログレも全盛で、ディスコやレゲエ、ジャズ、ファンクまで本当に盛り沢山な時期だと思う。 逆に、僕らがブランドを始めた80~90年代はダンスミュージックやエレクトロが注目されてきていて。当時の自分達にとっては、チャラすぎた部分があった。逆に60〜70年代のレアな音を探して自慢しあったりするようになった。今の若者も80〜90年代を掘るようになっているよね。最近だとザ・ホワイト・ストライプス(The White Stripes)、ザ・ラカンターズ(The Raconteurs)のジャック・ホワイト(Jack White)も、過去に向かって突き進んでる。 Reiさんの時代はヒップホップが主流なんじゃない? 中学・高校時代とかどうだった? Rei アヴリル・ラヴィーン(Avril Lavigne)、グリーン・デイ(Green Day)といったポップパンクが人気だったかも。カニエ・ウエスト(Kanye West)やエミネム(Eminem)のファンもいました。でも私は自分の好きなものを追求していたからか、孤立していて(笑)。流行っている曲も聴きながら、並行してロバート・ジョンソン(Robert Johnson)やジョニー・ウィンター、ニール・ヤング(Neil Young)を聴いていましたね。

Rei × HYSTERIC GLAMOUR
Rei × HYSTERIC GLAMOUR

今のヒップホップには、70年代パンクに通じる感覚がある

Rei ノブさんは、普段洋楽を聴くことが多いんですか? それともいろんなジャンルを幅広く聴いてますか? 北村 もともとは英語圏の洋楽にしか興味がなかった。でも、音楽の中の細かなジャンルまで掘りつくした時に、自分の国の音楽を何にも掘っていないことに気付いて。最近は友人からアドバイスをもらいながら日本の音楽も聴き始めた。 最初は日本語のロックにすごく抵抗があったね。車を運転しながら音楽を聴くことが多いんだけど、信号待ちになると恥ずかしくなって音量下げたりとか。そのうち抵抗がなくなって「日本語いいな」と思いはじめたら、ジャンル関係なしに歌謡曲や演歌も聴くようになった。 Rei ヒップホップはどうですか? 私はロックやブルーズが好きで育ってきたので、ヒップホップに対してのちょっとした抵抗もあったんです。でも、そのルーツを辿っていくと、ヒップホップ自体が温故知新の音楽なんですよね。 古いジャズのレコードをループし、リリックを乗っけるところから派生してR&Bになっていたりするから、そういう意味では「同じ糸と生地を使っているけど、パターンが違う服」みたいな考え方だと理解できて。親近感が湧いたんです。 北村 ブランドを始めた直後の90年代にちょうど日本にもストリートカルチャーが入ってきて、そういったメンズブランドは増えるだろうとも思っていた。だからこそヒップホップはあえて避けてきたし、元々興味は無かった。 でも、日本のロック史をある程度聴き終わった頃、友人から「トラップとかも好きなんじゃない?」と言われて、聴き始めるようになって。そこから日本のヒップホップアーティストの音源や映像を観ているうちに興味が出てきた。 Rei どういうところが面白いと思いました? 北村 オタクでニューウェーブな感覚の連中もいるんだと知ったら楽しくなってきた。90年代にDJカルチャーが入ってきたときの、イギリスやアメリカの若者が作っていた音づくりに似ている気がしたんだよね。 今、アニメカルチャーや地下アイドルカルチャーをミックスして違う形に変えていって、新しいヒップホップを作る動きもあるでしょう。あれも、70年代にパンクバンドが出てきたときの感覚と似ているなと。 Rei 最近、私も「ヒップホップのアティチュードはロックだな」と思うことも多いんですよね。サウンドや手法はヒップホップだけれど、精神性はロックだと思うことが多い。 北村 若いヒップホップアーティストも「HYSTERIC GLAMOURが好きなんです」と言ってくれたりして。自分のことを「ロックスターです」と言っている人もいる。また面白くなってきたなと感じるね。

Rei × HYSTERIC GLAMOUR

ジャケットの情報をもとに、新たな世界を広げていくこと

Rei ノブさんのお話から、系譜をたどる面白さはもっと伝えていきたいなと思いました。でも、逆に、ブランドを立ち上げた頃とかは海外のカルチャーをどうやって吸収していったんですか? 北村 本当は海外の生活で吸収したかったんだけど、ブランド立ち上げのタイミングだったのもあって、日本を出るチャンスを逃した。なので、海外生活はない代わりに、海外の環境をこっちで作ることで補完してた。ロンドンやパリ、ニューヨークからモデルとして来日していた若者と一緒に住んだりして。多い時は6人くらいと同居してたかな。家でも会社でも英語、遊びに行くのも外国人という生活を、28歳頃までしてた。 元々、アジアで生まれたことにコンプレックスを感じていて、自分が海外に興味を持つほど日本人ってダサいなと思っていた。でも、彼らから日本のいいところも改めて教わったし、その5年間くらいがなければ今のカタチにはなっていなかったと思う。 Rei 友達から教わって日本の良さに気づいた時、作っているデザインに影響はありましたか?ブルーズやロックなどの洋楽に影響を受けているので、「自分のオリジナルの表現は何か」と言われた時に、いまだに自信を持てるところと持てないところがあって。 「自分が日本人」というところは変わりなくて、無意識的に自分の和モノ感は出ると思うんです。でも、「先人たちよりオリジナルな部分は何か」と言われたらわからなくなる時があって。そういう部分をどうやって考えてらっしゃるのか、気になっていました。 北村 全部が全部は認められなかったよ。でもカラオケやゲーセン、アニメとか、自分が「恥ずかしい」と思ってる日本の文化を、外国人は逆に「ジャパニーズカルチャー」としてピックアップした。向こうの人からしたら、ものすごく憧れる文化なんだなと思って。 もちろん90年代くらいまでは、そういう取り上げられ方をすること自体に複雑な気持ちもあったけどね。「オタクカルチャー=アキバ=ダサい」というのがあって。でも、今はどのデザイナーも中野ブロードウェイ、神保町には必ず行く。そこで何を探すかというとそのひとつに日本の90年代のカルチャーの雑誌。まさか当時、そうなるとは思っていなかったよね。 それにしても僕が20歳くらいの時は、情報源なんて何冊かの音楽雑誌かラジオしかなかったから、Reiさんたちの世代が、どうやって情報を掘っているのかがすごく気になるんだよね。 Rei 結構、YouTube世代というか。YouTubeやサブスクリプションが生まれ、文献やラジオ以外に音楽を発掘できるツールを手に入れた世代ではあるんです。 その一方で、CDやレコードのクレジットを見て、60年代のロックから戦前のブルーズまで聴くような掘り方もしていて。両軸から知識を深めていきました。 北村 一番音楽を聴いていたツールはCDから? それともYouTube? Rei 私はCDが一番多かったです。聴きながらブックレットをみるのが昔から好きでした。シンガーの作品でも、どういうバックバンドが演奏しているんだろう、ってクレジットが気になっちゃう。 レコードのクレジットも見て「この人はどういう人に影響を受けたのか」とか。「クリーム(Cream)がクラシックブルーズの曲をカバーしているから、その原曲を聴こう」とか。 北村 CDなんだね。自分たちの頃は聴く手段がレコードが中心だった。でも、それが良かったんじゃないかなって思ってる。レコードはバンドのキャラも重要視されるけど、音と歌詞とジャケットのアートワークが組み合わさる総合芸術だったから。 家に帰って音を聞きながら、レコードのジャケットの情報を全部チェックして、アートディレクターや写真家、グラフィックデザイナーにも興味が飛び火していった。それをさらに調べていくと新しい情報が入って、自分の興味のある枠を広げていった。それによって想像力も高まったと思う。一方でネットは便利だけど、すぐに情報が出てきてしまう。想像力を養うためにはどうなんだろう、と不安に思うときがある。

Rei × HYSTERIC GLAMOUR

「2020年の痕跡を残すため」 フィジカルの大切さ

Rei 私は利便性が重要視されすぎていることに違和感を覚えてます。ヴァーチャルで体感は得られないじゃないですか。買いに行く行為とか、パッケージを開ける行為とか。 ミュージシャンの中では「フィジカルで買う」ということを提唱していきたい派が私を含め多いんですけど、ファッションって音楽よりもさらに体感を得る行為だと思っていて。実際に傾向としてみんな通販で買う人は増えているんですか。 北村 通販は増えてる。僕らもお店で実際に触り、着てもらって選んでもらいたいと考えてはいたし、通販は最初信じられなかった。 でも気がついてみると自分もだんだんCDや本も通販でしか買わなくなってしまった。そういう「通販で買うもの」の1つに洋服が含まれるようになるのも時間の問題だなと……。いや、もうそうなってきてしまっているね。 Rei 「ありえない」と思っていた価値観が当たり前になっていくことに戸惑いがあります。パンツなんてお店で着てからでないと絶対に買えないと思ってた。 そういう意味では、「店舗に行って服を買う」「バイヤーがPOPを書いたCDやLPを買う」という体感を得ることの価値観を、もう一度みんなにプレゼンするアーティストになりたいです。 北村 今は配信メインでCDすら作らないミュージシャンもいれば、ダウンロードでしか音楽を聴かない人もいるらしい。けど、本人やその子の周りでファッションに興味のある子たちは、意外と90年代の古着や雑誌を収集している。ネットじゃその時代のカルチャーが伝わってこないらしいんだよね。 出来上がったものが何か形にならない限り、これからの若い人が2020年の文化を掘れなくなる。「CD1つや雑誌1冊も出てこない、となったときのことを考えるとダメでしょ」という話は今の若い子達とよくするね。 Rei 確かにそうなんですよね。もし明日インターネットがなくなったら、私が作っていた作品の中で、ネット上にある触れることができない物が全て一瞬にしてなくなると思うと本当に怖くなる。 北村 今じゃなくてこれからの若者のために、何かしらをフィジカルで残す。トレジャーハンターじゃないけれど、どこかに行って発掘する感覚を味わせてあげないともったいないよね。

Rei × HYSTERIC GLAMOUR

固執せずに長く引っ張っていける筋を見つけること

Rei ノブさんはそこまで音楽やカルチャーのことを深く掘って考えていらっしゃるのに、ミュージシャンの道は考えなかったんですか? 北村 というか、最初は美容学校に行こうとしていたからね。 Rei えっ、そうだったんですか! 北村 自分で演奏できたら、音楽をやっていたんだろうけど。そっちの才能は早くから諦めていた。美容師であれば自分が影響を受けたアーティストとも仕事ができるかも、と思ってた。それでちょうど美容学校に行こうとしていた直前に、東京モード学園を見つけて。それで服飾に切り替えたんだよ。 Rei モード学園を選んだのはなぜですか? 北村 たまたまテレビを観ていたらモード学園のCMが流れて、「何だこの学校?」と思ったのがきっかけ。ちょうど開校した年だったんだよね。西新宿からも近かったし、いいなと思って。 Rei 西新宿? 北村 当時、西新宿がレコード屋の聖地だった。当時はタワーレコードもなかったので、輸入盤を探すのもだいたい西新宿。頻繁に通っていたから、そこに近い学校がいいなと思ってね。 Rei じゃあ行こうとしていた美容学校も? 北村 代々木。モード学園の方が西新宿に近かった(笑)。レコード屋の帰りにモード学園を訪ねた時、当時の学長・谷まさる先生がたまたまいて、学校の中を案内してくれた。高層ビルの43階だったから、周りの景色が全部小さく見えてびっくりしたのは覚えてる。 ただ、美容学校への入学準備もある程度終わっていたし、あとは学費を払って道具をもらうだけっていうタイミングで。「今からでもこの学校入れますか」と谷学長に聞いたら「大丈夫」と言われて。そこから願書をもらって、家で親を説得し、モード学園に決まった、って感じ。 Rei そこからファッションの道に入ったんですね! ちなみにノブさんは、プライベートなどでファッションから距離をおきたい時は何をされていますか。自分がプライベートの時間を過ごす時、どうしても音楽を頭から追い出せない時があって……。 北村 どちらかというとずっと離れているんだよね……。実はそんなに洋服は好きじゃない。 もちろん季節柄、ハイテクアイテムとかが欲しいときはあるけど、基本的には同じ型のパンツやTシャツを何枚も買って着てる。だって漫画のキャラクターってずっと同じ服じゃん。自分は作る側だし。 それに一度スタイルが決まれば、自分のキャラが定着して、仮にTシャツが許されないような場所でも、Tシャツで過ごせるようになるのは良いよね。 それよりも、掘りたい曲がない時の方がノッてこなくて困る。ジャンル関係なく、ハマれる音がないと、作業が進まないね。

Rei × HYSTERIC GLAMOUR

Rei コレクションごとに聴く音楽を固定することはあるんですか? 北村 それはないね。そもそも、デザインするものはコレクションごとにあんまり変わらない。というのも、学生のころ毎回テーマ変えてやっているデザイナーを見て「僕はこんなのは嫌だ」と思ったんだよね。むしろ農業や和菓子屋、豆腐屋みたいな職人感覚で、淡々とスタンスを変えずに服を作れたらいいなと思っていた。 だから、出来上がってしまうとどうでも良くなるね。作ったものを取っておくこともしないし、なんなら恥ずかしくて見たくない時もある。その分、作ることに関しては間違いないように、クオリティを良くすることに敏感にはなるけど。 Rei 固執しないことが、集中したい時にダイブインする秘訣なんですね。 北村 イチから自分だけで仕上げる作業ではないからね。パターンはパターンに長けた人に、縫製は縫製のプロにやってもらう。自分はディレクションしながら、発想を拾うことに徹するだけ。 例えばテレビを見ている最中に何かを見つけたら、見間違いでもいいからテレビを止める。それはずっとくせになっているね。気になったものは写真で記録しておいて、寝かしてから「本当に大事だったのか」を確認する。 自分が作ったものに関しては、買ってくれた人が着てるのをたまたま見た時に、また違う発想を得たりする。本人の歌では気づかないけど、第三者がカラオケとかで歌っているのを聞いたときに、歌詞の良さを感じるようなね。自分が作った服を知らない誰かが着ていて、すごいそれが似合っていたりすると「意外にいいじゃん」ってなる。 Rei すごくインタラクティブですね。私も「たくさんの人に愛してもらえるものと、自分がものすごく好きなものの最大公約数」を解明するために、仕事として音楽を作っているところがあります。受け取った人の反応によってはじめて作品が完成したと感じることもあるし、自分が刺激をうけることもある。おっしゃっていることはとてもよくわかりました。 ノブさんのようにファッション1本だけではなく、多角的な視点を持つプレイヤーは、すごく魅力的だと思うんです。実際、私がミュージシャンから影響を受ける時も、必ずしも音楽だけじゃない。その人のファッションや言動や価値観に共鳴することは多いです。 ヒステリックグラマーは、ただ「ファッション」という枠にとどまらず、音楽の領域にも通じていることが面白いブランドだと改めて思いました。 北村 学生時代から「自分が貫いた1つの筋がない限り、コレクションを長く続ける意味は無い」と思っていたから。じゃあ、自分が長く引っ張っていける筋は何か。それがミュージックカルチャーと、アメリカ・イギリスのサブカルチャーだった。それらを融合したものが長く続くと信じていたし、そう思って始めたのが今のブランドなんだよね。

Rei × HYSTERIC GLAMOUR

Text by Nozomi Takagi Photo by Kana Tarumi

Rei
Rei 卓越したギタープレイとボーカルをもつ、シンガー・ソングライター/ギタリスト。 兵庫県伊丹市生。幼少期をNYで過ごし、4歳よりクラシックギターをはじめ、5歳でブルーズに出会い、ジャンルを超えた独自の音楽を作り始める。 2015年2月、長岡亮介(ペトロールズ)を共同プロデュースに迎え、1st Mini Album『BLU』をリリース。 FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONIC、RISING SUN ROCK FESTIVAL、ARABAKI ROCK Fest、SXSW Music Festival、JAVA JAZZ Festival、Les Eurockeennes、Heineken Jazzaldiaなどの国内外のフェスに多数出演。 2017年秋、日本人ミュージシャンでは初となる「TED NYC」でライヴパフォーマンスを行った。 2019年11月7作品目となる 4th Mini Album『SEVEN』をリリース。 2020年4月3日に専門学校 モード学園(東京・大阪・名古屋)新CMソングの「What Do You Want?」をリリース。

HPTwitterInstagramFacebookYouTube

RELEASE INFORMATION

Rei

What Do You Want?

Rei 2020.04.03(金) デジタル・シングル ▼CM情報 専門学校 モード学園(東京・ 大阪・名古屋)2020年度TVCM"SEKAI MODE"篇 ・東京モード学園 https://www.mode.ac.jp/tokyo/mind/media大阪モード学園 https://www.mode.ac.jp/osaka/mind/media名古屋モード学園 https://www.mode.ac.jp/nagoya/mind/media ストリーミングはこちら

Rei - “What Do You Want?” (Official Music Video)

PRESENT INFORMATION

Rei × HYSTERIC GLAMOUR

サイン入り『What Do You Want?』クリアファイル プレゼント!

リリースを記念してReiがデザインしたオリジナルクリアファイルを抽選で5名様にプレゼント。本人の直筆サイン入り! ▼メールでの応募方法 「応募する」ボタンをクリック後、お問い合わせフォームより、お問い合わせ内容を「プレゼントのご応募」とし、メッセージ本文に下記必要事項を明記のうえご応募ください。 1)ご希望のプレゼント:『What Do You Want?』クリアファイル 2)お名前: 3)住所:〒 4)メールアドレス: 5)電話番号: ※応募情報が未記入の場合は無効とさせて頂きます。 メールで応募する

▼Twitterでの応募方法 1)Twitterにて「@Qetic」をフォロー 2)下記ボタンよりこのページをRTして下さい。 ※当選者にはDMにてご連絡させて頂き、上記必要事項の確認をさせて頂きます。 ※フォローされていない方の応募は無効とさせて頂きます。 Twitterで応募する
▼応募期間 2020年6月23日(火)〜30日(火)23:59まで ※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

人と人、音楽で紡ぐプレイリストリレー|Vol.3 堀川達郎「Riverbed:」

$
0
0
プレイリスト JULIUS 堀川

「人とつながる、音楽でつながる」をテーマに、アーティストやクリエイターが紹介するプレイリストがバトンとなり、次々と絆ながるプレイリスト連載企画。DJ/音楽プロデューサーのNAOKI SERIZAWAがホストとなり、ウィズコロナ、アフターコロナ時代のクリエイティブについてゲストに話を訊きます。 この数ヶ月、当たり前の生活が突如として変わり、それは世界共通の認識として“変わらざるを得ない新しいルール”として私たちの生活にやってきました。行きたいところへ旅すること、会いたい家族に会いに行く、フェスやクラブ、ライブ会場で音楽を楽しむことも当たり前でないものにーー。 この困難な時期、より良い世界に向かえるよう、音楽を通して人と人、想いと想いが世界で繋がっていくことを願います。 第3回目に登場いただくのは、ファッションブランド「JULIUS(ユリウス)」を手がける堀川達郎氏。ファッション領域のみならずアートや音楽への造詣も深く、そのフィロソフィーを常にデザインとして落とし込みメッセージを投げかけています。コロナ禍を経ての堀川氏の考え、想い、そして選曲いただいたプレイリストについてなどを語っていただきました!

NAOKI SERIZAWA × JULIUS デザイナー 堀川達郎

プレイリスト JULIUS 堀川

NAOKI SERIZAWA(以下 SERIZAWA) 緊急事態宣言中はどのように過ごされてましたか? 堀川達郎(以下 堀川) 緊急事態宣言中はデザインしてないよ。2ヶ月オフ取ったような感じ。人生で一番長いオフだった。俺はこのタイミングで、身体と心を休めることをしていた。ポジティブに生きていくために。毎日代々木公園に行って、4時間くらい本を読んでたよ。 SERIZAWA どんな本を読んでたんですか? 堀川 樋口恭介の『全て名もなき未来』と、シャルル・フレジェ(Charles Fréger)の『WILDER MANN』。この本が次の「JULIUS」のコレクションのテーマになった。この本に出てくる「マムトネス」っていうのが、イタリアのサルデーニャ島に云い伝えられてる神の使いなんだけど、彼らは独特な衣装を身にまとい、生命の輪廻や季節のめぐりを祝うんだよね。次は祝祭的なコレクションにしたかった。だから「マムトネス」ってタイトルで収穫をテーマにした。 SERIZAWA コロナ禍によってたくさんのことが制限されましたよね。人と会うことや同じ場所を共有する喜び。そういった物理的なものを制限された反動もあって収穫をテーマにしたんですか? 堀川 どうだろうな。もっと精神的なことだな。収穫とは、精神的な実りだよね。 SERIZAWA なるほど。STAY HOME中って考える時間が多かった分、精神的な収穫はたくさんありましたよね。当たり前にあったものの尊さへの気づきだけではなく、これまでの価値観をひっくり返すような、ニューライフスタイルへの気づきというか。 堀川 そうだね。そういう意味でSTAY HOMEは良かったと思うよ。この期間中、大切なものに気づいた人は結構いると思う。俺にとっては、それが“精神の解放”だった。人生において、精神を解放するということがどれだけ大切なことかがわかった。15年前に訪れたチベットと8年前にスリランカに行った時にも似たような“開いた”感覚があったんだ。でも、東京に帰ってきて忙しい日々に追われる中で忘れちゃって、それで鬱病になって。でも今回のコロナで確信に変わったから、俺は絶対に忘れない。それもあって、住居を海の方に移すことにしたよ。俺は、それが最先端でファッショナブルな行動だと思ってる。

プレイリスト JULIUS 堀川

SERIZAWA 自分のライフスタイルをデザインするというか。この気づきを元に、自分の考え方やライフを変えられるように行動できるかが重要ということですよね? 堀川 そうだね。それこそいま出てるコレクション[DUKKHA;](FALL-WINTER 2020 COLLECTION)は、精神の解放を目指して作ったけど、いま思えばあの時はまだ解放できてなかったな。 SERIZAWA 環境を変えることが自分を変える近道だったりしますよね。僕自身旅をすることで得た音楽的なインプットが今の自分に大きな影響を与えてると思います。 堀川 それこそモロッコから帰ってきて、その時の気づきで作ったコレクションが[sefiroth;]だった。トライバルなアフリカン呪術をイメージした。瞑想的というか、儀式的って方が正しいかな。リチュアルなイメージ。 SERIZAWA 「JULIUS」の中でもすごく好きなコレクションです。僕も逗子とか鎌倉や葉山に引っ越したいと思ってます。あの辺ってマインドフルネスを追求してる人が多いですよね。 堀川 うん。マインドフルネスの聖地。あんまり人に言ってないんだけど。俺もここ2年間くらいよく瞑想するようになったから。特に、その影響がこの春のコレクション[Afangar;](SPRING-SUMMER 2020 COLLECTION)に色濃く出てる。

プレイリスト JULIUS 堀川

堀川達郎 プレイリスト・テーマ「Riverbed:」

SERIZAWA 今回のプレイリストについて詳しく教えてください。 堀川 [Afangar;]のPVの曲をやってくれたコリー・フラー(COREY FULLER)が、コロナウィルスで亡くなった方への追悼の意を込めて作曲した“Da pacem Domine”って曲があって、この曲を軸にプレイリストを作ったんだ。このタイトルがクラシック用語で「レクイエム」という意味で、結構悲しい曲なんだけど、このヒストリカルな曲を最後に持ってきて、他は空間を埋めるような粒子っぽい感じで並べた。他の曲もコロナ中にずっと聞いてた曲。イメージとしては、体に浸透していくようなテクスチャの滝から溢れ出るイオンみたいな。 SERIZAWA 最後の質問なんですけど、いまwithコロナ時代に達郎さんが表現したいクリエイティブってなんですか? 堀川 サイバーパンクだよ。ブレードランナーとか世紀末的な。そこに精神的なスピリチュアルな要素を加えていきたい。サイバーパンクとスピリチュアルはミックスしないんだろうけど、対比してるからオレが成り立ってる。「JULIUS」が、俺の表現自体がずっとそうやってきたから。

プレイリスト JULIUS 堀川

COREY FULLER“Da pacem Domine”

プレイリスト JULIUS 堀川
堀川達郎|Horikawa Tatsuro 1996年、サードストーン設立。この当時はグラフィックデザインを中心に活動する。97年には自身のファッションブランド「nuke」を立ち上げる。2001年、「ユリウス:JULIUS」を設立。怒りと痛みのシンボルである黒とグレーを基調としたコレクションで、世界中で人気を集めている。

HPInstagram

Naoki serizawa プレイリスト
NAOKI SERIZAWA 東京を中心に音楽活動をするDJ/音楽プロデューサー。NYのアーティストコレクティブ兼レーベル〈CREW LOVE Records〉よりデビュー。これまでにアジアはもとより、ヨーロッパや南米など世界各地の20都市以上でプレイを重ねてきた。ここ日本では<FUJI ROCK FESTIVAL>に6年、<Ultra Japan>に4年連続で出演。ブルックリンのTHE LOT RADIOやイタリアのm2o RadioのSignal Hillsのゲストミックスに出演するほか、国内でもJ-WAVEやInter FM、DOMMUNEなでライブミックスを公開してきた選曲のスペシャリスト。2020年、USのレーベル〈WOLF+LAMB Records〉より“El Final Del Verano”と“Yesterday”の2枚のシングルをリリース。

FACEBOOKInstagramLinktree

プレイリストVol.2 KOSUKE KAWAMURA

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

YAMAMOTO×IKUTA VOL.2|Molting

おうちでつなぐプレイリストリレー|Vol.1 NAOKI SERIZAWA「Beautiful Morning」

$
0
0
Naoki serizawa プレイリスト

4月の非常事態宣言から大型連休と、“家で過ごす”ことが生活のひとつの約束事になった。 そこで生まれた言葉「STAY HOME」。家族、仲間と集まることができない中、「音楽でつながる」ことをメッセージとしてはじまるこのプレイリスト企画。アーティストが「共有したい空間のテーマを選んで」それを表す音楽のプレイリストを紹介していきます。 この企画の発起人であり、今回のトップバッターを飾るのは、音楽シーンで多くの出逢いから、自身の活動のなかで人と人を繋ぎ、DJとして世界中で音楽を届けてきたNAOKI SERIZAWAQetic × NAOKI SERIZAWAによる本プレイリスト企画では、アーティストやクリエイターが紹介するプレイリストがひとつのバトンとなり、次のアーティストに絆いでいきます。日本だけでなく世界ではまだまだ会いたい人に会えない日々が続く。そんな時こそ音楽で人と人、想いと想いが繋がっていくことを願います。

NAOKI SERIZAWA プレイリスト・テーマ 「Beautiful Morning」

今回のプレイリストのテーマは「Beautiful Morning」です。コロナウイルスの影響で、世界中の多くの人が様々な不安を抱えながら生活していると思います。人間は多面性を持つ生き物で、不安な気持ちに支配されると“見える世界まで暗く”なってしまう。僕自身そういう時に思考性がネガティブになりがちです。 そんなとき僕は、心のチューニング方法として朝一番に美しい音楽を聴くようにしてます。スローで心地の良いグルーヴに、透明感のある歌声や綺麗なメロディの楽曲が、その空間に流れる時間を穏やかにしてくれるから。先の見えない不安な時代だからこそ、1日の始まりにポジティブな感情のスイッチが入るような、そんなプレイリストをつくりました。

Naoki serizawa プレイリスト
NAOKI SERIZAWA 東京を中心に音楽活動をするDJ/音楽プロデューサー。NYのアーティストコレクティブ兼レーベル〈CREW LOVE Records〉よりデビュー。これまでにアジアはもとより、ヨーロッパや南米など世界各地の20都市以上でプレイを重ねてきた。ここ日本では<FUJI ROCK FESTIVAL>に6年、<Ultra Japan>に4年連続で出演。自身がレジデントDJを務める<LiLiTH>は、独創的なデコレーションとビジュアルアート、そして、SolomunやJaime Jones、The Martinez Brothersと言った世界最高峰のDJを招聘し、東京のアンダーグラウンドシーンで唯一無二の輝きを放っている。国内でも、J-WAVEやInter FM、DOMMUNEなどの番組でライブミックスを公開してきた選曲のスペシャリスト。2020年、USのレーベル〈WOLF+LAMB Records〉より“El Final Del Verano”と“Yesterday”の2枚のシングルをリリース。 FACEBOOKInstagramLinktree

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

人と人、音楽で紡ぐプレイリストリレー|Vol.3 堀川達郎「Riverbed:」

$
0
0
プレイリスト JULIUS 堀川

「人とつながる、音楽でつながる」をテーマに、アーティストやクリエイターが紹介するプレイリストがバトンとなり、次々と絆ながるプレイリスト連載企画。DJ/音楽プロデューサーのNAOKI SERIZAWAがホストとなり、ウィズコロナ、アフターコロナ時代のクリエイティブについてゲストに話を訊きます。 この数ヶ月、当たり前の生活が突如として変わり、それは世界共通の認識として“変わらざるを得ない新しいルール”として私たちの生活にやってきました。行きたいところへ旅すること、会いたい家族に会いに行く、フェスやクラブ、ライブ会場で音楽を楽しむことも当たり前でないものにーー。 この困難な時期、より良い世界に向かえるよう、音楽を通して人と人、想いと想いが世界で繋がっていくことを願います。 第3回目に登場いただくのは、ファッションブランド「JULIUS(ユリウス)」を手がける堀川達郎氏。ファッション領域のみならずアートや音楽への造詣も深く、そのフィロソフィーを常にデザインとして落とし込みメッセージを投げかけています。コロナ禍を経ての堀川氏の考え、想い、そして選曲いただいたプレイリストについてなどを語っていただきました!

NAOKI SERIZAWA × JULIUS デザイナー 堀川達郎

プレイリスト JULIUS 堀川

NAOKI SERIZAWA(以下 SERIZAWA) 緊急事態宣言中はどのように過ごされてましたか? 堀川達郎(以下 堀川) 緊急事態宣言中はデザインしてないよ。2ヶ月オフ取ったような感じ。人生で一番長いオフだった。俺はこのタイミングで、身体と心を休めることをしていた。ポジティブに生きていくために。毎日代々木公園に行って、4時間くらい本を読んでたよ。 SERIZAWA どんな本を読んでたんですか? 堀川 樋口恭介の『全て名もなき未来』と、シャルル・フレジェ(Charles Fréger)の『WILDER MANN』。この本が次の「JULIUS」のコレクションのテーマになった。この本に出てくる「マムトネス」っていうのが、イタリアのサルデーニャ島に云い伝えられてる神の使いなんだけど、彼らは独特な衣装を身にまとい、生命の輪廻や季節のめぐりを祝うんだよね。次は祝祭的なコレクションにしたかった。だから「マムトネス」ってタイトルで収穫をテーマにした。 SERIZAWA コロナ禍によってたくさんのことが制限されましたよね。人と会うことや同じ場所を共有する喜び。そういった物理的なものを制限された反動もあって収穫をテーマにしたんですか? 堀川 どうだろうな。もっと精神的なことだな。収穫とは、精神的な実りだよね。 SERIZAWA なるほど。STAY HOME中って考える時間が多かった分、精神的な収穫はたくさんありましたよね。当たり前にあったものの尊さへの気づきだけではなく、これまでの価値観をひっくり返すような、ニューライフスタイルへの気づきというか。 堀川 そうだね。そういう意味でSTAY HOMEは良かったと思うよ。この期間中、大切なものに気づいた人は結構いると思う。俺にとっては、それが“精神の解放”だった。人生において、精神を解放するということがどれだけ大切なことかがわかった。15年前に訪れたチベットと8年前にスリランカに行った時にも似たような“開いた”感覚があったんだ。でも、東京に帰ってきて忙しい日々に追われる中で忘れちゃって、それで鬱病になって。でも今回のコロナで確信に変わったから、俺は絶対に忘れない。それもあって、住居を海の方に移すことにしたよ。俺は、それが最先端でファッショナブルな行動だと思ってる。

プレイリスト JULIUS 堀川

SERIZAWA 自分のライフスタイルをデザインするというか。この気づきを元に、自分の考え方やライフを変えられるように行動できるかが重要ということですよね? 堀川 そうだね。それこそいま出てるコレクション[DUKKHA;](FALL-WINTER 2020 COLLECTION)は、精神の解放を目指して作ったけど、いま思えばあの時はまだ解放できてなかったな。 SERIZAWA 環境を変えることが自分を変える近道だったりしますよね。僕自身旅をすることで得た音楽的なインプットが今の自分に大きな影響を与えてると思います。 堀川 それこそモロッコから帰ってきて、その時の気づきで作ったコレクションが[sefiroth;]だった。トライバルなアフリカン呪術をイメージした。瞑想的というか、儀式的って方が正しいかな。リチュアルなイメージ。 SERIZAWA 「JULIUS」の中でもすごく好きなコレクションです。僕も逗子とか鎌倉や葉山に引っ越したいと思ってます。あの辺ってマインドフルネスを追求してる人が多いですよね。 堀川 うん。マインドフルネスの聖地。あんまり人に言ってないんだけど。俺もここ2年間くらいよく瞑想するようになったから。特に、その影響がこの春のコレクション[Afangar;](SPRING-SUMMER 2020 COLLECTION)に色濃く出てる。

プレイリスト JULIUS 堀川

堀川達郎 プレイリスト・テーマ「Riverbed:」

SERIZAWA 今回のプレイリストについて詳しく教えてください。 堀川 [Afangar;]のPVの曲をやってくれたコリー・フラー(COREY FULLER)が、コロナウィルスで亡くなった方への追悼の意を込めて作曲した“Da pacem Domine”って曲があって、この曲を軸にプレイリストを作ったんだ。このタイトルがクラシック用語で「レクイエム」という意味で、結構悲しい曲なんだけど、このヒストリカルな曲を最後に持ってきて、他は空間を埋めるような粒子っぽい感じで並べた。他の曲もコロナ中にずっと聞いてた曲。イメージとしては、体に浸透していくようなテクスチャの滝から溢れ出るイオンみたいな。 SERIZAWA 最後の質問なんですけど、いまwithコロナ時代に達郎さんが表現したいクリエイティブってなんですか? 堀川 サイバーパンクだよ。ブレードランナーとか世紀末的な。そこに精神的なスピリチュアルな要素を加えていきたい。サイバーパンクとスピリチュアルはミックスしないんだろうけど、対比してるからオレが成り立ってる。「JULIUS」が、俺の表現自体がずっとそうやってきたから。

プレイリスト JULIUS 堀川

COREY FULLER“Da pacem Domine”

プレイリスト JULIUS 堀川
堀川達郎|Horikawa Tatsuro 1996年、サードストーン設立。この当時はグラフィックデザインを中心に活動する。97年には自身のファッションブランド「nuke」を立ち上げる。2001年、「ユリウス:JULIUS」を設立。怒りと痛みのシンボルである黒とグレーを基調としたコレクションで、世界中で人気を集めている。

HPInstagram

Naoki serizawa プレイリスト
NAOKI SERIZAWA 東京を中心に音楽活動をするDJ/音楽プロデューサー。NYのアーティストコレクティブ兼レーベル〈CREW LOVE Records〉よりデビュー。これまでにアジアはもとより、ヨーロッパや南米など世界各地の20都市以上でプレイを重ねてきた。ここ日本では<FUJI ROCK FESTIVAL>に6年、<Ultra Japan>に4年連続で出演。ブルックリンのTHE LOT RADIOやイタリアのm2o RadioのSignal Hillsのゲストミックスに出演するほか、国内でもJ-WAVEやInter FM、DOMMUNEなでライブミックスを公開してきた選曲のスペシャリスト。2020年、USのレーベル〈WOLF+LAMB Records〉より“El Final Del Verano”と“Yesterday”の2枚のシングルをリリース。

FACEBOOKInstagramLinktree

プレイリストVol.2 KOSUKE KAWAMURA

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

珠 鈴がSTADIL LIGHT CANVASで魅せる二面性 by Hummel

$
0
0

ハンドボールシューズをベースとしたスニーカーで、ヨーロッパを中心に人気の高まっているヒュンメルスニーカー。 今夏、新たに発売されるインサイドとアウトサイドでカラーが異なるアシンメトリーカラーの『STADIL LIGHT CANVAS(スタディールライトキャンバス)』を履き、アーティストの珠 鈴が相反する魅力を表現する。

珠 鈴がSTADIL LIGHT CANVASで魅せる二面性

HUMUS×bad girl

ROSEWOOD×pretty girl

Photo:Kana Tarumi Model&Styling:珠 鈴

STADIL LIGHT CANVAS PRICE:¥4,500+tax SIZE:6~45(22.5cm~29.5cm) Material:キャンバス/人工皮革 COLOR:ROSEWOOD/BLACK/HUMUS/WHITE&DIVA PINK/WHITE&RED&BLUE ヒュンメルの定番スニーカーSTADILがベースで、スリムなシルエットとシェブロンのクラシックな雰囲気を保ちながら、かかと部とEVA とラバーパーツのソールユニットにより履き心地がアップ。クッショニングのEVAが全面に入り、滑り止めと耐久性向上のために、ラバーパーツを組み合わさった軽量キャンバススニーカー。 詳細はこちら

珠 鈴

2017年4月から東京にて音楽活動をスタート。 都会的でスモーキーなテクノに珠 鈴のメロディアスで透明感たっぷりのボーカルが特徴的。 サウンドはCity Your CityのTeppei Kitanoが担当している。 2019年5月29日には初のEPとなる『光の中を泳ぐ』をリリース。 等身大の10代が抱える悩みや世の中の疑問など、リアルに書いたリリックが同世代にじわじわと広がりつつある。

HPTwitterInstagram

  Hummel デンマークのライフスタイルスポーツブランド「ヒュンメル」は、世界で初めてスタッド付きサッカースパイクを開発。シンプルでクリーンな北欧デザインで知られています。

HummelTwitterInstagramYouTube

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

〜 LIVEWIRE Suchmos From The Window 〜【Photo Documentary】

$
0
0
Suchmos

2020.07.19(SUN) Suchmos From The Window

約8ヶ月ぶりのワンマンライブが配信で実現。 配信画面を “窓” に見立て、その先の景色にあるSuchmosのパフォーマンス。 全曲新曲、見逃し配信無しのプレミアムな一夜を振り返る フォトドキュメンタリー。

Suchmos
Suchmos
Suchmos
Suchmos
Suchmos
Suchmos
Suchmos
Suchmos
Suchmos
Suchmos

Photo:小見山 峻

INFORMATION

New Goods <期間限定受注生産販売> 「From The Window TEE Designed by KCEE & TAIHEI」

価格:¥3,500(税込) サイズ:S,M,L,XL カラー:バーガンディ,ナチュラル 受注期間:7月17日(金)正午~7月24日(金)23:59 ※商品配送は8月下旬予定しております。 ※購入の際には会員登録が必要になります。 購入はこちら

横浜スタジアムでのライブが映像作品化! 「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA STADIUM 2019.09.08」

■Deluxe Edition ・LPサイズ仕様ジャケット ・ドキュメンタリーフィルム「Suchmos THE DOCUMENT 2013-2019 “A.N.D.”」 (監督:山田健人) ・ライブフォトブック(撮影・監修:岡田貴之) ※通常盤はどちらも本編映像のみ収録 購入はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.


人と人、音楽で紡ぐプレイリストリレー| Vol.4 永島健志「Days memories」

$
0
0
プレイリスト

「人とつながる、音楽でつながる」をテーマに、アーティストやクリエイターが紹介するプレイリストがバトンとなり、次々と絆ながるプレイリスト連載企画。DJ/音楽プロデューサーのNAOKI SERIZAWAがホストとなり、ウィズコロナ、アフターコロナ時代のクリエイティブについてゲストに話を訊きます。 この困難な時期、より良い世界に向かえるよう、音楽を通して人と人、想いと想いが世界で繋がっていくことを願います。 第4回目に登場いただくのは、東京・広尾のレストラン「81(エイティーワン)」のオーナーシェフ永島健志氏。こだわり抜かれた意外性のある料理だけでなく、料理をサーブする順番や空間等にも独自の演出を盛り込むなど、エンターテインメント性の高いサービスを提供しています。コロナ禍を経ての永島氏の考え、想い、そして選曲いただいたプレイリストについてなどを語っていただきました!

NAOKI SERIZAWA × 81シェフ 永島健志

NAOKI SERIZAWA(以下 SERIZAWA) この連載では、自分らしい表現を追求するアーティストが考える、ウィズコロナ時代のクリエイティブについて話を聞いていて、健ちゃん(永島健志)には絶対に出て欲しいと思ってた。 永島健志(以下、永島) 今回、誘ってもらったのは本当に嬉しかった。ミクスチャーって俺らの世代にはあったと思うんだけど、音楽だったりストリートだったりが交わって、それがリアルにカルチャーとしてミックスしていく時代。音楽やレストランがクロスオーバーしていくきっかけに直樹くんと俺がなれたらすげー良い一歩だなって思ってる。 SERIZAWA そもそも俺たちが初めてコラボしたのがGoogle Pixelの企画で、賢ちゃん(小橋賢児)がプロデュースした「都会のキャンプ」をテーマにしたルーフトップのディナーイベント。レストラン81で前衛的なコースを提供してきたシェフ・永島健志が、キャンプ飯をテーマにカジュアルダウンしたコースを提供する。そこにNo.501がナチュールをペアリングして、俺は音楽を担当させてもらったんだ。あの時に最高にクールだと思ったのが、ポトフをサーブした後に『このポトフを半分食べたら、このカプセルをお皿に入れてください』って言って、実際にそのカプセルを入れたらポトフがカレーに早変わりするという。 永島 エクスペリエンスだよね。今回は、プレイリストを作って欲しいってことで、やってみたけどすごい難しいね。でも考え方は料理と一緒だった。最後の最後に思ったのが結局オレ達はエクスペリエンス屋なんだなと。「こと」や「体験」を売っている。 SERIZAWA それこそレストラン81のスタイルだよね。料理が美味しいのは当然、サーブされる一皿一皿のアイディアが独創的で、驚きとユーモアに溢れてる。それらをコースとして出す順番にもストーリーがあって、この洗練された空間全体で魅せるショーを体験してるような感じ。

SERIZAWA ところで、緊急事態宣言中はどのように過ごしてた? 永島 本当に音を立てて何かが崩れるような。はい、ゲームチェンジだよって言われてるようにすら感じたよね。その時に考えたのは、もちろん自分のビジネスのこと、家族のこと、世の中のこと、世界のこと。そのバランスを取ることを意識していて、その先にあったのは、どうやって生きていこうかな? っていう、自分の「生き方」や「在り方」についてだった。 SERIZAWA すごくわかるよ。 永島 「これからどうすんの?」っていうのを迷っているというより「俺たちって何?」ってことをずっと考えてた。緊急事態宣言下で外出の自粛も叫ばれ始めて、店も休業せざるを得なくなった時「俺らは世の中にとって必要だったのか? そうじゃないエゴの押し付けだったのか?」とか、そんな事ばかりを考えてる時間だった。 SERIZAWA 緊急事態宣言中に、SNSで『食の意義を見つめ直した時、ぼくらの想いはシンプルだった』と言ってハンバーガーを提供したじゃない? これまで敷居も高かったレストラン81が純粋に料理を届けたいってことなのか、その言葉がすごく胸に響いたんだよね。 永島 仲間とみんなで集まることができないなかで、落ち込んだり、寂しかったりしても、食事っていうのは人を前向きにできるから。腹が減っては戦はできぬじゃないけど、とにかく食おうぜみたいな。で、俺たちは、レストランができなくて何ができるんだ? って考えた時に、「美味いものを作ろう」だったんだよね。こうやって時間決めて、エンターテイメントにこだわって、ショーを提供するのが難しいなら、シンプルに俺たちの大好きなハンバーガーを届けようって。散々、非日常を届けてきたんだけど、いま必要なのは背伸びした非日常ではないって思ったんだよね。

SERIZAWA 緊急事態宣言中は同じ空間を共有する喜びを分かち合うのが困難になった。みんなでレストランで美味しいご飯を頬張りながら会話を楽しむことや、クラブで集まって爆音を浴びながら踊ってお酒を交わしながら語ることとか。どちらも、好きなもの、好きな時間を共有して、リアルに人と繋がることが大切だったけど、そういうことができなかった。コロナ禍で価値観がひっくり返るようなことが起きた今、レストラン81として、永島健志が表現したいクリエイティブってなに? 永島 俺たちは、レストラン81という箱を作って、そこにお客さんを招いて非日常を創ることに命をかけてきた。これからは、もしかしたらそれとは別の箱を作ってお客さんに届けなくていけないのかもしれない。コンセプトやストーリーの届け方を意識した、家の中でできること。常に「日常にプラスα」できるものを創っていけるチームでありたいとみんなで話をしてる。今まさに産むのに苦労してるよ。 SERIZAWA もっと詳しく聞かせてくれる? 永島 このレストランを産んだのは俺だけど、レストラン自体はチームのみんなで創ってる。カウンターの向こう側にお客さんが座ってて、そのインサイドとアウトサイドのボーダーが崩れていったら面白いレストランができるなってイメージ。 SERIZAWA なんかフェスみたいだね。オーガナイザーとDJとオーディエンスの関係に似てる。 永島 そうそう。千利休が数百年前に「一座建立」「主客一体」と言ってるんだけど、茶の湯の世界で、ゲストもホストもないという意味で。それをコンテンポラリーにやれるかどうかが、次の81のテーマだったりする。俺たちは毎日パーティをやってる感覚。みんなで一緒に創っていくスタイルっていうのが、今俺がやりたいことかな。

SERIZAWA 本当にたくさんのことが変わったよね。 永島 うん。世の中が変わったから俺たちも変わるしかない。全ては相対なんだなって考えてたよ。そして時間軸を意識するようになった。俺たちが生きてる地球。例えるなら宇宙船地球号なわけですよ。その乗組員が、人間も動物も含めてみんな乗ってるでしょ? じゃあ、その船の行き先っていうのはどこに向かってるのかな? それは場所ではなく、未来なんだよ。そこには時間の概念が加わり、物事の考え方が平面から立体になり、四次元になる。その上で新しいルールを作っていこうよ。 SERIZAWA 僕たち地球に住む全ての生命体の行動で未来が変わってくるわけであって、コロナがあった未来となかった未来では進む方向が100%違っていたはず。大人数の人がコロナ禍をきっかけに立ち止まり、自分の在り方、社会とのつながり、未来について考え、本質を求めてきた。 永島 だから今、大事なものは何かを見つめ直し、その大事なものを次の世代に残す。今はその大事なものを決める段階。それが新しいルールであり、ニューノーマル。ニューノーマルって言葉はあるけど、中身はまだはっきりわからないじゃん? 歴史的に見ても稀有なタイミングだよね。もう、何かにアゲインストするんじゃなくて、政治とかも含めて、みんなでこの後どう楽しむ? 新時代くるじゃん? って考えていかなくてはならない。みんな意識変えようよ。自分の人生を大事にしよう。それは子供たちの人生を大事にすることであり、未来を大事にすることだから。みんな今こそ変わる時だよって。

永島健志 プレイリスト・テーマ「Days memories」

SERIZAWA 最後にプレイリストのテーマを教えてください。 永島 テーマは、シンプルにフェス。いま自分が一番欲しいもの。一体感、グルーヴ、コミュニティー、サバイブ、キャンプ。そういうものを全部含めて仮想フェスみたいなラインナップで作ってみた。10代の頃好きだったミクスチャーだったり、ハイスタみたいなロックだったり、音楽の道で頑張ってる友達の曲もたくさん入れた。若い頃から好きだったものや思い出も含めた、自分自身のメモリアルみたいなプレイリストになってます。

YAMAMOTO×IKUTA VOL.6|Another person

フジロック<Keep On Fuji Rockin’>の特別ライブ配信番組のラインナップが解禁!The Stone Roses、Radiohead、平沢進+会人(EJIN)、Hi-STANDARD、電気グルーヴなど

$
0
0
フジロック
FUJI ROCK FESTIVAL ’20>(以下フジロック)の開催は延期となりましたが、「キープオンフジロック」! 開催予定日だった8月21日(金)〜23日(日)に実施されるYouTubeでの特別ライブ番組FUJI ROCK FESTIVAL’20 LIVE ON YOUTUBE>で、ライブ映像が公開されるアーティストのラインナップがついに発表されました!

フジロック<Keep On Fuji Rockin’>のライブ映像配信のラインナップが解禁!

今回公開されるのは総勢103組の過去の出演時のライブ映像に加え、「ROOKIE A GO-GO 2020 LIVE」と銘打ち、新進気鋭の6組による撮り下ろしのパフォーマンス映像も公開されることに! 加えてサンボマスターによるライブ映像、さらには電気グルーヴの最新曲“Set You Free”のミュージックビデオも公開される予定となっています。

DAY 1

SELECTED JAPANESE PERFORMANCES cero 銀杏BOYZ Hi-STANDARD MAN WITH A MISSION PUNPEE TENDRE T字路s SELECTED INTERNATIONAL PERFORMANCES Ásgeir Dirty Projectors Jack White JET Lewis Capaldi Parquet Courts The Lumineers Travis SELECTED JAPANESE PERFORMANCES Cornelius 平井 大 くるり Superfly THA BLUE HERB YUKI FROM ROOKIE A GO-GO THE BAWDIES Suchmos Yogee New Waves ROOKIE A GO-GO 2020 LIVE Bearwear SARM SELECTED HEADLINER PERFORMANCES BLANKEY JET CITY Foo Fighters THEE MICHELLE GUN ELEPHANT The Stone Roses ※各コーナーは配信スケジュール順となります。 ※各コーナー内のアーティスト順は、アルファベット順で配信順ではありません。 ※配信アーティストなどは予告なく変更となることがあります。

DAY 2

SELECTED JAPANESE PERFORMANCES clammbon eastern youth GOMA & The Jungle Rhythm Section 平沢進+会人(EJIN) ONE OK ROCK RADWIMPS サニーデイ・サービス SELECTED INTERNATIONAL PERFORMANCES Anderson .Paak & The Free Nationals Ed Sheeran Greensky Bluegrass HAIM Khruangbin MAJOR LAZER MARTIN GARRIX Primal Scream Rhye Superorganism Them Crooked Vultures SELECTED JAPANESE PERFORMANCES 電気グルーヴ DYGL 井上陽水 never young beach ザ・ルースターズ 椎名林檎 toconoma ユニコーン SELECTED INTERNATIONAL PERFORMANCES American Football G. Love & Special Sauce Kamasi Washington LCD Soundsystem Mac DeMarco Of Monsters and Men One Day As A Lion VAUDOU GAME Wilco FROM ROOKIE A GO-GO D.A.N. King Gnu MONO NO AWARE 思い出野郎Aチーム サンボマスター ROOKIE A GO-GO 2020 LIVE GAME CENTER MÖSHI FUJI ROCK LEGENDS 忌野清志郎 SELECTED HEADLINER PERFORMANCES BECK The Chemical Brothers Radiohead SIA ※各コーナーは配信スケジュール順となります。 ※各コーナー内のアーティスト順は、アルファベット順で配信順ではありません。 ※配信アーティストなどは予告なく変更となることがあります。

DAY 3

SELECTED JAPANESE PERFORMANCES Cocco EGO-WRAPPIN’ エレファントカシマシ MISIA 折坂悠太 サカナクション toe SELECTED INTERNATIONAL PERFORMANCES CHVRCHES deadmau5 FKA twigs Gary Clark Jr. JAMES BLAKE Thundercat Vince Staples Wilko Johnson The xx SELECTED JAPANESE PERFORMANCES BRAHMAN ELLEGARDEN THE HIGH-LOWS jizue 渋さ知らズオーケストラ Yellow Magic Orchestra FUJI ROCK LEGENDS Joe Strummer FROM ROOKIE A GO-GO ASIAN KUNG-FU GENERATION Tempalay 突然少年 ROOKIE A GO-GO 2020 LIVE American Dream Express 草田一駿 LIVE サンボマスター SELECTED HEADLINER PERFORMANCES Beastie Boys Coldplay The Cure Oasis Red Hot Chili Peppers MUSIC VIDEO 電気グルーヴ New Song 「Set You Free」 ※各コーナーは配信スケジュール順となります。 ※各コーナー内のアーティスト順は、アルファベット順で配信順ではありません。 ※配信アーティストなどは予告なく変更となることがあります。
すでにアナウンスされている通り、配信中は、YouTubeのスーパーチャット機能(投げ銭)を使った寄付も実施される予定。寄付金は一部手数料を引いた全額を「Music Cross Aid」および「国境なき医師団」へそれぞれ寄付されます。そのほかライブ配信の最新情報はフジロック公式YouTubeチャンネルに登録し、ぜひチェックしてみましょう!

FRF ’20 LIVE ON YOUTUBE ARTIST LINEUP

EVENT INFORMATION

FUJI ROCK FESTIVAL’20 LIVE ON YOUTUBE

フジロック 2020年8月21日(金)22日(土)23日(日) 配信中は、YouTube のスーパーチャット機能(投げ銭)を使った寄付を募ります。寄付金は一部手数料を引いた全額を「Music Cross Aid」及び「国境なき医師団」へそれぞれ寄付いたします。 皆様のご支援・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。 詳細はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

酒場から世界へ生配信──「原島“ど真ん中”宙芳の選曲呑み屋物語」がスタート

$
0
0
原島“ど真ん中”宙芳の選曲呑み屋物語
東西南北に出向いては、ありとあらゆる呑み屋に入り酒を飲む。徒然なるままに友人、またはその場で知り合った人と話に花を咲かせ、また飲む。気付けば人が集まりその輪は広がっていく。このプロフェッショナル、原島“ど真ん中”宙芳がガイドする新配信企画<選曲呑み屋物語>がスタートする。

酒場から世界へ生配信。宙芳主催のプライベートパーティー。

<選曲呑み屋物語>では、普通の呑み屋で原島“ど真ん中”宙芳がDJを披露、その様子を生配信する。必要に応じて全国出張する準備も整っているという。 第1回は8月16日(日)19時から、QeticのTwitchアカウントから配信される。舞台は東武練馬駅北口にある呑み屋「むさし乃」(※通常営業ではないので一般の方は入れません)。そして配信中にはゆかりのある面々が呑みに来るとか来ないとか......。画面越しにも酒が進むこと間違いなし、生粋の酒場選曲家に酔いしれる2時間をぜひお見逃しなく。

フッドめし - HoodFood #06 原島“ど真ん中”宙芳 × TOKYO HEALTH CLUB

原島“ど真ん中”宙芳の選曲呑み屋物語
原島“ど真ん中”宙芳 昭和、東京生まれ、B-BOY お茶目で陰湿、ノリ重視。名実兼ね備えたロクデナシ。

INFORMATION

原島“ど真ん中”宙芳の選曲呑み屋物語

原島“ど真ん中”宙芳の選曲呑み屋物語 2020.08.16(日) START 19:00 VIEW FREE(※投げ銭あり) 配信はこちらからドネーションはこちらから原島“ど真ん中”宙芳 Twitter原島“ど真ん中”宙芳 Instagram

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

【フォトダイアリー】アウスゲイルが7度の来日をオフショットとともに振り返る。STAY HOME特別企画

$
0
0
アウスゲイル

2012年にリリースされ、北欧の様々なアワードを受賞したデビュー・アルバム『Dýrð í dauðaþögn』と、ジョン・グラント(John Grant)が歌詞をサポートしたその英語詞版『In the Silence』(2014年)をリリース後、2017年の『Afterglow』でさらに世界の様々な場所へと活躍の舞台を広げ、日本でも人気を博すアイスランドのシンガーソングライター、アウスゲイル(Ásgeir)。彼が通算3枚目となる最新アルバム『Bury The Moon』(アイスランド語詞版アルバムは『Sátt』)を完成させた。

Ásgeir - Youth(Official Music Video)

デビュー・アルバムでのアコースティックギターの響きと歌を中心にエレクトロニックな要素をそっと加えた簡素ながら温かみを感じるサウンドを経て、前作『Afterglow』では打ち込みのビートやコーラスアレンジなども加えながら、プロダクション面でのさらなる実験を追求した彼は、今回の新作で一度原点回帰。アルバムに向けてまっさらな状態から制作をはじめた楽曲に加えて、曲として完成していなかった過去のアイディアも活かしながら、ふたたびギターと声を楽曲の中心に据えた、そぎ落とされた“歌のアルバム”に仕上げている。 とはいえ、『Bury The Moon』は、ただデビュー作の頃の作風に回帰したアルバムかというと、そうではないだろう。今回の収録曲には、冒頭の“Pictures”や“Youth”“Breathe”などを筆頭に全編にわたってたびたび登場するホーンアレンジをはじめとして、様々な場面にかなり繊細なタッチでアレンジ面での工夫が詰め込まれていることが分かる。つまり、『Bury The Moon』は1作目のシンプルな歌心と、2作目でのアレンジ面での工夫が、絶妙なバランスでひとつになった作品であり、そうした要素が緻密に重なり合うようにして、誰かの生活や人生の機微を浮かび上がらせていくような雰囲気は、まさにアウスゲイルならではだ。

アウスゲイル

そして彼の楽曲の魅力は、レコーディング作品以上に心震わせる歌の力や、ライブでも顕著なアコースティック/エレクトロニックな音の融合などによって、音源以上にライブでこそ真価を発揮する。彼はこれまでに2014年2月に新木場スタジオコーストで開催された<Hostess Club Weekender>での初来日以降、6年間に7度来日。同年7月の<FUJI ROCK FESTIVAL ‘14>ではホワイトステージの大自然をバックに初の日本でのフェス出演を成功させると、2015年1月には東京・大阪で初の単独公演を開催。翌2016年には<Summer Sonic 2016>の深夜帯<HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER>に、ジョン・グラントとともに出演した。そして2017年には、7月の<FUJI ROCK FESTIVAL '17>と、11月の東京・大阪での単独公演で2度来日。2020年5月18日(月)に開催予定だった来日公演は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響を受けて中止となったものの、状況が整う頃には、ふたたびあの素晴らしいライブが観られることを、楽しみにしている人も多いだろう。 そこで今回は、アイスランドにいる彼に過去の来日時の記憶の中で印象的だったことを、コメント付きのフォトダイアリー形式でまとめてもらった。新作『Bury The Moon』を聴きながら、彼の日本での思い出や、日本のリスナーとの6年間に思いを巡らせてみてほしい。

text by 杉山仁

PHOTO DIARY

2014年2月 Hostess Club Weekenderでの初来日

アウスゲイル

駐日アイスランド大使館で無料ライヴ この日のことはよく覚えているよ。たくさんの素敵な人たちと出会い、とても楽しい時間を過ごした。特に柔道の世界チャンピオンだって言う人に会ったことが印象的だった。彼はすごくクールでね。この日はすごい雪が降っていて、大使館に行く道中にも写真を撮ったんだけど、日本の雪はすごく柔らかくて、ゆっくり舞い落ちてくるので口でキャッチするのが簡単だった。実は大使館のロビーで雪まみれになって撮った写真もあるんだよね。

アウスゲイル

焼肉 この来日以来、焼肉に行くことが最も好きなことの一つになったんだ。日本に来る際にはいつも同じ焼肉店に行くんだけど、そこは店内で喫煙ができるんだよね。すごく僕にとっては驚きだったんだけど、当時は多くのメンバーが喫煙していたから嬉しかったよ。今ではもう何年も吸ってないから、次来店した時はどう感じるのか、ちょっとわからないけど。

2014年7月 フジロックフェスティバル初出演

アウスゲイル
アウスゲイル

フクロウカフェ訪問 この経験はよく覚えているよ。大体ツアーに出てる時って毎日同じことの繰り返しだから、この様にドライブしてフクロウカフェに行けたのはすごく新鮮で嬉しかった。僕を含むアイスランド人メンバー全員にとって初めての体験だったので、全てのことを吸収して帰ろうとしたよ。色んな色やサイズのフクロウがいて、コーヒーを飲みながら抱っこしたりできるんだ。とりわけ記憶に残っているのが、ドラマーのヘルギが気に入ったフクロウがいたんだけど、その子が彼の頭の上に座って、帽子の上に糞をしてみんなで大爆笑したことだね。

アウスゲイル
アウスゲイル

縁日体験 これはどこかで行なわれていたお祭りのようなもので、すごく天気の良い日で気持ち良かったのを覚えているよ。手で金魚をすくうなんていう初めての経験をたくさんしたんだ。

2015年1月 初単独来日ツアー

アウスゲイル

東京公演前の楽屋での様子 出番の前にシャツにアイロンをかけているのかな。きっと初の東京公演前ですごく緊張していたんじゃないかな。あの時ステージのセットアップを手伝ってくれた人たちが、これまで出会った中でもすごくプロフェッショナルだったのを記憶している。すごくきっちりしていて的確なんだ。でもそれってほとんどの日本人の特徴でもあるんだよね。

アウスゲイル

音楽機材ショッピング これは何度か訪れたお店で、僕らが大好きなヴィンテージのシンセサイザーのコレクションが豊富なんだ。確か愛用しているRoland SH2もここで買ったんじゃなかったかな?

2016年8月 Hostess Club All-Nighterでの来日

アウスゲイル

日本のファッション誌用の撮影風景 これはファッション誌用の撮影で、メイクさんやクルーなどすごくたくさんのプロの方々に囲まれた現場だったのを覚えている。確か来日したてで睡眠不足だったんじゃないかな。でもこの水を使った撮影のアイディアはすごく気に入ったんだ。

2017年4月 プロモーション来日

アウスゲイル

桜が満開の最高の季節での来日は素晴らしかったよ。これまで見た事がないぐらいすごくカラフルだった。

アウスゲイル

寿司 日本にいる時は基本的に寿司を食べている。日本人は毎日寿司を食べることはしないんだって? でも僕たちは毎日食べる。普段寿司を食べないメンバーでさえ、日本にいる時は毎日寿司を食べるんだ。

2017年7月 フジロックフェスティバル再出演

アウスゲイル

出番前の楽屋 出演時間までこのホテルの楽屋で過ごしたんだ。素敵な景色とケータリングのスナックが印象的だった。

アウスゲイル

フジロックフェスティバル会場 確かインタビューと写真撮影で自然の中を散歩したんだけど、すごくキレイだったよ。

アウスゲイル

ハリネズミカフェ コーヒーを飲みながらハリネズミを触るなんて、初めての体験だったね。今後の人生でもそうできる経験じゃないと思うけど、すごく面白かったよ。

2017年11月 再単独来日ツアーでの宝探し企画&その勝者

アウスゲイル
アウスゲイル
アウスゲイル

これは日本のツアー会場で実施した宝探し企画。世界に一つしかないレコードが会場のどこかに隠されていて、それを見事探し当てた勝者との記念撮影。みんなのハッピーな顔を見られて楽しかったよ。これまで僕の音楽をサポートしてくれた人達とあの瞬間を共有できたのは素晴らしかった。

2020年5月 アイスランドでの最近の様子

アウスゲイル

自宅近くの林の中へガールフレンドと出かけた際に、友達が貸してくれたすごく良いカメラを持っていってこの写真を撮影したんだ。

 

Comment by Ásgeir

RELEASE INFORMATION

アウスゲイル

Bury The Moon

Ásgeir (アウスゲイル) 2020.05.13(水)※歌詞対訳、日本盤ボーナス・ディスク付、(直輸入盤仕様) One Little Indian / Caroline UICB-1009/10 ¥2,700(+tax) <トラックリスト> [DISC 1] 1.Pictures 2.Youth 3.Breathe 4.Eventide 5.Lazy Giants 6.Overlay 7.Rattled Snow 8.Turn Gold To Sand 9.Living Water 10.Until Daybreak 11.Bury The Moon [DISC 2]1. Lazy Giants (Japan Version) 2. Rattled Snow (Japan Version) 3. Clear Sky 4. Hope オフィシャルサイトアルバム『Bury The Moon』配信中!

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

Viewing all 735 articles
Browse latest View live